1973年のピンボール (講談社文庫)

  • 講談社 (2004年11月16日発売)
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感想 : 965
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  • 本 ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749114

作品紹介・あらすじ

僕たちの終章はピンボールで始まった
雨の匂い、古いスタン・ゲッツ、そしてピンボール……。青春の彷徨は、いま、終わりの時を迎える

さようなら、3(スリー)フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。双子の姉妹との<僕>の日々。女の温もりに沈む<鼠>の渇き。やがて来る1つの季節の終り――デビュー作『風の歌を聴け』で爽やかに80年代の文学を拓いた旗手が、ほろ苦い青春を描く3部作のうち、大いなる予感に満ちた第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • 土瓶さんが読んだ“パン屋再襲撃”が本棚に見つからず aoiさんがお片付け中に見つけてしまった
    “ピンボール”を見つけてしまいました

    手元にあるのは、もちろん文庫ではありませが
    バーコードもありませんので、文庫登録

    井上ひさし氏の 新鋭の知的で爽やかな‘80年代の文学という文芸評が当時の私達の気持ちを代弁しているのかな

    登録してみると最近も多くの方が読んでいて
    驚きとともに皆さん懐かしいのかなと

    私は、この“風の歌”からの三冊を
    “羊をめぐる”が発刊された後 まとめて
    従姉妹にもらったんです
    ですから、三部作を一気に読んだんです
    そこは重要だったと思います
    このピンボールまでだと ストーリーは
    あってないような流れなので
    つまずいたかもしれません

    直子との別れ ピンボールマシンとの別れ
    双子少女との別れ 
    多くの物を喪って 僕は羊をめぐるぼうけんへ
    悲しいかな覚えてないけど

    さて 本は断捨離でしょうね

    • きたごやたろうさん
      おびのりさんへ

      そうですよね。
      なにせ毎年ノーベル文学賞今年こそっていわれ続けている方ですものね!
      おびのりさんへ

      そうですよね。
      なにせ毎年ノーベル文学賞今年こそっていわれ続けている方ですものね!
      2025/02/10
    • aoi-soraさん
      コメント遅くなりました(^o^;
      私は三部作のメインとも言える「羊」を読んでません…
      あるんですよ、手元に。
      何年も前から(笑)
      そのうち読...
      コメント遅くなりました(^o^;
      私は三部作のメインとも言える「羊」を読んでません…
      あるんですよ、手元に。
      何年も前から(笑)
      そのうち読みますね(;^ω^)
      因みに私はピンボール断捨離できませんでした
      文庫だし…
      2025/02/11
    • おびのりさん
      aoiさん
      羊が一番ストーリーがありますよ(たぶん)

      私も文庫バージョンなら保管決定だったんですけど、今月6冊本を増やしてしまうので…

      ...
      aoiさん
      羊が一番ストーリーがありますよ(たぶん)

      私も文庫バージョンなら保管決定だったんですけど、今月6冊本を増やしてしまうので…

      せめてブグログに登録です
      2025/02/12
  • 部屋の片付けをしていたら発見した本
    薄いから、ついそのまま再読
    (結局片付けは中断したまま…^_^;)



    「風の歌を聴け」の続きだ
    僕と鼠のほろ苦い青春
    それぞれの喪失と成長の物語

    様々なものと決別し前へ進んでいく
    それには時間も儀式も必要だ
    特に大きな存在を失った時には…

    行方の分からなくなったピンボールの台『スペースシップ』と僕が再会する場面はとても印象的
    『スペースシップ』に『直子』を重ねているのか…

    これでようやく前へ進むことが出来るのだろう

    • aoi-soraさん
      土瓶さん
      あるあるですよね〜(;^ω^)
      もう全然片付けが進まないんですよ
      古い本を見つけるとパラパラ読んじゃうし
      並べ替えてみたり
      積読本...
      土瓶さん
      あるあるですよね〜(;^ω^)
      もう全然片付けが進まないんですよ
      古い本を見つけるとパラパラ読んじゃうし
      並べ替えてみたり
      積読本には罪悪感を感じつつ、またそっと戻したり…
      気付くと何時間も過ぎていることが…( ;∀;)
      2024/12/14
    • kuma0504さん
      aoi-soraさん、
      いえ、とんでもないです。
      後半は書いてある通り、日本思想史に興味なければ、ちょっと厳しい文章なんで、2つの「いいね」...
      aoi-soraさん、
      いえ、とんでもないです。
      後半は書いてある通り、日本思想史に興味なければ、ちょっと厳しい文章なんで、2つの「いいね」の間に4分のタイムラグがあったんで、4分でもあの文章読んでいたならありがたいと思っていたんです。
      それ以上に読んで頂いたと言うことなら、かえって申し訳ないぐらいです。
      熊楠にしろ、兆民にしろ、ちょっと傍流にいるひとに興味あります。
      2024/12/14
    • aoi-soraさん
      くまさん
      そう言えば以前教えて頂いた熊楠関連の本「別冊太陽」ですが、図書館にありました。
      そのコーナーには何冊もの熊楠さんについての本が並ん...
      くまさん
      そう言えば以前教えて頂いた熊楠関連の本「別冊太陽」ですが、図書館にありました。
      そのコーナーには何冊もの熊楠さんについての本が並んでいました。
      その分野の棚の前に立ったのは初めてで、図書館ってスゴイ!!
      と改めて感動です╰⁠(⁠⸝⁠⸝⁠⸝⁠´⁠꒳⁠`⁠⸝⁠⸝⁠⸝⁠)⁠╯
      時間が出来たら読んでみようと思います♪
      ブクログをはじめてから興味の幅が劇的に広がって、楽しくて仕方ない毎日です(笑)
      2024/12/14
  •  村上春樹は好きな作家なのですが、ネズミシリーズはどうもハマりません。その中でもこれはイマイチでした。オーディブルに登場したので、さっそく聴いたのですが、どーも主人公に馴染めないのだ。本で一度読んでいるので、オーディブルでもっと入れると思ったが、集中力が続きませんでした。
     やはり私は村上春樹の直子とか青豆とかをしつこく思い続ける主人公の方が好きだなぁと思うのであった。

    • きたごやたろうさん
      またまた私の本棚に「いいね」をありがとうございます。

      この本は、私が生まれた年がタイトルに…。
      村上春樹さんの作品は実はまだ読んだことがな...
      またまた私の本棚に「いいね」をありがとうございます。

      この本は、私が生まれた年がタイトルに…。
      村上春樹さんの作品は実はまだ読んだことがないんですけど、入り口になるかもです!
      2025/01/02
    • 雷竜さん
      村上春樹は少しクセがあるからね。ネズミシリーズは抵抗があるかもしれません。「ノルウェーの森」か「色彩のない田﨑つくる」辺りから入った方がいい...
      村上春樹は少しクセがあるからね。ネズミシリーズは抵抗があるかもしれません。「ノルウェーの森」か「色彩のない田﨑つくる」辺りから入った方がいいと思います。
      2025/01/02
    • きたごやたろうさん
      ご紹介ありがとうございます。
      名作、「ノルウェーの森」から攻めてみたいと思います!
      ご紹介ありがとうございます。
      名作、「ノルウェーの森」から攻めてみたいと思います!
      2025/01/02
  • 《見知らぬ土地の話を聞くのが病的に好きだった》
    『風の歌を聴け』に引き続き、またもや冒頭の一文でぐっと掴まれてしまった。村上春樹の小説の主人公のクールでニヒルな外見とは裏腹の人間的で熱い一面に「いい人じやん」となってしまう。
     “僕”の元カノの出身地は「駅のプラットフォームの端から端まで犬が散歩している」くらい田舎だったが、文化人達が山の中腹に思い思いの家を建て、ある種のコロニーを形成していた。が高度経済成長期にブルドーザーで開発され都心の周りの住宅街となった。“僕”と“鼠”の出身地(おそらく神戸)は、昔は漁村だったが都市開発に伴い、漁師たちは、追いやられ、その名残で無人灯台が残る。
     そんな故郷を愛していながら、そこにとどまることが出来ない若者たち。
     この小説では“人”に対してだけでなく、消えゆく“物”に対する惜別も描かれている。配電盤、ピンボールなど。
     時代の流れによって、押しつぶされたり、押し流されたりして、変わっていったり、なくなっていくものや土地への愛着を滲ませながら、同じように、少年から大人になる過程で自分の中で、押しつぶしたり、埋め立ててしまったものへの愛着から、逃れられない。だけど、その愛着を断ち切らねばならないことを知る、主人公たち。「どんな進歩もどんな変化も結局は崩壊の過程に過ぎない」と悟りながら。とても早熟だ。
     けれど、最後の「何もかもが繰り返される」という一文で、やっぱり若いなと思う。私なんかはこの頃(自分の歴史のなかでは)「もうこれで最後だよ」と思うことが度々あるから。

    • hirokingさん
      Macomi55さん

      村上さんの小説は日常を通常とは異なる角度・視点でみておられることが多いと思っています。なので通常の認識で読み始めると...
      Macomi55さん

      村上さんの小説は日常を通常とは異なる角度・視点でみておられることが多いと思っています。なので通常の認識で読み始めると「えっ」となってしまうことが多い。
      でも、Macomi55さんのご感想は「ごもっとも!」です。
      2023/09/03
  • 鼠3部作の2作目。
    1973年の9月~11月の物語。
    僕と鼠2人の視点からなる。
    僕視点は脈略がなくなんかファンタジーな感じ。
    鼠視点は若者特有な恋、無力感が描かれている。
    どこにたどり着くのだろうか。

  • 村上春樹再読

    最初に読んだのは20代で、若い頃何度か読み返し、そして今50過ぎでおそろしく久しぶりに手に取ったらやはりよかった。というか若すぎてなんだかわからなかったことが、リアルに感じてしまうこの頃、だった。

    若いときは、何スカしてるんだ、と感じた記述もむしろ今の方が気恥ずかしくない。
    シンプルに懐かしく、切ない。配電盤の葬式は変わらず名シーンだし、ピンボールマシンに一斉に電源が入る場面は胸が熱くなった。

    若き村上の文章がみずみずしい。
    「十月の雨は素敵だった。針のように細い、そして綿のように柔らかな雨が、枯れはじめたゴルフ場の芝一面に降り注いだ。そして水たまりを作るでもなく、大地にゆっくりと吸い込まれていった。雨上がりの雑木林には湿った落ち葉の匂いが漂い、夕暮の光が幾筋か射しこんで、地面にまだらの模様を描く。雑木林を抜ける小径の上を何羽かの鳥が走るように横切る」(p129、文庫版)。
    双子の女の子と夕暮のゴルフ場に忍び込んで散歩した経験は私にはないが、でもたしかに若いときこんな経験をした気がするのだ。

    生暖かく守られた、子宮的に安心な、しかし孤独な空間を出ていくモチーフはもちろん「ハードボイルドワンダーランド」や「街とその不確かな壁」のような傑作群に結実しているが、原型がこの小説にも現れていることに今回気がついた。

    「街を出ようという鼠の決心は一時は揺らぎのない確固としたものに思えた。長い時間をかけ、様々な角度から検討し、そして得た結論だった。どこにも隙はないように思えた。マッチを擦り、橋を焼いた。それで心を残すものも消えた。街には幾らか俺自身の影が残るかもしれない。しかし誰も気にはするまい。」(p133-134)。
    まあ鼠なりの「人類補完計画の拒絶」なんだよなあ。

    うむ、これを再読してもいまさらとくに人生観に変化はない。それは再確認できた。ただ、「なにもかもみな懐かしい」、なのである。

  • 僕と鼠それぞれの話が並行しながら進んでいく。
    前作の「風の歌を聞け」は爽やかでお洒落な雰囲気が漂う作品だった。今作は打って変わって心の闇や影の部分が前面に出ている。僕と鼠が前に進もうと葛藤しているところが書かれていて、心にグッとくるものがあり凄く良かった。
    特に鼠のパートが雰囲気で出てて好きだった。悲しみや苦しみ、友情や愛情などが複雑に絡み合いながらも見事に表現されていて引き込まれた。思わず唸るセンス抜群のワードチョイスやフレーズも相変わらずで名言の嵐。
    今作も暗喩が多いので読み解くには難解であるが、前作よりは読みやすくなっていて置いてけぼりにならなかった点も良かった。
    風→ピンボールの順で読むのは必須かと。羊をめぐる冒険にも期待。

  • 村上春樹再読。
    僕が村上春樹を好きになったのは『世界の果て』以降。本作と『風の歌を聞け』は苦手だった。本作は鼠が暗すぎて気が滅入るのだ。今回思い立って再読。

    ネット上でも本でも、たくさん研究されているストーリーに関してはあまり言うことが無いのだが、後の作品を読んでるからこそ解る設定ってのもあってなかなかに手強い。きっと初読の時には何も読み取れてなかったに違いない。

    今回分かったこと
    鼠は相変わらず暗い(そりゃそうだ)
    村上春樹の魅力の一つである“語り口“は、意外とまだ完成していない。
    案内役の女の子(今回は双子)は相変わらず魅力的。

  • ピンボールのスペースシャトルは突然亡くなった直子さんを彷彿とさせる。
    僕も鼠も何かにけじめをつけ新しい世界に向かう。
    孤独と哀愁が漂う。

    古い配電盤のお葬式は何の比喩なのだろう。

  • 何度読んでも、『スペースシップ』を見つけ出すまでの過程に、なぜここまでわくわくさせられるのかが、まったく分からない。分からないけれど、必ずそうなる。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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