煙か土か食い物 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3156
レビュー : 555
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749367

感想・レビュー・書評

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  • ミステリとしては星3つくらいだが、純文学としてはとても出来が良いと感じた。とにかく文章力が並外れている。読んでいて気持ちがいいテンポの良さ。不道徳的なシーンが多いので人によっては気分を害するかもしれない。だがそこがいい。
    読後、タイトルの意味に納得する。

  • もしラップ文学というジャンルがあれば、まさに第1号の金字塔的作品です。
    前半までは傑作の予感、中盤から精神錯乱気味な展開に意表を突かれるが、最後まで勢いで読ませる。
    ハチャメチャで面白い。

  • よみはじめ、アクの強い文章と物語が苦痛でしかなかったけれど、ノリはじめたらもうメロメロ
    四郎怒涛の救命シーンはアドレナリンがドバドバでて額に汗でも滲みそうだった

  • これは数年前読んでかなり衝撃を受けた型破りなミステリです。今読むとどうかなあ?と思って今回再読。やっぱり面白い!
    そして舞城王太郎、このデビュー作にして才能が爆発してます。天才だなあ、いや奇才という感じかな?
    ちなみに舞城さんは後に三島由紀夫賞なんかも受賞したりしてますね。
    ミステリの形式で書かれてるんだけど、本質は濃すぎる血筋を持った家族の物語ですね。
    そのあたり中上健次の世界にも通じるかな。暴力性というところも近いかも。それからトンデモ親父といっちゃてる息子4人のストーリーとして捉えるとカラマーゾフにもつながってくる。今は10章くらいのところを読んでるんですけど、次男の二郎の生き様はすごいなあ。その二郎と親父の葛藤がすごいんですよ。これはミステリの枠を超えてる小説です。バイオレンス大丈夫な方にかなりおすすめですよ。

  • 本当に圧倒的な文圧。
    でも、胸の奥にある熱いものが込み上がってくるような、がむしゃらな感じが素敵。
    ひどい父親だけど、ラストの展開で何か許しちゃうような。結局みんながみんなが憎しみあって愛し合ってるのかね。
    ムンババあぁー!

  • 文章が圧倒的な力でもってぐいぐい迫ってくる。荒唐無稽のギリギリを何の躊躇もなく攻め込んでくるのには、度肝を抜かれました。

  • 「煙か土か食い物」
    ヘイヘイヘイ、復讐は俺に任せろマザファッカー!第19回メフィスト賞受賞作。


    この小説の特徴は、何と言っても破格のスピード感(妙なリズム)がダダ漏れな文体・文圧です。ヘイヘイヘイな意気揚々なリズム感が半端なく、これにやられて途中リタイアしてしまう読者もいると思います。冒頭は、以下。


    <blockquote>
    サンディエゴにはおよそ三百万人の市民が住んでいるが、そいつらがどういうわけだかいろんな怪我や病気を背負い込んでホッジ病院にやってくるから、ERにいる俺は馬車馬三頭分くらいハードに働いてそいつらを決められたところに追いやる。チャッチャッチャッ一丁上がり。チャッチャッチャッもう一丁。やることもリズムも板前の仕事に似ている。板前と違うのは奴らが切り開いたり切り刻んだりするだけのところを、俺達は最終的に全部元通り縫い合わせてしまうというところだ。
    </blockquote>


    はい。どうでしょうか。主人公"腕利きの救命外科医 奈津川四郎"がどんな奴かをさらっとリズムに乗って説明しているくだりですが、私はこのくだりから四郎=日本人っていう結びつきがイマイチ出来ませんでした。こういう文体は、アメリカ小説で見る事が多かったのが原因なのですが、加えて妙にぶっ飛んでいるんですよね。なんか物語に入りきれない。こんな文体が、ずっと続きますw


    ただ、この文体がつらつら続くだけだと、恐らく私はドロップアウトしていたこと間違いなしでしたが、展開にスピード感がある為、なんとか読んでいけました。


    連続主婦殴打生き埋め事件の被害者に母親が含まれたことから、復讐の為に独自で動く四郎。警察がホイホイ四郎に協力したり、帰省して直ぐに同級ルパンに遭遇したり、警察と検事に同級がいたりと色々強引な所もあるお陰で、どんどん進んでいきます。また、四郎に降りかかるアクシデントやイベントもバシバシ発生するため、怒涛のラップみたいになってます。


    1番不思議なのは、四郎の推理です。もはや思考のショートカットが凄い。天才の域に達しており、この強引な設定に対して首を捻る読者が出てきても仕方ないですね。と、この小説には色々強引に見える所がありますが、その強引さがスピード感溢れる作品の完成に一役買ってるのは間違いなし。


    スピード感に並び、目立つのは暴力性です。四郎の家族には愛より暴力があり、小説のいたるところに暴力があります。ただその暴力性は、家族愛と密接に絡んでおり、「人は死んでからも生きた証を色々な形で残す」「家族は生きてるうちに、そして死んでからも引き付け合う」など重要なテーマに触れていきます。特に、暴力しかないような二郎と丸雄、憎み毛嫌いしていた丸雄から見えた愛情等から人間の在り方を問う所は、冒頭のイメージだった"訳わからない感"を消し去るのには十分でした。


    暴力的でめちゃくちゃではあるが、実は人間、特に愛に付いて触れているぶっとんだ小説です。

  • スピード感があっていっきに読めた。

  • 9/8 読了。
    再読。舞城はただただ文章が上手くて抜群のドライブ感を武器にベッタベタで大文字の「愛」を書いてる人だなぁと改めて思った。

  • 文章がすごく特徴的で面白い。なんというか無茶な運転の車に乗せられて走っている感じの、、、変なんだけどリズムがあってついつい読み進めてしまいました。
    内容的には、私は「こういう話」などという予備知識もなく、ただ漠然と読んでいたのですが、その話がが続くんだ?という状態のままどんどんストーリーが進んでいった感じでした。私はいったい何の話だと思ってこの小説を読み始めたのでしょうか(笑)
    とにかくなかなかおもしろかったです。かなり個性的ですね!他の作品も読んでみたいです。

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著者プロフィール

1973年、福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』で第19回メフィスト賞を受賞しデビュー。03年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。『熊の場所』『九十九十九』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『短篇五芒星』『キミトピア』『淵の王』『深夜百太郎』『私はあなたの瞳の林檎』など著書多数。12年には『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦著)の25周年に際して『JORGE JOESTAR』を刊行。近年は小説に留まらず、『バイオーグ・トリニティ』(漫画・大暮維人)の原作、『月夜のグルメ』(漫画・奥西チエ)の原案、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』の翻訳ほか、短編映画『BREAK』や長編アニメ『龍の歯医者』の脚本、短編アニメ『ハンマーヘッド』の原案、脚本、監督などをつとめている。

「2018年 『されど私の可愛い檸檬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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