煙か土か食い物 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3163
レビュー : 556
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749367

感想・レビュー・書評

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  • デビュー作にしてこの疾走感!

  • 人生初舞城は『煙か土か食い物』。

    なんだこれは!?

    と衝撃走る。

    野球やバレーボールなどで「球が走ってる」という表現があるが、まさにアレの文章バージョンであった。読点ナシの福井弁マシンガントーク、痺れました。

    主人公天才ってすごいですよね。読者に考えさせる余地を与えない。謎が次のページでは解決してる。言われるまでこれがミステリだって思わなかったし。

    「奈津川家サーガ」という言葉を知ったのは随分後になってからだったけれども、もう本当に、この家族怖すぎ愛おしすぎです。
    さんざん無軌道なことやってメチャクチャに暴力暴力してバンバン解決して、で、最後はあのラス前。泣けました。なんかすんごいイイ話でした。

    以来、舞城作品を貪り読みましたが、やっぱりコレが一番のお気に入り。

  • 内容はともかく,独特の文体とテンションに物凄いエネルギィを感じた。

  • サンディエゴに暮らす名外科医でありクレイジーでトチ狂ったマザファッカー野郎の奈津川四郎の元に、母親が連続主婦殴打生き埋め事件の被害者となったとの報が届き、二年振りに地元福井に戻る。そして学生時代の知り合い高谷ルパンの弱みに付け込み利用して犯人探しを始める。

    文章が面白い!もうほんとアホ!もちろんいい意味で!
    そして奈津川家の過去や犯人の思想が怖い。たぶん眠れなくなるから夜中に読まなくて良かったと思いましたw『悪の教典』みたいなレベルのホラーになると非現実的で別になんとも思わないんですけど、この作品のような方向性のリアルな恐怖は苦手ですね。でも、これは別にホラー小説では無いですよ。(ミステリーですら無いと思いますw) ただ、なんとなく怖いなぁっていう個人的な感想です
    全体的にはアップテンポでポップな感じに書かれてます。ゆる~い文章が逆に物語に真剣味を与えているような気がします。その筆力は純粋にすごいと思う。

    「そんなことになればやはり俺は決して二郎を許さないだろう。《二郎》など奈津川兄弟から永久欠番にしてしまうに違いない。」

  • 煮え切らない結末ですね。病院で会った看護婦と寝てはい、おしまいなのがちょっと理解できない。だって、親密な関係じゃないでしょーに。それと、丸雄が「一郎、二郎、三郎、四郎」と兄弟全員の名前を読んでくれて嬉しかったと四郎は言ってるけど、いや、なんかその感動的な家族小説みたいにするには今までの流れからは厳しいんじゃないかなとか思ったり。暴力をふるう父親、復讐する二郎。母親の意識は回復していない。家族全員が家に揃うっていうなら感動的なラストとしてわかるけども、そうじゃないからね。

    この本はミステリーとして読み始めましたが、読者を考えさせるほどの仕掛けが施されているわけではありませんでした。むしろ、あっさりとネタばらし的なことをしてくれたし、犯人もあっさりとわかりました。テーマはなんだろう。悲劇の家族の結末?

    独特の文章(あれほど句読点がない文章は初めて。横文字も多い)だけども、スピード感に溢れているからものの数時間で読み切ることができます。普通の小説を読みなれている方には新鮮だし、違和感を感じさせる作品かもしれません。

  • 母親を怪我させた犯人を負う青年と、その兄弟たちを描くハートフル青春小説、とか大嘘の煽り文句つけたくなるようなテンションの高さ。
    いや、推理としてはともかく、あと出来もともかく、なんか笑えてくる面白さでした。

  • まずは改行のほとんどない文字がびっしりな感じにびっくり。

    次にガチャガチャした騒がしい雰囲気にびっくり。

    いろんなことに面喰いつつもスピード感がすごくあるので
    なんやかやと引き付けられたまま読み進んだ。

    暴力描写がかなり多いので個人的には少ししんどかった。

    とにかく斬新な感じのするミステリ。

  • かっこいい。そして家族の愛、兄弟の愛が切なくて、すごくバイオレンスではあるのに不思議と心に染みた1冊。

  • 独自の疾走感にハイになれる作品。徹頭徹尾アクセル全開。ミステリとしての轍はきちんと踏みつつ、エンディングは既存のそれに当てはまらない。
    コミカルな表現と読者を茶化すようなネタが、いっそ心地良いほどに、全体の完成度の高さに圧倒される。

  • ミステリーとドラマと暴力のバランス!!

  • 倫理観? 家族愛?

  • この小説の肝はある人物の成長過程を描いた10章と11章。
    単なる過去編にとどまらず、小説全体の中核にもなっている。
    そこには隙間なく暴力という暴力が詰め込まれている。
    被虐と加虐を行ったり来たりのこの暴力の連鎖終わらせてくれよと主人公に同調したくなるが尚も続く。
    わずか60頁ほどに暴力が支配する10年間がとんでもない圧力で描かれていて、物語の世界に強く惹きつけられた。

  • 自称本読みの人から人気の作家さんその二。ま、とりあえず読めや、面白いぜ?って云うとこれかな。メフィスト賞受賞作。メフィスト賞とは、すべてがFになるを売り出す為に作られた、森博嗣がいたから出来た賞。んで舞城さんや清涼飲流水や西尾維新や殊能将之らが触発されてデビューしたのでメフィスト賞受賞作は全部オススメ。

  • これはすごいとしか言いようがない!衝撃的な本に出会ってしまった。いきなりF1カーに乗せられたように、最初から息つく暇もないノンストップでハチャメチャな文章。とにかく全部がぶっとんでる、ぶっとんでるけど愛が溢れていて、四郎がかっこよくて、こんな形でしか愛情を表現できない奈津川家がちょっと愛しい。もうチャッチャッチャと心を持っていかれました…。

  • 既読の舞城作品の中で、ぶっちぎりに好きだ。
    泥臭いし血生臭い。どうしようもなくむちゃくちゃかつジャンル的にはミステリなんだろうが、書いてあるのは家族について。

    好き嫌いは分かれるだろうなぁ

    龍子の言葉は名言。
    奈津川家四男主人公。

  • ちょう面白い カッコイイ
    こんなん、早く読めばよかった!!
    誰か教えろよ!

  • 文章に癖がある、と知っていたのであまり気にならなかったけど、
    知らずに読んでたら、最初は読み辛いかも。
    主人公の口語体で書かれる作品と言うのは今までもいくつか読みましたが、
    本作は好き嫌いは分かれるにしても、優れた作品ではないかと思います。
    私はグイグイ持っていかれる感じがたまりませんでしたw

    推理と言うよりはハードボイルドで血みどろです。
    情景は想像しやすいため、グロいのが苦手な人はダメかも。

    最後は涙を誘うシーンもあり、良かったと思います。
    ただ、ちょっとラストをトントンたたみ過ぎかな…と。
    面白かったからこそ、もう少し次への布石を丁寧に描いて欲しかったです。

  • 根拠なんかない!直感だ!

    って感じでした。
    まぁ根拠はあるっちゃありましたけども。
    ナルシストな文体が面白くて飽きなかった。

  • 疾走する文章に引きずられて何とか読了したけど、やっぱり後に何も残らない…。

    う~ん、結局どういうこと??

  • 2008年10月02日 20:05

    初の舞城王太郎。
    読み初めてすぐに頭の中にはてなマークが大量に出現。

    え、これってこれでいいの?下書きだよね?締め切り間に合わなかったの?HUNTER×HUNTER?
    作品紹介に目を通すと、「メフィスト賞受賞」。
    あーそうなんか。ならこれでいいんだね。

    結局最後までめっちゃめちゃ。でも作りが割と好きだった。ちょっとしつこかったけど、幼年期の話がしっかりしてて、挿入する場所もナイスというか。
    あと犯人とか、二郎の正体とか、種明かし的なのを全く勿体振らずに捌いてくとこが気持ちよかった。そもそもが破綻してるのに、そこだけ本格ぶられたら本当に嫌。

    読んでてしんどくなるかもしれないけど、それを通り越すと段々笑えてくる本、というか作家。一作は読んでみて損はないと思います。

  •  もう舞城王太郎の作品は読むのはよそうと思っていたが、ついまた手にとってしまった。高速ドライブ感は流石だなと素直に感服した。自分の中で彼の作品をどう受け止めるべきか、いまいちわからないのでこの感想文の筆もあまり進まない。なんだかよくわからない魅力があることだけは確かなんだろう。ということにしておこう。

  • ページをパッと見た時は字のびっしり加減に負けそうになったが、著者のスピード感ある文体にのせられて一気に読んだ。言葉が息継ぎなくどんどん出てくる感じの文体。著者の作品は他に『好き好き大好き超愛してる』『阿修羅ガール』を読んでいるが、この作品が一番しっくりきた。クールで破天荒な主人公と、ミステリーというジャンルに良く合う。
    主人公一家のめくるめく暴力、その果ての確執は凄惨であるが、最後に主人公がピュアな家族愛を思い出す場面が温かい。色々あっても、家族ってそういうものなのかしら。

  • 4~5年前の読了。

    ごちゃまぜ感が強く、訳わからないんだけど迫力だけはスゴイと感じた。
    氏の作品読もうと思いつつも次に行けないでいる。なんでかな?

  • 僕の大好きな小説の1つ。
    最初はページめくると文字がびっしりでめんどくせぇなって思いました。しかし読んでみると全くそんなことは無く、一気に読むことができます。
    とにかくスピード感が凄い。
    独特な文体が主人公にぴったりでかっこいい。

  • いちど完全に破壊されてしまうが、終盤にむけてそれがすこしずつ再生していく。現実ばなれしてるのになんか納得。そしてものすごいスピード感。初めての舞城王太郎、圧倒されました。

  • 独特のスピード感のある文体に急かされるように一気に読んだ。「人間死んだら煙か土か食い物だ。」なるほどね。ラストは家族の絆の話で穏やかな雰囲気に帰結しているものの、そこに到るまでの陰惨な過程との折り合いをどうつければいいんだ・・・。結局のところ感想は、こんな家族は嫌だしこんな人生も嫌だ。暴力の無限連鎖なんて耐えられないよ一般人には。

  • 第19回メフィスト賞受賞作品。
    暴力、暴力、暴力。
    舞城先生はかなりの
    バイオレンス。アグレッシブ。
    スピード感に塗れてまみえる作品。

    連続主婦殴打生き埋め事件を追う
    四郎の運命は……。
    Y+C+Mの混色でブラックになる
    ことの如く、これこそ小説といえる。
    拒絶を覚えるほどの、おもしろさ。
    さすが変わり者が多いメフィスト賞。

    『よっぽど疲れていたんだね。』
    に癒されてください。

  • 読了日:2011/09/03

  • ドラムンベース聞いてる感じに似てるかな。
    あのカックンカックンしながら、ゲラゲラ笑い出す感じ。
    気持ちいいのか悪いのかよくわからん宙ぶらりんさ。

    だからさ。これが文学かどうか。
    なんてのどかな問いはもうやめようよ。
    そんなこと、どっちだっていいじゃん。
    ていうか、余裕あるじゃん、お前。
    いっぺん死ねよ。

    「しゃんとしろこの野郎。目を開けろ。苦痛はお前を苦しめはするが殺したりはしない。苦痛は確かにあるがそれから逃れることは今のところできない。ゆっくり休みたければ仕事を済ませてしまえよコックサッカー。ドントビッチアバウトエブリシング。ドントビッチアバウトエブリシング!」

    これ以上何が言える?どう言えるだろう?

    この声なんて消えてしまえばいい。
    痕跡さえ残さず。完全に。完璧に。
    僕なんて消えてしまえばいい。
    お前なんて消えてしまえばいい。

    訪れた二度目の『枯木灘』はさらに荒んで、こんなに笑えたんだった。

    あるいは。

    『百年の孤独』も皆で分かち合えばこれほど饒舌でカラッポだ。

    でも。

    こんな遠くへ来るつもりじゃなかった。

    海へ行くつもりじゃなかったんだよ。


    煙か土か食い物。
    Smoke,Soil,or Sacrifices.

  • とにかくスピード感。独特な表現や、リズム感、スピード感に引きこまれ、一気に読んでしまった。くせになりそう。

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著者プロフィール

1973年、福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』で第19回メフィスト賞を受賞しデビュー。03年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。『熊の場所』『九十九十九』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『短篇五芒星』『キミトピア』『淵の王』『深夜百太郎』『私はあなたの瞳の林檎』など著書多数。12年には『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦著)の25周年に際して『JORGE JOESTAR』を刊行。近年は小説に留まらず、『バイオーグ・トリニティ』(漫画・大暮維人)の原作、『月夜のグルメ』(漫画・奥西チエ)の原案、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』の翻訳ほか、短編映画『BREAK』や長編アニメ『龍の歯医者』の脚本、短編アニメ『ハンマーヘッド』の原案、脚本、監督などをつとめている。

「2018年 『されど私の可愛い檸檬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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