流星ワゴン (講談社文庫 し 61-4)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749985

作品紹介・あらすじ

死んじゃってもいいかなあ、もう…。38歳・秋。その夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そして-自分と同い歳の父親に出逢った。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。やり直しは、叶えられるのか-?「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 人生には重大な岐路というものがある。
    「分かれ道はたくさんあるんです、でもそのときは何も気づかない」
    学校・職場での交友関係、家庭環境の形成、あらゆる場面において人は人生の岐路に直面し、その都度選択を迫られている。これを読んでいるこの時点でも何かしらの岐路に立たされているが、人はそれに気づかない。何か見落としているものはないですか、あなたの置かれている状況は本当に理不尽でどうしようもなかったものですか。
    人生は選択の繰り返しで後戻りはできない。しかし、後からそれを巻き返すことができるかもしれない。
    今なにかで悩んでいる人はラッキーです。あなたは橋本親子のワゴンによって未来から人生のやり直しをするためにやって来たんですから。
    人生への悲観に一点の光を灯してくれる作品。

  • 親の心子知らず
    子の心親知らず
    更に妻と旦那も…知らず
    って感じやな。
    こんな現実あれば、死んでもいいかな?って思ってしまうのも分からなくはない。

    そこで、出会う赤ワイン色のオデッセイ…幽霊になるんかな?その親子に連れられて人生の岐路なる場所へ。

    やり直しは難しいし、成功するかも分からんけど、こんな場所に行かせて貰えるだけでもありがたいかも?
    別に私の人生がボロボロって程ではないにしても、誰でもそういう人生の岐路に帰って、やり直したいってのはあるんとちゃうかな?
    その時の選択が後になると正しい…ちゃうな…良い方向に向かったとしても、その時点の選択があかんかっても仕方なし。何が正しいとか正しくないとかないと思う。
    生きることは、失敗から学ぶものだし、失敗なしに成功もない。

    でも、やり直しは、そう簡単ではないのも確か。小さな事からコツコツとしかないんやろな。
    主人公、やり直す気なら、頑張って!

    こんな作品は、ある程度、年季の入った人でないと楽しめないのかもしれない。
    ある程度、生きて、色々あって…でないと。

    • yhyby940さん
      まもなく64歳になる私にとっては考えてしまう作品でした。時計の針を戻して、生前の父に会いたいとか一度でいいから、ガッツリと飲みたいとか。そん...
      まもなく64歳になる私にとっては考えてしまう作品でした。時計の針を戻して、生前の父に会いたいとか一度でいいから、ガッツリと飲みたいとか。そんなことを考えてしまいます。しかし、過去を変えることができなくても、想いの残る場面を俯瞰で見てみたいと思います。子どもっぽい感傷ですが。
      2023/04/06
    • ultraman719さん
      私も良く考えます。若い頃からずっと…
      あの時あ〜してたら、こ〜してたらとか…おっしゃる通り時計の針は戻らない…
      なので、良い思い出はともかく...
      私も良く考えます。若い頃からずっと…
      あの時あ〜してたら、こ〜してたらとか…おっしゃる通り時計の針は戻らない…
      なので、良い思い出はともかく、悔いの残ってるような感じのことは、そうした事を繰り返さないようにしようとは思ってます。まぁ、繰り返してしまうんですが…(^_^;)

      何歳になっても、前を向いて生きていたいです。言うのは簡単で、なかなか、しんどいですけど。
      2023/04/06
  • あまりにもフォローしている方々が読んでいるので、重松作品を読んでみた。
    分厚くて重い内容なのにサラッと読めてしまったのが不思議。幽霊が導く設定は他でもみたような気がしたが、主人公の生活が可哀想になるくらい悲惨。それに気付かなかったことも辛いし、途中まで将来を変えられる道があったのに、変える勇気が無かったことも歯痒い。お互い嫌い合っていたと思っていた父親と仲直りができたことと、自分の家族にも向き合えることができたのが救いとなる。導いてくれた幽霊の親子は成仏できないのだろうか?

  • 再読。『流星ワゴン』を読むと映画の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を思い出す。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」では過去に戻ってやり直しができたが、『流星ワゴン』では過去にもどってもやり直しができないという厳しい現実が描かれている。「あの時、こうしていれば......」という思いは、私にもある。誰にだってあるのではないかと思う。現実の人生ではたとえやり直すことができなくても、人生の大切な岐路となる過去の場面に戻ることができたら、その時の自分の思いを相手に言葉や行動で素直に伝えることはできる。それが現実の世界に戻った時のこれからの自分の行動につなげていくことで、未来のかすかな希望が生まれて来るように思えた。
    「黒ひげ危機一発」のゲームはなつかしい......。

    心に残った言葉
    ・「分かれ道は、たくさんあるんです。でも、そのときにはなにも気づかない。みんな、そうですよね。気づかないまま、結果だけが、不意に目の前に突きつけられるんです」
    ・「朋輩じゃろ? わしら。相手のためなら腕一本くれてやっても惜しゅうない付き合いを、朋輩いうんじゃ」
    ・あとになってから気づくーあとにならなければわからないことは、たくさんある。僕はもう我が家の結末を知っている。自分がなにをすべきだったのか、なにをすべきではなかったのか、ちゃんとわかっていて、なにもできない。
    ・あなたが魔法を信じるのなら、もしかしたら、橋本さんたちに出会うかもしれない。サイテーの現実にうんざりして、もう死んだっていいやと思っているとき、不意に目の前にワインカラーのオデッセイが現れたら、それが橋本さんの車だ。乗り込めばいい。あなたにとってたいせつや場所に連れていってもらえばいい。

  • 父親になるってどういうことなのだろうかととても考えさせられるような作品でした。

    物語は38歳の主人公がリストラや妻との離婚調停、息子の引きこもりを経験し、人生に絶望した時、とあるワゴン車に出会うところから始まります。

    そのワゴンを運転しているのは、事故で不幸にあい、現世に未練を残している親子。その親子は主人子を過去の大きな分岐点に連れて行ってくれます。その分岐点ではなぜか、その時代にはいるはずもない38歳の父親もいて…というお話。

    父親という役割は子どもが産まれた瞬間から始まる、ある意味特殊な経験のように思います。そして、小さい頃に見た親の背中というのはどこか大きく頼もしく見えてしまいがちで、そのギャップに悩む人も多いのではないかなとも思います。

    本作はそんな父親としての未熟さを優しく肯定してくれるような作品であると思いました。未熟であっても、自分の考えや意見を押し付けるのではなく、妻や子どもを1人の人間として尊重し向き合うこと、その大事さを本作で感じました。

    最近、親友に子どもが産まれたこともあって、親友も父として、頑張ってるんだろうなと想像すると少し微笑ましくなりました。私も父親になり父親として行き詰まった時に、本作をもう一度広げたいと思います。

  • 重松清の代表作、流星ワゴン。読んでみたらとても面白かった。シンプルな構成で登場人物もそれほど多いわけでもなく、とても面白く読むことが出来た。

  • 同著者の「青い鳥」がとても良かったので、それではと、長く敬遠していたこの一冊を手に取る。
     
    想像どおりの内容。
    苦手な家族小説。
    中盤からは早く終わって欲しくて、流すように読んだ。
    ありがちな不幸に見舞われた男が、再起のための不思議な体験を与えられる物語。
    この作品が好きな人には申し訳ないが、主人公に対し「ラッキーで良かったね」という感想しか持てなかった。
     
    セックスの描写は必要だったのだろうか?
    無意味に思えた。
     
    子供と奥さんの気持ちはもっと掘り下げて欲しかったな。

  • 久しぶりに本を読んだ。
    年が明けてから、ダラダラと忙しくて、ワープロ仕事で目も疲れたしと、あれこれ理由をつけて、本を読む時間を確保しなかった。

    で、久しぶりの一気読み。
    やっぱり、重松さんは上手い。ギリギリの欲しいセリフを少しじらしたタイミングで言ってくれる。
    素直になるには、こじらせた時間の分だけ必要な時間がある。それを、周りの人は待たなくちゃいけないのに、そんな簡単なことが当事者になるとわからない。
    読んでいて、しまったと思うことがいくつもあった。


    受験の失敗から引きこもりとなり、家庭内暴力までするようになった息子と家を空けることが多くなった妻。
    自身もリストラされ、生きていることが億劫になった38歳のカズは、帰宅途中の最寄駅で、父子が乗ったオデッセイに出会い、深夜のドライブへ。
    その父と息子は交通事故で5年前にすでに亡くなっていた。遣り残した思いや現実を受け容れられず苦しむ人をその人にとって大切な時間を取り戻すために案内を続けているという。
    どこだかわからないが、2人はカズを大切な場所へ連れて行ってくれるというのだった。

    カズは家庭崩壊が兆した1年前のある日へ連れられて行き、そこで38歳の父親・チュウさんにも出くわす。
    意識不明で病院にいるはずのチュウさんが25年前の姿現れたのも、どうやらこのままでは死んでいけない強い思いがあるらしい。
    中学生の頃から父親とだんだんとうまくいかなくなっていたカズは、チュウさんとの関係をやり直し、また、家族との危機に立ち向かうことができるのだろうか・・・。

    少し前に、TVでドラマ化され、見るつもりで録画したものの結局消去してしまった。けれど、予告で見た香川照之さん演ずるチュウさんと、小説のチュウさんは印象がぴたりと重なっていた。
    香川さん、いい役者さんだなあ。
    いい役はもちろん、悪役でも人間の弱さが滲む深みのある演技が好きだ。
    勝手に香川さんの声でチュウさんに広島弁をしゃべらせて、読んでいく。

    連れて行かれた過去で最初は前回と同じ状況をなぞるにすぎなかったカズが、だんだんと自分がすべき対応やしたかった言動を主体的に選択するようになる。最後は、自分が言いたかったことを言い切ったと納得して旅を終える。
    まるでただ夢を見ていただけのように、旅の始まりの夜の駅前に戻ってきた。現実の世界は何も変わっていなかった。
    「バック・トゥー・ザ・フューチャー」のように、うまくはいかない。
    けれど、深夜に帰り着いた自宅のマンションで、シンクに積み上げられた大量の食器を自分の手で洗い、片づけるのは気持ちがよかっただろう。
    たまった洗濯物を要領を得ないながらも、洗い上げるのはどんなにすっきりしただろう。
    バスルームの目地のカビも昨日は気づかなかった。
    でも今は、気になり、こすり洗いをする。
    朝になれば、自分でコーヒーを淹れ、朝食を用意する。

    人は変わろうと思えば、変われる。
    人を変えるのは難しくても、自分の行動や思考は変えられる。

    どうにも辛くて、明日が来ることを信じられないときにも、誰かに話を聴いてもらうことができて、自分を整理することができるのなら、自ら一歩を踏み出す勇気が湧いてくるだろう。最後に温かな余韻を残している。

  • 著者の作品、ブクログ登録は3冊目になります。

    著者、重松清さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    重松 清(しげまつ きよし、1963年3月6日 - )は、日本の小説家。

    少年時代吃音で悩んでいたことも後に作品に反映させている。早大教育学部卒。

    『ビフォア・ラン』(1991年)で作家デビューし、『ナイフ』(1997年)、『定年ゴジラ』(1998年)などで注目される。『ビタミンF』(2000年)で直木賞を受賞。主に現代的な家族の姿をモチーフとし、日常の中に潜む社会的問題を浮き彫りにする。少年少女の悩める心、成長の姿を扱った作品への評価も高い。

    ---引用終了


    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    死んじゃってもいいかなあ、もう…。38歳・秋。その夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そして-自分と同い歳の父親に出逢った。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。やり直しは、叶えられるのか-?「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた傑作。

    ---引用終了

  • いつからこうなったのか?最低最悪の人生……
    もう死んでしまいたい……
    そんな時、真っ赤なオデッセイが横つけし、橋本親子が乗車をうながす。時空を超え人生の分岐点へとつれていってくれる。それでもやり直しは、叶わない辛い旅。

    人生ってどこから歯車が狂ってくるのかな?順風満帆にみえててもちょっとずつズレて、気づけば戻らなくなって、見て見ないふりをしてしまうものなんかもしれません。家族や周りの人と向き合うことの大切さ、あとは些細な声がけが大事ですね!

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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