回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 4088
レビュー : 324
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749060

作品紹介・あらすじ

現代の奇妙な空間-都会。そこで暮らす人々の人生をたとえるなら、それはメリー・ゴーラウンド。人はメリー・ゴーラウンドに乗って、日々デッド・ヒートを繰りひろげる。人生に疲れた人、何かに立ち向かっている人…、さまざまな人間群像を描いたスケッチ・ブックの中に、あなたに似た人はいませんか。

感想・レビュー・書評

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  • 回転木馬なのにデッドヒート。タイトルのセンスが素敵。

    冒頭で村上氏はBased on factsを強調しており、奇妙な話だったり人生が変わる体験には示唆や理屈など存在しないほうがリアルなのかもしれない。小説とは違って。

    作品自体はいずれも好みだったが『レーダーホーゼン』が個人的好み。一人で生きていく決意はほんの些細な気付きなのかもしれない。

  • 村上春樹さんの決めつけない物の言い方すごく好きだな
    責任を持って発言してるというか、すごく考えてるというか
    単に頭が良いのかな

    ノルウェイの森のキズキとか他作品の主人公と村上春樹さん自身をどうしても重ねてしまう

    でもここに載ってる話は全然普通の人の普通の話じゃないと思う

  • 世にも奇妙な物語集。

  • 我々はそんな回転木馬の上で仮想の敵に向けて熾烈なデッドヒートをくりひろげているように見える。これは村上春樹さんにしか書き得ない文章表現でありキャッチコピーだと思いますよね。さまざまな人々の語る人生の物語には安易な答はないのでしょう。だから最後まで読んでも意味がわからなくても決してガッカリせずに唯々ラストの一文に漂う余韻を噛み締めて味わうべきなのでしょう。本書には所々に男女のセックスが描かれますが嫌らしくもエロティックでもなく淡々とした筆致です。これらの物語は読み手の年齢によって感想に違いがありそうですね。

    『レーダーホーゼン』ドイツ旅行の妻に半ズボンを土産に頼んだ事が夫の一生の不覚。人生は誠に不可解ですね。『タクシーに乗った男』女の離婚の原因はやはり絵に描かれた見知らぬ男に魅せられた為でしょうね。『プールサイド』人生の折り返し点を過ぎた男の憂鬱。ビリー・ジョエル「アレンタウン」&「グッドナイト・サイゴン」『今は亡き王女のための』運命のすれ違い。『嘔吐1979』嘔吐と謎の電話。『雨やどり』さだの歌とは無関係な金で男と寝る女の話。『野球場』覗き男の罪悪感。『ハンティング・ナイフ』男の夢判断の結果を知るのが怖い。

  • ハンティングナイフ
    脳に突き立てられているナイフ。記憶が消え去っていく。後には白骨のようにナイフだけが残る。そういう夢。

  • さすが。

  • 英語を教えていたおじさんに、最後の授業でプレゼントしてもらった思い出の本。

    全て面白いけれど、『タクシーの男』が一番好き。

  • 小説

  • 再読日 11111111 19990802


    「レーダーホーゼン」「プールサイド」「今は亡き王女のための」「ハンティングナイフ」がよい。

    どうでもいいけど、上記の文庫本背表紙の作品紹介はちょっと違うんじゃないかと思うけど。 19990815




    現代の奇妙な空間−−−都会。そこで暮らす人々の人生をたとえるなら、それはメリー・ゴーラウンド。人はメリー・ゴーラウンドに乗って、日々デッド・ヒートを繰り広げる。人生に疲れた人、何かに立ち向かっている人・・・。さまざまな人間群像を描いたスケッチ・ブックの中に、あなたに似た人はいませんか。

  • 村上春樹の短編集を古い方から順に読み返している。本書は基本的に事実をもとに書きあらわされている、そうだ。事実は小説より奇なり。何とも奥の深い、深そうな話がそろっている。その中でも半ズボンの話が傑作だ。「レーダーホーゼン」ドイツの革製半ズボン。夫はドイツへ一人旅に向かう妻に、その半ズボンをお土産として買ってきてほしいと頼む。妻は地元の人々がほめたたえる職人の店にたどり着く。しかし売ってくれない。本人がいないとだめという。本人にフィットするように仕立てるのだそうだ。妥協点を見つける。体系が似た男性を連れてくる。職人二人とその男性がぺちゃくちゃしゃべりながら、半ズボンができあがっていく。その小一時間の間で、妻は二度と夫には会わないと決心する。その気持ちが痛いほどわかる。きっとこんなふうだと想像する。「どうして私はあんな人のために、こんなに必死に土産の半ズボンを買い求めようとしているのか。彼には今までに何度もひどい思いをさせられてきた。それなのにどうして。」そう思い始めるとどうにもこうにも二度と会う気がしなくなったのだろう。この話のポイントは半ズボンだったのだ。「野球場」を通してのぞく彼女の部屋にもそそられる。「いまは亡き王女のための」の僕は春樹本人のことか? つらい状況がとてもよく伝わってくる。まわりに人はいたのだろうか?いたのだろうな? ラベルのパヴァーヌはすてきな音楽だ。「雨やどり」僕もまっとうな男の条件を満たしている。山火事みたいに無料とはいったいどういうことか。あちこちで自然発生的に起こるということか? 「やれやれ」はこの「雨やどり」の中に一度登場するだけだった。7万円で自分の身体を売った女性が心の中でつぶやいていた。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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