羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 10903
レビュー : 629
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749138

感想・レビュー・書評

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  • 世の中で生きていくことって、ときどき非現実的なものごとと現実的なものごとの間をいったりきたりしなければならないときがあると思うのですが、この小説は、そういう狭間を抱えた人たちや、そういう人たちを内包する社会の話なのかな、と思いました。人によって、内側の非現実の領域の大きさが違って、それが大きすぎる人は羊にのまれてしまう。その大きさの微妙な違いで、世の中の渡り方とか生き方、人間関係の相性とかにも違いが出る。そう考えると、最後のジェイの存在が温かく感じられました。現実と非現実に優しく折り合いをつけられる人。主人公の「僕」はどっちにも転びかねない危うさもある人で、この先どうなっていくかは書かれていないけれど、不吉なカーブを通って戻ってきたわけだし、そうやってジェイみたいに生きていってくれたらいいな、と思いました。

  • 一匹の羊を探し出すミッションを遂行すべく、北海道へと赴く。そこで出会う羊博士、羊男、鼠などを通して、「羊」の正体が暴かれる。最後まで読み進めて、はじめて上巻からのあらゆる人物、事象が一本の線として繋がっていく。

  • 上下巻のうちの下巻。
    上巻に比べて本当に冒険になってしまった。
    これからいろんな本で出てくる羊男がここで初登場。しかも絵入り。村上さんが描いた羊男なのだろうか?佐々木マキさんの絵に比べてだいぶ親しめないおっさんのような……(オイ

  • この作品は村上春樹の小説でも初期の頃に書かれた作品ですが、どちらかと言うと90年以降の作品を先に読んでしまっていた私はもっと前から読んでおけば良かったなあという思いに至りました。冒険と題された作品だけに村上文学のファンタジーの要素がよく理解できて、その後の作品の成り立ちも飲み込めました。
    友だちの鼠や羊博士、得体の知れない組織の黒服の男や非現実なまでに美しい耳を持つガールフレンドなどの登場人物に加えて、厳しい自然環境の北海道の開拓地へ旅発つ設定とほんの少しのユーモラスな部分も付け加えながらの謎めくストーリー。そしてところどころに散りばめられた、音楽や料理のある光景は作品を読む上での楽しみでもあります。それにしても羊男のイラストには、実際に会ってみたい気持ちにさせられました。

  • 村上春樹らしい作品。
    羊をめぐる冒険が始まったきっかけがすごく切なかった。

  • 一気に読んでしまった。奥が深いのだろうけど理解できていない。羊??

  • 兎にも角にも「羊男」が衝撃だ。唐突に登場しイラストで呆気に取られディティールに失笑する。しかしこの羊男とのやりとりが後々の「僕」と「鼠」の不器用ながら精神的な繋がりを表現するのに重要だったと感じさせられる。別荘で料理を続ける「僕」の日常と羊男との非日常が交叉し「彼女」の消失が二つを結びつける現実であった、そして鼠との別れに漂う心寂しさ。いままでと違う日常に戻った瞬間の空虚感。

    これ以降の村上作品が持つ、不合理で突然な非日常の出会いと日常の別れが混沌とし一抹の寂しさを漂わせる作風、それが本作で一種の完成をみた気がした。

  • 正直よくわからなかった。でも何回か読むとわかってくるような気がする。また、読んでみよう。

  • 面白くて一気に読んだ。自然の景色が多く出てくるけど、それをイメージさせる語彙力、発想力に感心した。
    恐ろしい力を持った、人の体を借りる羊を消滅させる話。最後とても綺麗にまとまっており、どうせよくわからないまま終わるのだろうと思っていたので驚いた。というか、風の歌を聴けの頃はこんなラストにするとは絶対、考えてなかっただろう。そのくらい急に非日常になる。でも村上作品らしい非日常さだ。
    村上作品の登場人物は、どんな非日常が起きてもうろたえることがないし(少し汗をかいたり、口の中が渇くくらいだ)、時には当然のように受け入れて読者を戸惑わせる。そういう作風は面白いよね。

  • ノルウェイ同様に時代を感じさせない物語でした。
    「なんでケータイ使わないのかな」って思っちゃったり...。
    他の方と同じく、よくわからない世界観でしたが、ねじまき鳥やカフカよりは読み易かったかな。

    主人公がよく昼間からビールを飲むところが、村上作品共通して、好きです。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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