いやでも楽しめる算数 (講談社文庫 し 31-35)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749831

感想・レビュー・書評

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  • 成人している息子のSCOA受験のために一緒に勉強会をしたが、その際に算数と数学の間くらいの問題が懐かしく、時々忘れている事柄があることを知り、この本を興味深く読んだ。

  • 算数といえど・・・私にはやはり難しかったです・・・(笑)
    でも、書かれ方がおもしろいので最後まで読めました。

    算数の世界というか、仕組みがすごいなぁと思ったところもあったけど、もう忘れました(笑)ところどころの皮肉めいたおもしろエピソードと3大数学者のお話とかしか覚えていないという・・・

    きっとすごくわかりやすく書かれているはず・・・!
    理系の人はもっと楽しく読めるのかなと思ったらうらやましいなぁと思いました。

  • もともと算数そんなにいやじゃないので結構楽しめました。ただこのシリーズは雑談目当てに買ってたけど、そこは他教科より少なめかな?という印象。
    しかし子供の頃、文章題にツッコミ入れたことなんてなかったなぁ…何も考えてなかった。

  • 読書録「いやでも楽しめる算数」2

    著者 清水義範
    え  西原理恵子
    出版 講談社

    P175より引用
    “そういう、問題文を読んだだけでは、何をどうしろと言ってい
    るのかもわからず、考えようにも方向が見いだせず、鉛筆の先を
    なめて呆然としていると、思わず涙がにじみ出てきて問題の文章
    がゆらゆらと揺れだしたという、文章題。”

     目次から抜粋引用
    “円の面積は美しいけど
     いったん話をゼロに戻そう
     1から初めてコツコツと
     電卓パズルの謎解き
     人類の三大数学者”

     小説家・エッセイストと漫画家のコンビによる、算数をテーマ
    にしたエッセイ集。
     円の面積についてから数学者についてまで、西原氏のマンガと
    ともに書かれています。

     上記の引用は、文章題について書かれた章での一文。
    算数の問題を解く前に、文章をしっかりと読めなければいけない
    のですから、頭への負担は2倍なのでしょう。私も算数自体からし
    て嫌いでした。
    ヘタクソでわかりにくい、文章題の問題文を理解するためにも、
    まず国語をしっかりと勉強した方がいいのではないでしょうか。
    小さいうちから他国語に目移りするのではなく。

    ーーーーー

  • この二人が出てくるシリーズは・・・

  • ・2/11 またまたこのシリーズだ.今度は算数ということで、なんとなくアシモフの雑学を思い出す内容になっている.でもやっぱ算数って、あまり楽しくないなぁ.
    ・2/14 読了.案の定、次回に期待ってとこかな.「もっといやでも・・・」が出ないことを祈って.

  • 090921(a 091002)

  • 楽しめるかは、ちょっと、疑問?でも、サイバラ画伯が楽しいし、なるほどな、は多い。いいエッセイです。

  •  作者 清水義範は算数を題材にした面白エッセイを書いているつもり。そこにコンビの漫画家西原(サイバラ)が、横槍や突っ込みや罵声をイラストと汚い手書き文字で容赦なく浴びせかける。そこが面白い。 先にちょっとだけヒットした『おもしろくても理科』や『どうころんでも社会科』の、次のドジョウを狙ったせこい作品(いや失礼) 算数のおもしろい現象をいろいろと説明しているのだが「これは役に立つ」と思ったやつをここで紹介してみるね。 二桁同士の数の掛け算。十の位が同じ数字で一の位の数字を足すとちょうど十になる場合。 十の位の片方に1足して掛け算したものを答えの左二桁に、あとは一の位をそのまま掛け算したものを答えの右の二桁にあてればそれで正解。 例1 : 44×46は   十の位:4×(4+1)=20  一の位:4×6=24  答えは2024である。正解! 例2 : 87×83は  十の位:8×(8+1)=72  一の位:7×3=21  答えは7231である。正解! これがなぜこうなるかを、作者は解り易いつもりで解説しているのだが、某雑誌に掲載時、読者からは総スカンを食らったご様子でした。 そしてもうひとつ。「二進法」を使った面白い数当てカードの謎解きが出てくる。え?「二進法 ってなに?」って、さすがにそういう人はそのまま寝ていただいて結構です(笑) 二進法と言ってもコンピュータを使うようなヤヤコシイ話ではない。ごく単純で明快な理屈のうえに成り立っているのです。 「なんだナンダ教えろ」って、それはムリです。この本を読んでください。 というわけで、わたしはこの本 とてもスキです。

  • そのp52〜55を抜粋します。

    この連載がもうじき始まりそうだという頃、私は算数をどう書こうかと、あれこれ考えていた。そしてその頃、たまたま家に原稿取りやインタビューなどでやってきた編集者たちに、ひとつの質問をしてみた。その質問とは、割り算ってどういう意味のことなのか言ってみてください、というもの。

    たとえば、10割る2、というのは、どういう意味ですか、ときいたわけだ。
    5人くらいの編集者に同じことをきいてみたところ、なんと全員が、ほぼ同じような答をした。

    10個のみかんがありまして、なんてことを言う。それをニつに分けると、1組が5個になります。

    2人で分けると、1人分が5個、と言った人もいた。

    10センチの厚さのヨウカンを持ち出した人もいる。それを等しい大きさにニつに切ると、1切れの厚さが5センチです。

    みーんな、割る2、をニつに分ける、と考えるのだった。

    そこで私が、割り算にはもうひとつ意味があるんですけど、それは思いつきませんか、ときくのだが、誰も答えられない。

    読者のみなさんはどうですか。割る2、はニつに分ける、ですか。割る3は、三つに分ける、という意味だけですか。

    割り算には実はニつの意味があるのである。

    割る2は、二つに分ける、もひとつの意味であって間違ってはいない。しかし、もうひとつの割り算の意味を忘れてはいけないのだ。

    10割る2、には、次のような意味もある。

    10個のみかんがあって、1人に2個ずつあげるとしたら、何人分あるか。

     10÷2=5

    5人分あるわけだ。

    つまり、10の中に、2は何個あるか、というのが、割り算のもうひとつの意味であり、実はこっちのほうが重要だと言ってもいいくらいなのだ。

    それを忘れて、10割る2を、二つに分けるとばかり考えている人は、10割る1/2で考えにつまるのである。

    10を、1/2に分ける。

    なんや、それ。1/2に分けるって、どういうことなんだ。

    割る1は、一つに分けるってことで、つまり分けないってことで、もとの10のまま。それはよい。

    しかし、割る1/2だ。これはいったい、どういうふうに分けるということなのか。

    頭の中にさっぱりイメージが浮かばないのである。

    ところが、割り算のもうひとつの意味がわかっていれば、割る1/2のイメージがちゃんと浮かぶ。

     つまり、10の中に1/2は何個あるか、とテキは言っておるわけなのだ。
    1の中に、1/2は2個ある。

     1÷1/2=2

    10の中には…10÷1/2=20だ。そうだったのだ。これこそが分数の割り算をする時に分母と分子を逆さまにして掛けるってことの理由なのである。
    1の中に2/3は、1個半ある。

    1÷2/3=1×3/2=3/2.

    つまりこれは、1の中に1/3は3個あるけど、2/3なんだからその半分しかないよなあ、と考えて2で割っているのである。

    1÷2/3=1×3÷2=1×3/2=3/2.

    だから、6の中に2/3がいくつあるかと考えてみると、

    6÷2/3=6×3/2=18/2=9.

    ということをみんな機械的にやっていたのだ。

    このように、分数の割り算も、割り算のもうひとつの意味、Aの中にBは何個あるか、で考えていくとくっきりと理解できるのである。
    なのに私が質問してみた編集者は、全員がそっちの意味を忘れていた。これは、編集者になるような人は、どちらかと言うと文科系の人であることが多い、からなのかもしれない。

    そしてまた、割る2という言い方のせいで、ついついニつに割る、をイメージしてしまうという習慣になってしまうのかもしれない。つまり、割り算、という名称がそもそも、数を割っていく、という感じを与えるのかも。

    これを読んだ人は今後、割り算にはニつの意味があるってことをしっかりと認識していっていただきたい。

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著者プロフィール

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により第62回中日文化賞受賞。『永遠のジャック&ベティ』『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『朦朧戦記』等著書多数。また西原理恵子との共著として『おもしろくても理科』『どうころんでも社会科』『いやでも楽しめる算数』『はじめてわかる国語』などがある。

「2021年 『MONEY 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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