1973年のピンボール (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 10095
レビュー : 720
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749114

作品紹介・あらすじ

さようなら、3フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。双子の姉妹との"僕"の日々。女の温もりに沈む"鼠"の渇き。やがて来る一つの季節の終り-デビュー作『風の歌を聴け』で爽やかに80年代の文学を拓いた旗手が、ほろ苦い青春を描く三部作のうち、大いなる予感に満ちた第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • 人間が出てこない。
    人間が書かれているはずなのに、人間がいない気がする。稀薄。
    特に女性はいない、軽い、特徴的な双子だって、人間じゃない。
    男女の関係を自然なもののように扱おうとしているけれど、とても薄っぺらく、そもそも人間じゃない。
    人間がいないのに、人間の心を語っているようで違和感。

  • デビュー作『風の歌を聴け』と、二作目の本作はまだ未熟だった頃の作品だから、と海外での刊行が一切されていないそうですが、その理由が分かった気がする。未熟というよりも、書きたいものとか今までの人生で考え続けてきたものがたまりに溜まって、それをなんとか形にして出さなきゃって思って、様々な表現を取りながら溢れ出ている、そんな感じ。物語として成立しているよりも、どっちかっていうと本当に真摯な告白のような、そんな気がする。これからの創作に向けてのパワーみたいなものがひしひしと感じられて、でも途方もない行き場のなさ(それも一種の今後のテーマとなっていくでしょうが)もあって、原点みたいなものを感じてわたしは好きだなあ。それにしても、わたしは女で、なんていうか、まあそれなりに一生懸命生きていて、悩んでいることに突き刺さるようなものが書いてあって、ほんとうになんだかなにが可能なのか分からない悲しさ、ほんとうに悲しくて眩暈がするような切実な悲しさを感じて、胸が痛かった。

  • 作中に多く登場するビール。ビールは喉越しだ。口の中で転がしてゆっくりと舌で味わうものではない。そういう事だろう。

  • 「風の歌を聴け」と一緒に買った一冊。これが鼠シリーズの第二部だけどつながりがあるようなないような、不思議な感じだった。。相変わらずジェイと鼠の会話はおしゃれだし、僕の会話中の返しはいつも軽妙ですごく好きだった。ただやっぱりつかみどころがなくて、おしゃれすぎるファッションショーをみてると何がおしゃれなのかわからなくなってくるような、読み終えてふわふわした感覚が残る。
    物語の展開がどうとか難しいことを考えずに読んで頭の中を通り抜けていくのをもっと楽しめるようになったら、こういう本も面白いんだろうなあと思った。

    ジェイの「どんなに月並みで平凡なことからでも必ず何かを学べる。」、
    僕の「遠くから見れば、大抵のものはきれいに見える。」
    というフレーズはすごく気に入った。

  • 鼠の感じてる焦りとか不安とか悲しさとか息苦しさとかわかるようなわかんないような
    彼女に何も言わずにさよならしちゃうような心境なんだろうね

    双子ちゃんがなごみでした
    配電盤のお葬式とかかわいいなー
    僕は相変わらずですね
    朝起きたらベッドに双子の女の子がいたら!いいなぁー

    20140102

  • 雰囲気が、とてつもなく好き。
    この小説の時代に行ってみたい。

    流れていく時代と、
    おいつけない自分。

    まだ捉えきれない、すべて。
    ただ、雰囲気が、凄く良い。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「この小説の時代に行ってみたい」
      ジェネレーションギャップを感じるなぁ~
      「1Q84」読んだので、急に色々読み返したくなってます。。。
      19...
      「この小説の時代に行ってみたい」
      ジェネレーションギャップを感じるなぁ~
      「1Q84」読んだので、急に色々読み返したくなってます。。。
      1973の私は思いっ切り背伸びした半大人で、世間をナメテました。今やっと2/3くらいになったかな(成長してません)
      2012/08/21
  • 再読
    風の歌を聴けと続けて読めたのでよかった。おもしろい、やはり昔読んだときより分かる気がする

  • とりとめのない話、出来事の連続でした。
    「僕」と3フリッパーのスペースシップとの会話は独特のファンタジーを感じて印象的でしたが、特に鼠と彼女とのエピソードなど、本を閉じて次に読む頃には前の話の詳細はすっかり忘れてしまうくらいにとりとめのない話ばかりでした。
    そこにどんな意味を見出すのか、文中の言葉を借りると「入口があって出口がある」ただそれだけのことなんでしょうか。

    羊をめぐる、風の歌、ピンボールと三部作を読んで「僕」や「鼠」をうらやましく思ったことが一つあります。

    ジェイズバーの存在です。
    人恋しくなりジェイズバーに行く。「あいつはいるかな」と淡い期待をもってジェイズバーに行く。眠れぬ夜にビール一杯を求めてジェイズバーに行く。そして、それこそとりとめのない話をする。
    三部作を通しで読んで、そういう場所にすごく憧れている自分に気づきました。

  • 1985年、大学の授業のテキストとして出会ったのが、
    この『1973年のピンボール』の英訳版。

    アンチョコのつもりで本家の日本語版文庫を買ったら、
    面白くなってしまってそのまま村上春樹の”青春三部作”
    に突入したことを思い出す。

    煙草とビールと女と「この街を出たい」という思いから
    成るこのカラカラに乾いた空気感が、ただただカッコよくて
    こんな乾いた会話を自分はできるのか?などと青二才は
    思ったものだった。

    それにしてもこれほどまでに乾いていたのか、というのが
    再読した率直な思い。こんな会話はしたくない、と思って
    しまうところに自分の年輪を感じたのだった。

  • 何十回と読んだ本。久しぶりに再読。
    この本の魅力はやっぱり双子。
    そして今の季節にぴったり!
    美味しいコーヒーが飲みたくなる。

    1番好きなシーンは配電盤を取り替える所。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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