1973年のピンボール (講談社文庫)

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  • 講談社
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本棚登録 : 10097
レビュー : 721
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749114

感想・レビュー・書評

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  • 1985年、大学の授業のテキストとして出会ったのが、
    この『1973年のピンボール』の英訳版。

    アンチョコのつもりで本家の日本語版文庫を買ったら、
    面白くなってしまってそのまま村上春樹の”青春三部作”
    に突入したことを思い出す。

    煙草とビールと女と「この街を出たい」という思いから
    成るこのカラカラに乾いた空気感が、ただただカッコよくて
    こんな乾いた会話を自分はできるのか?などと青二才は
    思ったものだった。

    それにしてもこれほどまでに乾いていたのか、というのが
    再読した率直な思い。こんな会話はしたくない、と思って
    しまうところに自分の年輪を感じたのだった。

  • 何十回と読んだ本。久しぶりに再読。
    この本の魅力はやっぱり双子。
    そして今の季節にぴったり!
    美味しいコーヒーが飲みたくなる。

    1番好きなシーンは配電盤を取り替える所。

  • 追憶のピンボール1973

    なんとなく本屋さんで時間を潰さなくてはいけなくなり、色々と立ち読みした末に辿りついたのが、1973年のピンボール(文庫版)

    もちろん今までに数え切れないくらい読み返してきた一冊。

    最近久しく読んでなかったので、なんだか新鮮でした。

    ちなみにぼくはハードカバーでしか村上春樹を読んでこなかったので、文庫で立ち読みするというのがまたよかったです。

    ハードカバーのピンボールはまだ印刷も活版でなんだかいい感じです。

    もちろん立ち読みで全て読み切れるわけもなく、もちろん帰宅後本棚からひっぱりだして立ち読みの続きを読みました。

    何度読み返しても新しい感触があってじんわりします。

    初めてこの本を読んだとき、ぼくはまだ会社員でただただ毎日仕事終わりに村上春樹の小説をむさぼるように読むのが楽しくて。

    そんな時代のことも小説の内容とオーバーラップして、二重で心に染み入るものがありました。

    時を越えて、変わるもの。変わらないこと。

    忘れること。思い出すこと。

    そんな感情の揺れを味わいながら。

    • iikazeさん
      本当に、
      大分前に読みましたが、はっとりさんのレビューを読ませて頂き、また読みなおしたいと思いました。
      すんなりと物語の世界に入り込め、...
      本当に、
      大分前に読みましたが、はっとりさんのレビューを読ませて頂き、また読みなおしたいと思いました。
      すんなりと物語の世界に入り込め、新たな感覚に触れさせてくれる一冊です。

      このところの村上春樹さんの作品は、
      読めていませんが!!!
      2014/08/03
    • はっとり ふみたかさん
      iikazeさん
      コメントありがとうございます^^何度読んでもいいんですよね。これ。

      最近の作品も好きですが、初期の作品もまた初期特...
      iikazeさん
      コメントありがとうございます^^何度読んでもいいんですよね。これ。

      最近の作品も好きですが、初期の作品もまた初期特有の“危うさ”みたいなものがなんともいいです。

      いい本は何度でも味わえますね。
      2014/08/03
  • この本を読む前は必ず「風の歌を聴け」を読み、この本の後は必ず「羊を巡る冒険」を読んできた。だから何度もこの本を読んでいるのに、印象が薄かった。
    そして10数年ぶりに読んで、やっとこの本の面白さが分かった気がする。この本にはその後の村上春樹作品をかたち作るするすべの要素が凝縮して収められている。二つの世界が同時並行で進む構成、無駄な位冗長な日常生活と風景の描写、そしてそこから感じられる風景、匂い、空気感、そして主人公の思い。自分探しのモラトリアムをずっと続けているだけの甘ったれに見えるのかもしれない。でも、やっぱり本当にやりたいことも見つけれず、今いる自分の立ち位置が世間的に認められているものなのに、酷く居心地が悪い。そして出て行ってしまう。突然欲しい物、やりたいことが見つかると行動してしまう。こんな価値観もひょっとしたらもう時代遅れなのかもしれない。
    ひょっとすると、この作品は村上春樹の最高傑作なのかもしれない。

  • 実家に無造作に置いてあったのでつい手にとってしまった。
    そして読んでしまった。

    村上春樹の初期3部作(「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」)の中ではこれが一番好きです。

    ちなみに、某大学院入試の面接時に、「村上春樹の初期3部作が~」というような話をしたら某教授に、「そうかー、若い人達の間ではあれはもう初期なのかー。」というような嫌味(?)を言われた思い出があります笑

    それはさておき、僕はあまり村上春樹について詳しくないので偉そうなことは言えませんが、この作品の何が良いと言われたら、双子が良いとしか言いようがないですね。

    僕も24年間生きてきたはずなんですが、双子と同棲できたことはまだ一度もありません。そして今後もないと思います。


    うーん、やっぱりそういう意味では、特に昔の春樹作品は、今で言う中二病の極地って感じなんでしょうかね。

    解説や分析を踏まえて作品を読めば感想は変わるのかもしれませんが、何かそれをやっちゃうと純粋に楽しめないような気がして・・・。
    頭からっぽにして、「こういうの良いな~」と読むものだと思います。少なくともこの3部作とダンスダンスダンスは。

  • ひんやりとした空気、リアルな温度が胸に届く。読むことで、別の世界に潜っていけるから好き

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「別の世界に潜っていける」
      リアリティがあるけど、何か違う感じが尾を引いて、胃の底に澱のように溜まります。。。
      「別の世界に潜っていける」
      リアリティがあるけど、何か違う感じが尾を引いて、胃の底に澱のように溜まります。。。
      2012/10/31
  • 村上春樹の作品の中で一番初めに読んだ作品で、一番好きな作品。

    こういう空気の流れている小説を読んだことがなかったから、とても衝撃的だった。
    この本を読むまで、同じ本を何回も読むという習慣がなかったけれど、これはもう何回も読んでいる。

    ただ、この本が好きっていうのはなんとなく恥ずかしいんだよな。
    かんか、こう、「お前、アンニュイに浸る自分に、酔ってるだけだろ?」みたいな感じがして。

  • 心の隙間をうめてくれるような懐かしい匂いのする文章。

    過去の思い出が、映画のワンシーンのように描かれている。

    「配電盤のお葬式」と、3フリッパーのスペースシップに再会する場面がよかった。

  • ゲームをやるためにはゲームセンターか飲食店に出向いていかなければならない
    そういう時代の話だ
    引きこもりたくても引きこもれない時代の話である
    昔はまったピンボールが、昔の女みたいに語られる

  • 村上春樹の初期三部作の2作目にあたる作品。前作から3年後、1973年の「僕」と「鼠」の物語が、これもかなりコンパクトにまとめられている。翻訳の仕事をしながら双子の女の子と暮らす「僕」を呼び止めるピンボール・マシーン、そして、女との生活を続けながらもやがて街を出る決意をする「鼠」……。
    二人の物語が交互に続いていく構成は『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』へ、そして、序盤でわずかに語られる「直子」という名前は『ノルウェイの森』へのつながりを明らかに含んでいる。
    穏やかな秋の光のなかで小さな喪失感を抱えながら『ラバー・ソウル』を聴く「僕」の姿が描かれるラストは白眉。

  • 再読 19931102 19960301 20000522

  • 二度目。文庫では初。
    以前読んだときのことは、鼠とジェイの別れ、僕とピンボールとの再会、双子と僕の別れ、くらいしか記憶になかった。でもいま終わりのほうを読み終えて、耳掃除のことが残ってしまった。双子の両耳掃除。便利だけど大変だ。次に読んだときはなにが残るのかな。読んだ日にすぐ読んだことが記憶に新しいだけかもしれないけど。

  • これもまた、騎士団長殺しから気になって、「風の歌を聴け」に続いて16年ぶり?に読んでしまった。大好きだ。この作品。

    そして、発見!

    「直子は首を振って一人で笑った。成績表にずらりとAを並べた女子学生がよくやる笑い方だったが、それは奇妙に長い間僕の心に残った。まるで『不思議の国のアリス』にでてくるチェシャ猫のように、彼女が消えた後もその笑いだけが残っていた。」

    騎士団長が私の前から消える時の比喩と同じ、チェシャ猫のようにという表現。こういうファンサはまだ、他にもあったはず。

    久しぶりに読んでみて、鼠が私にとっては「気狂いピエロ」
    のベルモントを連想させ、双子はまるで「ひなぎく」の女の子2人だった。

    10数年前に読んだ時は、かなり直子に傾倒していたみたいだ。その部分にしっかりラインが引いてあって微笑ましくそのページをめくった。

    さて、このままダンスダンスダンスまで読み進めてしまおうか。。

  • 村上春樹の処女作。
    理屈っぽくない、青春小説。爽やかさと切なさが交錯する。

  • ある朝目覚めたら双子が両脇で寝てた、とかふざけてんの?好きだけど

  • 良かった。
    終わっていくことは、感慨深い。
    鼠や、僕が
    私と同い年のことも嬉しかった。
    泣きながら読んだ。

  • 村上春樹の初期の作品。のちの作品にも見られる、2人の登場人物の目線からの並行的な構成。特に鼠が主役の節では、随所に見事な描写が見られる。

  • 著者の小説の中で 一番読み返しているのがこの本。何故か ふと手に取りやすい

  • 久々に村上春樹を読んだが、彼の初期作品はやはり得も言えぬ哀愁がある。特に序盤などは表現の巧みさに思わずページをめくる指が止まってしまうような感覚に襲われた。一行一行を舐めるように読みたくなる。

  • 村上春樹の初期三部作(正確には4部作ですが)の第2部。

    ストーリーが転換するというわけではないのですが、
    "僕"や"鼠"、"ジェイズ・バー"にとって大切な時期が描かれています。

著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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