- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062749237
作品紹介・あらすじ
土井超音波研究所、山中深くに位置し橋によってのみ外界と接する、隔絶された場所。所内で開かれたパーティに紅子と阿漕荘の面々が出席中、死体が発見される。爆破予告を警察に送った何者かは橋を爆破、現場は完全な陸の孤島と化す。真相究明に乗り出す紅子の怜悧な論理。美しいロジック溢れる推理長編。
感想・レビュー・書評
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何か今回の話はどことなくS&Mシリーズを思い出したのは私だけでしょうか。
色んな話が程よくブレンドされている感じがして、読んでいる間あの2人の遭遇した事件を思い出して懐かしくなったりしていました。
そしてこの話、前回がお洒落で優しめだった反動なのかえらくショッキングなシーンが多かったなという印象が。
簡潔に纏めてしまうとエピローグの一文目に集約されてしまうのでしょうが(いやそう言いきってしまうのが良くないというのは重々承知なのだけれど)、その結論に至るまでにちょっとドキドキしながらページを捲ってました。
ただ何かこう……こんなに登場人物必要だったか?という気がしなくもないんだよなぁ。
あの人とかあの人とかもはや印象が薄すぎて「あっそういえばいたんだっけ?」みたいな事何回かあったし……うーんでもまぁメインの登場人物が多いシリーズには起こりやすい事なのかもしれませんね。
とにかくあの子の生命力がとんでもなく強くて良かったと心の底から思いましたね。
あと、紅子さん。
あの鋭い推理力といい観察眼といい今回の行動といい……実は何か特殊な訓練を受けていたりします??? -
今回は科学者たちのお話だけあって、ほぼ紅子さんの独壇場!
格好良いなぁ✨
舞台は王道の閉じ込められた山の中の館。
主要人物たちにも襲いかかるような脅威に凄くハラハラした!
超音波のお話は難しくてよく分からなかったけど、最後に紅子さんが解いた謎は確かに綺麗な暗号だったなぁ。 -
面白かった。
平面図です。それだけで嬉しいですね。今作ではピンチの描写が鮮烈です。息がつまります。
そしてあの遺体の様。ある種の古典です。楽しかったです。 -
ミステリ好きにはたまらない一冊。
森先生のお話は何を読んでも品があって、知的で、
それでいてユーモアに溢れておまけに愛まであって楽しい。
今回は私の一番好きなタイプ。
フーダニット系。橋が破壊されたあたりから、自分の大好きな展開へ(笑)
こういうのたまりませんね!
しかも頭部の無い遺体。何パターンも自分の推理が炸裂して、
小説を読むことと、この後の展開を考えること、二重に楽しむことができた!
大満足っ!! -
紅子と練無の招かれた研究所のパーティでまたも殺人事件に遭遇するイツメン4。研究所に向かう途中の橋は爆破され研究所は孤立…科学者たちと招かれた者、招かれちゃいない者(笑)が明かす一夜… 真相と瀬在丸紅子の思考がこのシリーズらしくて好きです。
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設定がとても好きだし、久しぶりに建物の平面図があるから、絶対面白いやつ!って期待して読んでいた。
けど、やはりVシリーズに入ってから(正確にいうとS&Mシリーズ後半から)の謎が解明された時のいまいち感。
なんというか、もっと大きな驚きとか、すげ〜って言いたくなるような仕掛けとかがなく、それまでの分量も無駄に長い。
文句ばかり言ってるが、森博嗣さんの作品はどちらかというと、ワールドの構築だと個人的に思う。
事件と関係会話とか、メインキャラクターの関係性とか、事件以外に楽しむことがそれなりにあるので、飽きたりはしない。
つまり、ミステリーとして読まなきゃ全然面白い。 -
Vシリーズを読んでいた先月は、
2~3日に1冊のペースで
気が狂いそうになるほど焦って読んでました。
ダメなんですよね、
生き急いでしまいます。苦笑
毎回思うんですが、
Vシリーズの装丁ってお洒落ですよね。
S&Mシリーズも、四季シリーズも好きですが、
Vシリーズが一番表紙が好きかもです。
本作は、山奥位置する、土井超音波研究所で殺人事件が起こります。
しかも、事件当日は大雨、研究所に続く橋が爆破される。
陸の孤島となった研究所。
紅子たちが犯人を突き止めようとする中、迫りくるピンチ。
怖くて怖くて、続きが気になり、手が止まらず。
今までのVシリーズの中で一番印象的でした。
それは紅子が感情的に怒る場面。
コントロール下にある自我から覗いた、紅子さんの怒り。
胸にくる場面でした。
物語は佳境。
駆け抜ける読書もあと少しです。 -
再読。といっても内容はすっかり忘れていた。プロローグからして練無くんと紫子さんの掛け合いが面白い。ここらへんの軽妙さがVシリーズでの清涼剤だよねぇ。今回は保呂草さんの出番は控えめだったし紅子さんによる謎解きもあっという間に終わってしまったけどその割に濃く印象に残る。犯人の予想はおぼろげだったけれど死体のトリックはおそらくそうだろうと思ったのがドンピシャだったな。