天を衝く(3) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749176

作品紹介・あらすじ

天下人に喧嘩を売る男たちの最期の戦場。目前に迫る10万の豊臣秀吉軍。日本中がひれ伏した敵に、わずか5000の兵で九戸政実(くのへまさざね)は喧嘩を売った。策を尽くし、鍛えた武力で敵を翻弄する九戸党。誇りをかけた最期の戦いを待ち受けていたのは――。『炎立つ』『火怨』からつづく、陸奥(みちのく)の男たちの熱き魂を描いた歴史巨編「3部作」が、万感の最終幕を迎える。(講談社文庫)

感想・レビュー・書評

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  • どこまでも熱い漢達の話、第三弾。
    九戸政実なんて、日本史で習った記憶無い程知名度は低いと思うのですが、天下人秀吉にここまで抗った武将が他に居るのでしょうか。

    素晴らしく魅力的な人物が次々と登場しますが、やはり九戸政実が断トツ。
    男が惚れる漢です。
    阿弖流為と言い貞任と言い、本当にこの作者は描き方が旨い。

    現代の野党も、このぐらい与党に筋の通った抵抗をすれば良いのに、なんて事も思ったりします。

    日本男児は是非一読を。
    東北3部作は全て、傑作です。

  • この世かな素晴らしい武将の存在をこの作品を読むまで知らなかった
    高橋克彦作品も初めてだ
    最後は少し涙ぐんでしまった

  • 3巻だけおもしろかった。漢の覚悟かっこいい

  • 九戸政実。その人のことはまったく知らなかった。読み物として最後の方は続きが気になり過ぎて寝不足が続いた。面白かったが、読了後少し史実を調べてみたら少し違っていて、本当にこの本のように凄かったのか、単に先を見る目が、状況判断ができなかった結果なのかは分からない。読み物としては面白かった。

  • どんな結末なるかは、歴史的な事実もあるので、いささか気が重い感じもしていたが、想像していた結末と違って、最後まで主人公である九戸政実「らしい」結末であったという印象である。
    何より、作者の主人公への思い入れが、最後まで九戸政実という人物を際立たせ、物語を推し進める大きな力となっていたのであろう。

  • 九戸政実の乱が始まる。十万の豊臣秀吉軍に対し、わずか5千の兵で喧嘩を売った九戸政実。
    十万の軍勢でも落城することは出来なかった豊臣秀吉軍。南部武士の意地を見せつけた事で、九戸政実は、将の首と引き換えに和議に応じる。それなのに、約束を破り、城引き渡しの際、和議となった城に総攻撃をかける豊臣秀吉軍。
    ただ、ただ近くで圧する秀吉の政にはひとの道がない。九戸政実が意地を貫く工業で、奥州に、南部、津軽、秋田、最上、伊達らが、無事に生き延びることになる。
    圧倒的な、間違いなく死を覚悟する闘いに身を投じる九戸政実。凄まじい漢の生き様に、身震いする想いです。

  • 3巻に入ってからの展開が怒涛
    2巻まで分量も多くなかなか進まないので、読みすすめるのに苦労した
    三部作の一貫したテーマが気迫とともに迫ってくる

  • 3ヶ月以上も間をおいての最終巻。
    一気に読み切りたかったけれど、しょうがない。

    織田信長と一戦交わしたいと願っていた九戸政実は、南部本家の跡目争いに端を発した内戦のため、結局西国へ打って出ることができず、気がついたら時代は豊臣秀吉の一人勝ちとなっていた。
    秀吉の勝ち方は決して武将のそれではなく、最後のまつろわぬ武将として秀吉に喧嘩を売る。
    それは勝つための戦いではなく、武士としての生き様を知らしめるための戦い。
    最初から死ぬ気だからできる、5000対10万の戦いなのだ。

    それまでの戦いで、一度も負けたことのない九戸政実。
    日ごろの鍛錬はもとより、知略にも優れている。
    それこそ、南部本家の信直の器の小ささ、その側近である北信愛の姑息さと比べて、一回りも二回りも役者が上だ。
    政実が、自分を措いてでも南部の棟梁にしたかった弟の正親すら、凡庸に見えてしょうがない。
    ちょっと政実、出来過ぎです。

    勝っているうちに投降して、残された者たちの命を守り、最後まで武将としての生き様を貫いた政実。
    試合に負けて勝負に勝ったというところか。

    あんまり出来過ぎなので感情移入は出来なかったけれど、歴史として見たときに、こんな人物がいて、こんな出来事があったと知ることができたのは上々。
    伊達政宗以外にも人はいた、ということだね。

  • 九戶黨以五千人籠城直接PK10萬大軍,在政實巧妙的用兵下接連勝利,但最終對豐臣方來勸降他決意以自己的性命換所有人的生命,然而那只是大將蒲生的詐騙之計,最終被捕之後眾人遭從容就義,然而已讓城內的人逃脫,弟弟實親也能戰到最後一刻。不過這個故事終結在這裡讓人很是難受,如此熱血的故事卻是這樣的結局。然而不義的豐臣政權後來也是在詐騙之下,被填平護城河,招致滅亡。

  • 二巻目までは、なんやかんや言いながらもフィクサーの如く他人を動かすだけで自身は殆ど行動を起こさなかった政実がついに立ち上がった。
    最終的には勝てる見込みのない戦いだと分かっていながら、決して臆することなく一戦一戦は完勝を続ける九戸党が見せる戦の強さ。最後に「負けたことがないからこの先が分からない」と笑い飛ばす潔さ。政実だけでなく、みんな格好良かった。
    この本を読んで戦国期の東北を初めて知りましたが、圧倒的少数ながら豊臣軍に引けを取らず、兵を救うために降伏しながらも、その約束を反故にされたという大筋は史実のようですね。

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著者プロフィール

1947年岩手県生まれ。早稲田大学卒業。83年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、87年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、92年『緋い記憶』で直木賞、2000年『火怨』で吉川英治文学賞を受賞する。他の著書に『炎立つ』(全5巻)、『天を衝く』(全3巻)などがある。

「2009年 『To Tempt Heaven』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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