羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 12533
レビュー : 739
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749121

感想・レビュー・書評

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  • 芥川賞受賞作的なテイストだった前2作と比較すると独自の文体や作風を確立した感がある作品。これがダメなら村上春樹作品を楽しむことは諦めましょう。

  • (上下巻あわせたレビューです)

    著者初めての長編ということもあるのかもしれませんが、前2作と比較すると物語の重厚さが増しており、かなり面白く読めました。巨大なシステム、恋人の失踪、戦争の記憶、個性的なキャラクターなど、後の作品に繋がるテーマが多数描かれており、まさに村上春樹の原点ともいうべき作品に仕上がっていると感じました。
    ストーリー自体には割と既視感がありますが、それは本作発表後に他の多くの作家によって本作が模倣された結果とのことで、そう考えると1980年代以降の日本文学のパイオニア的な位置づけの作品になるのでしょうか。ちょっと言い過ぎかもしれませんが・・・。
    『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』に続く青春3部作の完結編と謳いつつ、更なる続編として『ダンス・ダンス・ダンス』があるとのこと。本作のエンディングから続きがあるとはちょっと意外な感じがしますが、どういう展開になっているのか楽しみです。

  • 昔通ってた眼下の先生が一番好きだって言ってた作品。
    どうでもいいか

  • 非現実が現実のようで楽しいです!

  • ※上、下巻の感想をまとめて記載

    「村上春樹」好きの先輩から勧められて読んだ本。

    人と同化することで強大な力を発揮する羊を探すという、大人ファンタジーテイストな作品。
    「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」と同様、設定+世界観に引き付けられ一気読みだった。

    村上春樹作品の例外に漏れず「酒」、「音楽」、「女」という要素が入っている。
    僕、鼠、ジェイ等々、とにかく出てくる登場人物達が最高に気障でクールでカッコ良い。

    村上春樹作品には色々楽しみ方はあると思うけれど、理詰めではなく漂う色気・雰囲気を味わうのが一番ではないかと感じる。

    個人的には、魅力的な耳を持つ彼女がたまらなく好き。
    一体どんな耳なんだろう(笑)

    <印象に残った言葉>
    ・良いバーはうまいオムレツとサンドウィッチを出すものなんだ。 (僕 上 P59)

    ・いわしなんてどうでしょう?つまりこれまでいわし同様に扱われていたわけですから。 (運転手 上 P260)

    ・弱さというのは体の中で腐っていくものなんだ。まるで壊疽みたいにさ。俺は十代の半ばからずっとそれを感じつづけていたんだよ。だからいつも苛立だっていた。自分の中で何かが確実に腐っていくというのが、またそれを本人が感じつづけるというのがどういうことか、君にわかるか? (鼠 下 P224)

  • 羊をめぐる冒険ってなんの比喩だろうと思ってたらホントに羊をめぐって冒険してるんですね。

    世界は1970~80年代日本なのに、絶対に現実世界では言わないであろう会話や、やり取りが繰り広げられる。そういうところにファンタジーを感じました。精神的ファンタジー。

  • 「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」に続く鼠三部作の最後の物語。上記二冊とは異なり、断片的な物語から、断続的または連続する物語に変化した。抽象的な表現からフワフワした物語が、今作は回りくどいが理解は出来る優れた表現が増え、ある程度筋道のある展開がされる物語になった。そのためか全体の雰囲気が厚みが増し、拡大して、感情的な記述がかなりダイレクトに伝わるように変化した気がした。「1973年のピンボール」でも悲しみに重きを置いたストーリーになっていたが、今作は今のところ、マイルドに、それでも要所を突く描き方がとても気持ちいい。
    冒頭の別れから、海が埋め立てられ景色が変わったことを知る場面や仕事を離れること、変化が常に悲しみを帯び、喪失というものが割合多い反面、ビジネス小説の様な緊張感のある会話もあり、幅広さを感じられる一冊だった(それも上巻に過ぎないが)。

  • 村上春樹の作品を久々に読みました。


    比喩のうまさや女性登場人物の魅力、接続詞の使い方などに関しては、本当にすごい、と思います。(すごいという言葉以上にうまく言えない)

    この本の中で1番好きな表現は、ウェイターがワインボトルを持ってくる際の表現「彼は1人息子の写真でも見せるようににっこりと微笑みながらワインのラベルを僕に向け」というところです。



    でも自分がさらに村上作品に惹きつけられるのは、普段は何かに迷っている登場人物たちがおどろくほど断定的な物言いをすることにあると思いました。
    例えば、「小さな、本当に小さなところから人は年を取っていくのだ」「混沌がその形を変えただけのことさ」など。

    断定的な物言いをして話を進めなければならないのが小説だから当然だろ、と反論されればそれまでなのですが、普段しどろもどろな思考しかできない自分にとっては、読んでるだけで心地よいのものです。(結局ありきたりな感想ですね)

  • 平凡な日常生活を送っていた「僕」に突如、一匹の羊を探し出せ、というミッションが下る。具体的な「冒険」は次の下巻で展開されていく。上巻では、それに至る伏線が張り巡らされている。

  • 上下巻のうちの上巻。
    前の2部作みたいに、僕、鼠、ジェイが出てくるのは同じだけど、決して同じ世界ではなさそうだ。どんどん非現実になっていくいく。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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