羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.73
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本棚登録 : 10906
レビュー : 629
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749138

作品紹介・あらすじ

美しい耳の彼女と共に、星形の斑紋を背中に持っているという一頭の羊と"鼠"の行方を追って、北海道奥地の牧場にたどりついた僕を、恐ろしい事実が待ち受けていた。一九八二年秋、僕たちの旅は終わる。すべてを失った僕の、ラスト・アドベンチャー。村上春樹の青春三部作完結編。野間文芸新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹は嫌い、と思ってたけど、違った。
    村上春樹作品の、性描写とお手軽すぎる女たちが嫌いだったの。
    ストーリーそのものは読ませるよね。実際、嫌いと言う割に複数作品読んでいるのがその証拠。
    食べ物もすごくおいしそうに書くし、言葉遊びも不思議で魅力的。

  • この小説の醸し出している不気味さと軽快さと空しさが大好きで、学生時代に何度も繰り返し読んだ。

    ぐいぐいと僕を引っ張っていくガールフレンドの存在感を感じていたし、喪失した僕のやり切れなさが、羊男を通じて伝わってくる。通じさせるのが羊男という、非現実的存在だから良い。読んでいて夢心地だ。

  • 非常におもしろくて一気に読んでしまったんだけど
    私としてはこんな終わり方では悲しいという理由で2つ。

    羊男さんの尻尾が衝撃的にかわいい

  • 北海道を背景に描かれる「羊」をめぐる物語。

    それは過去の自分からのメッセージのようでもあり

    未来からの挑戦状のようでもあり。



    読み終わった時の脱力感がすごい。

  • 終末に近づき加速する展開は気持ちいい。
    意外性も相まって本から離れられなかった。

    最期も丁寧に綴られているので、読み終わったとき多少切なさは残るものの、一種の安堵が得られた。

  • 奥が深すぎて、よかった、としか言いようがない。
    この本に関してあれこれ説明をつけるのは、もったいないような気がする。ずっとこの世界に浸っていたい。
    羊男、いいなぁ。

  • ある組織に巻き込まれて彼女とともに“羊”探しの旅に出た“僕”は北海道の奥へ奥へとと進んでいく。

    いるかホテル、羊博士、羊男、そして今まで姿を消していた“鼠”など、僕の行く先で待ち受けている個性豊かな面々とそこに張られている伏線の数々。

    想像を超えたスケールで描かれる著者の果てしなき精神活動の恐ろしさには、畏怖というにふさわしい感情に支配され、戦慄を覚えずにはいられなかった。

  • ラストの僕と鼠の再会のシーン。「僕は僕の弱さが好きなんだよ」という鼠の言葉を見た瞬間涙が出てきた。

  • 野間文芸新人賞受賞作
    北海道に渡ったらしい<鼠>の手紙から、ある日羊をめぐる冒険行が始まる。新しい文学の扉をひらいた村上春樹の代表作長編。

  • 雰囲気はとても村上春樹っぽくて読みやすくてスラスラ読めた。
    ただ何が言いたかったのかって聞かれるとこれといった答えは出てこない感じ。
    村上春樹の世界観に触れたい時にはちょうどいいのかなって感じがした。

  • 途中まで期待させてくれたが、最後は尻すぼみ。

  • ”僕”と”鼠”の物語の最終回、本作で一つの物語が完結するといった感じです。
    前の2作と比較して、物語はより具体的に進んでいき、色々な真実が明らかになってくる。

    前2作はもやっと幻想的な感じで完結だったけど、本作はかなりくっきり完結といった印象でした。

    あと、物語とは全く関係ないけど、今回の「耳の女」しかり、主人公のパートナーの女については外見が細身できれいな女の子をいつも妄想してしまう。
    (これは僕にとって+ポイント、理想的妄想は小説の楽しさの1つだと思う。)

    (上下巻合わせての感想です。)

  • いるかホテルで待ちながら

  • どういうこと・・。
    自分に理解力が無くて、頭に描いてたものが間違ってる?それともそういうものなの?そういうのを楽しむってことなの・・?ただただ書かれているものをそのまま受け取っては駄目とか?羊は別のものを表してるとか?上級者向け?

  • なんとなく村上春樹小説に触れたくて、およそ10年ぶりに手に取った。話の大枠しか覚えていなかったので、とても楽しく読むことができた。けれどちょっとこれ以降の小説にある不思議な没入感が足りない感じがした。
    読者と遠い感じがした。 やっぱり村上春樹作品に触れてる自分が好きだ。酔っているだけかもしれないけれど…。
    青春が終わっていく感覚が寂しかった。

  • ★3.6(3.73) 初版1982年8月発行。村上春樹長編小説14冊のうちの3冊目。これで全長編小説を読破。著者の冒険ものはここから始まったんですね。「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」を読んだときは訳がわからなかったが、長編小説を読破して漸くその原型が既にここで固まっていたんだなぁと。ただ、何故羊男なのか、鼠が登場するのか。常に非現実の世界を描く著者が何故ノーベル文学賞候補にまでなるのかは、やっぱりわからなかったですね。そもそも何を主張したいのか。時代を小説にしているのかもしれないからかなぁ?

  • (感想は上巻にまとめて)

  • 読了後、3部作最終と知る、、

  • m_pixyさんリコメンド

    なるほど、余韻を楽しむタイプの作品ですね。

  •  村上春樹がまだ手練手管の書き手ではなくて、もしこれから『1Q84』なんかを読むならその前にこれを読んでください。そしてこれが書かれたのが何年だったか考えよう。村上春樹は高橋源一郎の『さようならギャングたち』(群像'81年12月号掲載)を読んで『さようなら~』が看過出来ない小説なのはよくわかっただろうしこの『羊~』(群像’82年8月号掲載)にはしっかり『さようなら~』を読んだことが刻まれている。
     語り部は、育った街を流れる川の河口で最後、泣いた。北海道に行く場面がもちろん重要だが、この物語は終始この(作中でふるさとの街の地名は明記されないが)芦屋川の河口のあたりに立ち尽くして語られているとぼくは感じる。『羊~』が書かれた1981~82年頃、かつての芦屋浜海岸沿いにはまだ谷崎潤一郎記念館も芦屋市図書館・美術館もなくてさみしい場所だったろう。いまはその先に二段階にわたって埋立地に住宅街が造成され、阪神淡路大震災を乗り越え年月を経て、ここで育った子供から同じものを奪いたくないとすればいまさらそれを取り消せとも言えない。村上春樹は現在に至ってもこの源泉を抱えているように見える。

  • ちょっとよく分からなかった。
    その後考察サイトを読んだところ、三部作だったようで、色々謎はまだまだ解決されていなかった。

  • 何度読んだかはわからないけれど、キキが帰ってしまうのが哀しい

    確かにどうして連れてきたんだろう、と

    今の村上春樹の主人公と違い、いろいろ抜けているのがいいかも

    でも『ダンス・ダンス・ダンス』のほうが好き

  • 村上作品の中で、初めて主人公が旅に出かけたのではないかと思います。


    歳をとるにつれて色々なものをなくし、シンプルになっていく、、、やはり孤独がテーマ。

    のちの村上作品の原型的な作品だと思います。

    それにしても、冬の北海道、旭川行ってみたくなりました。
    行ったら後悔すると思うけど。

  • 次第に謎が解け始める。
    何故、友人の鼠が現れないのか?
    それはすべて羊が絡んでいた。北海道の山奥の孤立した場所で鼠を待つ。そして、現れる羊男。時間が解決してくれる。奇妙な点は多いが独特の世界観があり面白かったね。

  • 途中で終了。

  • 四半世紀ぶりに再読した”青春三部作”の最後。

    『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』の全体を
    包んでいたカラカラに乾いた空気感が、この『羊を
    めぐる冒険』で少し変わってくる。

    耳モデルをやっている彼女、ある政治家の側近と
    思われる男、運転手、そして羊男。

    普通の小説ならかなり奇妙な存在に思えるこれら
    登場人物たちも、この空気感の中では適度な湿気を
    持ち込む存在。だから、何の違和感もなく迎えること
    ができる。

    それにしても、四半世紀前に、こんなに切ない読後感
    を自分は持ったんだろうか。あまり記憶にないのが
    ものすごく残念。あの時の自分と語ってみたい。

  • 羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

  • 本作が、村上春樹という作家にとってのturning pointだったのかな。
    何度目か分からない再読後に、そんな感想を持ちました。

    これまでの2作品で、強烈に世に示した個性。
    空虚で、軽くて、とりとめがなくて、なのに印象が鮮明に残る、不思議な存在感。
    その独特な空気醸造力が、幻想的なrealismという不思議な存在感と結びついた感じ。
    絶対的に有り得ないと言い切れる、そんな突拍子もない世界観。
    なのに、その世界を想像上の産物と切り捨てさせない訴求力。

    また、物語の幅が格段に広がったことも確かです。
    それは、「舞台」の広がりだけではありません。
    もっと本質的な、物語としての「階層」が高くなった、そんな気がします。

    物語そのものの味わいも、また格別です。
    気取った言い回しや独特の表現が、なんとも言えません。<blockquote> そのようにして僕は最も礼儀正しい酔払いになる。いちばん早起きをする<ruby><rb>むくどり</rb><rp>{</rp><rt>´´´´</rt><rp>}</rp></ruby>になり、いちばん最後に鉄橋を渡る有蓋貨車になる。</blockquote>直感的に「分かる」、こういう言い回しは本当にすごいと思います。
    そして、現実性の感じられなさにも関わらず、圧倒的な存在感を持つ登場人物たち。
    これらの、くっきりとした輪郭の中にある、とても透明な中身という構図。
    その「分からなさ」が、村上作品の持つ魅力なのかな、と思います。

    Storyは、「羊」を目指して進んでいきます。
    しかし、その道筋は決して真っ直ぐなものではありません。
    あちらこちらへと彷徨いながら、ふらふらと惹き付けられていく感じ。
    それは「僕」たちの辿る道筋そのものでもあります。
    いつまでもclearにならない、どこまでも濁っているかのような視界。
    白く霞が掛かっているかのような風景のなかを、手探りで進んでいるかのようです。
    しかしそれは決して不快なものではなく、陶然とした感覚を伴っています。

    本当に不可思議で、それでいて確固とした手触りを持つ作品。
    何回読んでも、その本質にはなかなか辿り着けないなぁ、と思います。

  • 何度読んでもラストのジェイとの会話でいつも泣いてしまう。鼠の現れ方。死の確認。青臭くても、たとえスタイルだけだとしても、とにかく大好きだ。当時の日本文学にこんなのなかっただろうな。 20090504

    再読 11111111 19960219 20000502

  • 青春三部作の魅力ってのはまず間違いなく鼠の弱さにある。再読してその思いを強くした。「僕」が言うように一般論で話をすれば何も鼠だけが特別弱いわけではないし、「僕」だけが切迫した生活から自由でいられるわけでもない。皆が弱いし皆が何かしらの問題を抱えて生きている。鼠だってそんなことは先刻承知している。二人の間で何か違う点があるとすれば、それは「僕」がそうした一般論に自己を同化させて世界と折り合いを付けることが出来るのに対し、鼠にはそれがどうしても出来なかったと言うことだ。鼠はそんな二人の関係を次のように表現する。「我々はどうやら同じ材料から全くべつのものを作り上げてしまったようだね」。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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