羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 13319
レビュー : 772
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749121

作品紹介・あらすじ

あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。その後広告コピーの仕事を通して、耳専門のモデルをしている二十一歳の女性が新しいガール・フレンドとなった。北海道に渡ったらしい"鼠"の手紙から、ある日羊をめぐる冒険行が始まる。新しい文学の扉をひらいた村上春樹の代表作長編。

感想・レビュー・書評

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  • この本の中にはずっと暗い陰鬱な、それでいてすっきりとした不思議な感じが漂っている。喪失感が離れず、でも心地よい雰囲気が伝わってくる。

  • この本を読んでわたしは村上春樹の長編小説世界はちっとも面白くないと思ってしまったのですが、中学生のわたし、なにをよんでいたの?って疑問になるくらい面白かった。風の歌〜ピンボール〜羊と改めて読んでみて、段々としかし着実に物語の土台ができてきて、どんどんきちんとしたものになっていくかんじ。代替可能性への絶望がほんとうにほんとうに涙が出るくらいにつらい。村上春樹の比喩表現の突拍子もなさがわたしはとてもすきだ。村上春樹の書く女のひともすきだし、そんな女のひとと一緒にいる男のひともすきだ。2人の閉鎖的な会話もすきだし、世界を正確な言葉で概観していくその姿勢もすきだ。なんかもう全部がほんとうに大切で困る。

  • 青春三部作の完結編。
    だけど前作とちがって、謎解きのようなスリルも味わえて楽しい。
    下巻が楽しみ。

  • (2019.10.8 再読)
    ほぼ4年ぶり。あんまり覚えてないけど初回で読んだときよりもずっと深く物語に入り込めてるような気がする。いとみみず宇宙。

    「もちろん誰とでもいいってわけじゃないのよ。嫌だなって思う時もあるわ。でもね、結局のところ私はいろんな人を知りたいのかもしれない。あるいは、私にとっての世界の成り立ちかたのようなものをね」

    「あなたと寝てみたいわ」と彼女は言った。
    そして我々は寝た。

    たとえ何が起こるにせよ、まだ何も起こってないんだ。そして何かが起こったとすれば、それはもう起こってしまったことなのだ。

    「本当は何も変ってないとしても、そういう風には思えないのよ。思いたくないのね。そう思っちゃうと、もうどこにも行けないのよ。だから自分ではすっかり変っちゃったんだと思うようにしてるの」

    「若いうちに結婚してすぐに離婚するって結構つらいのよ」と彼女は言った。「簡単に言ってしまうと、とても平面的で非現実的なものを求めるようになるのね。でも非現実的なものって、そんなに長くはつづかない。そうじゃないかしら?」


    冬に読むのがおすすめと言われていたけど、どうしてももう読みたくなって読んでしまった。
    僕、大人になったなー。もう30歳か。
    ガールフレンドを高級レストランに連れて行ってワインを飲むシーンの凝縮された食費の味がした。って表現は本当にツボすぎて噴き出した。
    この淡々と真面目に冗談を言う感じがなんとも好みです。
    内容はちょっとミステリチックでとても面白かった。
    ただ会話の中に形而上学的な話やら互換性やら複雑な仮説やら、少し難解だった。
    冒険に出ようと決めてからのガールフレンドとのやりとりがとても印象に残った。
    彼女の行動力と決断力素敵。
    今が今だとはどうしても思えない感じ、わかるなあ。
    私も北海道行きたーい!

  • ようやく動き出した。(もはやちゃんと動き出すと思わなかった)冒険が始まる。

  • 村上春樹らしい抽象的な、でもなにか人の本質を突いているのでは…と思うような話だった。
    人が折り目正しく生活をしている描写が好きで、そうすることで困難に抗っているのだ、というのを何かで読んだ。

    後半の急展開はしばらく何が起こっているのか分からず取り残されたのが村上春樹の話だな〜という感じだった。
    弱い人間と強い人間についての語りは興味深く、強い人間がいればいるほど、弱い人間もいるものだよな。でも弱い人間は見えにくく、それも弱さに追い討ちをかけるのかもしれない。

    森の中を彷徨うシーンはどことなく海辺のカフカのようだなと思っていたら、かなり近しいものがあった。

  • 何年も前によんでて、今回北九州のサタデー読書会の課題本に選ばれていたことをきっかけとして再読。できることなら参加したい。

    村上作品のなかで一番すきだとおもいつつ。大事なことは全部忘れていた。
    新聞で突然彼女の死を知った友人が電話で僕にそれを教えてくれた。
    平凡な記事だ。大学を出たばかりの駆けだしの記者が練習のために書かされたような文章だった。だれとでも寝る彼女。
    丁寧にさりげなく書かれた文章とタイトル。
    やっぱりわたしは春樹さんの文章がすき。

    鼠からの意味深な手紙。あとで読み返すと十二滝町からだされていることがわかるんだけど。

    また読むときも新鮮に読めると思う。

  • 現実離れしてるストーリーなのにすごくリアル感を感じる。謎だらけで、気になって、どんどん読み進めてしまう。描写・表現が細かくてその場で見ているような体験しているような感じがする。たまによく分からない表現がありどういう事だと読み返す。部屋に置かれた棚の重厚感を伝えるのも床に釘が打たれたようなとかいう例えが好き。

  • 何回、読んだだろう。
    読むたびに20歳の自分を思い出す。

  • ある日僕が手がけた広告が差し止めされ、その被害を帳消しにする代わりに、その広告に使われた写真に写っているある羊を探すよう脅迫され、しぶしぶながらも出かける話。

    もっと漠然と訳の分からない理由で無理矢理羊探しに行かされてたような気がしてたし、もっと早い段階で羊男がチラチラと出てきてた気がしていたが上巻には出てこなかった。。

    なかなか物語に集中出来なくて時間がかかってしまったけれど、鼠からの手紙辺りから一気に読めました。

    なんとなくイメージ出来る比喩と、全然分かんない比喩とがあるけれど、やはり独特の文章で面白いです。
    僕の投げやり感がよく分かる、比喩が多い割にはさっぱりした文章という印象でした。

    続けて下巻に進みます。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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