回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 4088
レビュー : 324
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749060

感想・レビュー・書評

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  • ★★★☆☆

  • 示唆に富む、という言葉がぴったりな一冊。
    自分自身の何気ない日常は、誰かに話すとそれは割と変わったものだったり、面白いと感じられるものだったりするのかもしれない。その逆もまた然り…
    自分以外のフィルターを通して自分の生活を知ったら、どう思うだろう?

  • 村上春樹自身が、これまでに体験した、耳にした、書かずにはいられなかった、「話してもらいたがっている」話。
    冒頭にある説明書きの通り、まさにスケッチのような短編集でした。
    どれも、一度読んだら奇妙に心に残り続けて、無力感や焦燥感となって私の中に吸収されていくようでした。

    「タクシーに乗った男」が特に好きです。
    一枚の絵画に囚われてしまった女性の変化がまるで自分のことのように思えた。

    人は何かを消し去ることはできないーー消え去るのを待つしかない
    私の人生はすでに多くの部分を失ってしまったけれど、それはひとつの部分を終えたというだけのことであって、まだこれから先何かをそこから得ることができるはずだってね

    『カロ・タクシージーーよいご旅行を』
    確かに素敵なことばです。

  • ふとした瞬間に感じる孤独感、喪失感とか生きる上で出会わざるお得ない感情をものをすごく上手く言葉にしていて上手いな〜と思った。ほんの一部の日常を切り取った描写が妙にリアルで思いを馳せる余地がある。個人的にはタクシーに乗った男がかなり好きで、自分の事ではないかと思うほど感情がリンクした

  • 文庫化されている初期の作品の中で、本編の中に氏が本人として登場する最初の一冊ではないでしょうか。
    エッセイではなくあくまで小説なので、氏の姿が変に見え隠れして、どこまでが実話でどこからが脚色なのか(ほとんど肉付けはないそうですが)余分な想像をしながら読むことになってしまいました。
    登場人物たちのあの独特のセリフ回しは健在ですから、少なくともさすがにそれは氏の作文による部分が大きいと思わざるを得ません。あるいは、彼の周りにはああいうしゃべり方をする人ばかり? そんなことはないと思います。

    読書の過程でそんな道草を食ってしまうのは、作品の成り立ちが原因の一部ではあるものの、大部分は私のせいです。たぶん。


    <収録作品>
    ・はじめに・回転木馬のデッド・ヒート
    ・レーダーホーゼン
    ・タクシーに乗った男
    ・プールサイド
    ・今は亡き王女のための
    ・嘔吐1979
    ・雨やどり
    ・野球場
    ・ハンティング・ナイフ

  • 語られたがっている小さな(でもその人にとって大きな)出来事をまとめたお話。
    こういったことを一つ一つ並べていく作業が必要になるときがくるのかもしれない。

  • 35歳になった春、彼は自分がすでに人生の折り返し点を曲がってしまったことを確認した。

    マリファナも吸ったし、友達に誘われてデモに出かけたこともあった。勉強というほどの勉強をしたわけではないが、それでも講義にだけはきちんと出席していたから人並み以上の成績を残すことが出来た。ノートは一切とらないのが彼のやり方だった。ノートをとる暇があるなら、そのぶん授業に耳を傾ければいいのだ。

    でもそれと同時に、僕は心の底からホッとしていました。結局のところ僕は解放されたのです。彼女がいなくかってしまうことで、僕は自分の力ではどうしようもなかった泥沼から抜け出すことが出来たんです。

  • レーダーホーゼン ★4
    タクシーに乗った男 ★3
    プールサイド ★3
    今は亡き王女のための ★4.5
    嘔吐1979 ★3.5
    雨宿り ★4
    野球場 ★4
    ハンティングナイフ ★4.5

  • 2015.3

  • 「タクシーに乗った男」は何とはなしに面白かったが、あとは何をどう読み取ればよいのかわからなかった。まさに、見当もつかない。
    私がオチを求めすぎなのだろうか。文章の面白い作家との評価のようだが、倒置や外来語が多く、本質がつかめない。雰囲気のみ。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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