流星ワゴン (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 17715
レビュー : 2242
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749985

感想・レビュー・書評

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  • こころ温まる話で、すぐ読み終わった。流星ワゴンにあえて、主人公もよかったし、やはり、小さな事に気づいていない人が多く、それに気づければ、人間関係もうまくいくのではないかなと感じた。

  • 結構、前に読みましたが、今でも真夜中になると、駅前にもしかしたらあの親子が登場するのではと密かに想像していたのを今でも覚えています。
    大人版のファンタジー小説のように感じました。
    所々、気持ちが落ち込むような感じになりますが、読み進めるうちに本の世界観に引き込まれ、スラスラと読むことができました。後半はほろりと涙が出るくらい感動しました。
     ハッピーエンドというわけではありませんが、自分とどう向き合っていくか?どうやって自分らしく考え、生きていくのか考えさせられました。

    女性よりも男性の方がグッとくるのはないかと思いました。

  • 2019.3.28
    グイグイ読まされた。
    14年前に文庫化されたみたいだけど、
    その当時読んでもそんなに響かなかっただろう。
    今読めてよかった。
    読後、妻を愛しく感じ、優しくしたくなった。
    暗くて辛いはずなのに、明るい気持ちになれた
    良い本でした。

  • 解説にもあるけれど、これは上手くいってない三組の父子の物語。
    不器用なだけで誰が悪い訳でもない。
    そんなもやもやとする現実感が上手いし、時空を超えるワゴンというファンタジーをかますことで、現実的過ぎない雰囲気になってると思う。
    前に読んだ『ブランケット・キャッツ』はなんだか辛い印象が残ったけど、これなら大丈夫。

    解説 / 斎藤 美奈子
    カバー写真 / 高橋 和海
    カバーデザイン / 鈴木成一デザイン室

  • 人生には色々な分岐点があって、日々選択して生きている。それがすごく重要な分岐だったことに気付くのは後になってから、とりわけ不幸せな後になってから。周りの大切な人・大切なものを、精一杯大切にしなきゃと思った。
    でも分岐を間違えて、最低最悪の結果となっても、ルールは、勝ち負けは自分で決めちゃえば良い。物事は捉え方次第で勝者にもなれるんだなと、勇気付けられた。

  • 後悔の場面を適切なタイミングでやり直せたら、と思った経験は誰にでもあるのではないか。でも、戻っても良い方に向かう行動はなかなか出来ないだろうとも思う。この物語では、それでも分岐点の場面を知らないよりはましだという。知れば、今後の人生における覚悟ができるから。逃げずに腹をくくって今に精一杯立ち向かうことが、充実した人生を送ることになるんだと教えてくれる。主人公の中年男の一雄が、現実に戻り覚悟を決めて人生を踏み出す場面が心地よい。ところで、幻に導かれて過去に戻り、やり直しの人生を経験するという構造が、重松の「なぎさの媚薬シリーズ」と同じと気づいた。調べてみると、「流星ワゴン」の方が先に書かれていた。この流星ワゴンからあのシリーズが生まれたのかもしれない。実際、なぎさシリーズに似た場面も出てくる。

  • すでに起こった事実とその事実が起こる分岐点となった時点にタイムスリップすることによって確認し、自覚する旅。旅の引率者は、すでにこの世にない父子。
    分岐点に立ち戻っても、起こった事実は変えられないという現実を前に、主人公はどうするのか?

  • 一時期、よく重松作品読んでたな。

  • ずるい。面白かったけど、ずるい。過去に戻って未来を変えられる期待を抱かせてそれでもなにも変わらないけど前に進む、とか都合良すぎる。父親との邂逅とか、ずるい。案内役の親子も不思議すぎるし、悲しいし、ずるい。でも一気に読んでしまった。面白かった。

  •  なんともマンガチックで、懐かしい響きを持ったタイトルである。この「ワゴン」とは、幽霊父子が運転するワゴンカーであり、ワインカラーのオデッセイのことでなのである。そしてこのオデッセイこそ、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でいうデロリアンであり、一種のタイムマシンなのであった。

     病床の父親とは、ほば絶縁状態。妻はテレクラに狂い、一人息子は受験に失敗し家庭内暴力に走る。そして会社が傾き、リストラの対象になる。・・・こんな最悪の家庭環境に追い込まれたとき、あなたならどうするだろうか?
     主人公のカズは、もう人生なんてどうでもよくなり、いっそ死んでしまいたい気持で一杯になる。そして目の前に止まったワインカラーのオデッセイに乗ってしまうのだ。これがこのお話の始まりである。
     前述した通り、このワゴンカーはタイムマシンであり、家族が破綻する以前の過去へと疾走して行く。どういう訳か自分と同年期の父親も、一緒にタイムトラべラーになっているのだ。
     それから、悲惨な自分の現在(未来)を変えようと、何度か過去を改竄しようと試みる。だがどうやっても、過去は絶対に変えられない。

     この小説でのタイムトラべルとは、過去の自分の体に、現在(未来)の自分の意識だけが憑りつくという方式であり、決して過去の自分に遭遇することはないようだ。そして現在(未来)に戻るつど、過去の自分にはそのときの記憶も、記録も全く残らない仕組みになっている。ただ稀にそれとなく、体験感覚が揺り戻されることがあるようだが、それが『デジャヴ』と呼ばれている現象らしい。
     いわゆる「リプレイ」ものなのだが、絶対に過去は変えられないため、パラレルワールドの存在もない。
     またかなり違和感を感じるのが、同時にタイムトラべラーとなる父親チュウさんの年齢である。息子のカズと同い年であるはずがないのだが、チュウさんは幽霊に近い存在と考えて、タイムトラべルと関連付けないほうがよいだろう。このお話はタイムトラべルと、幽霊を重ね合わせた物語なのだから・・・。

     なにせ466頁もあるブ厚い文庫本だが、ストーリーの中味は非常にシンプルで、どこにでも居そうな三組の「父と息子」を描いている。まずはオデッセイを運転する幽霊の橋本さん父子、そして主人公のカズとチュウさん、もう1組はカズと息子の広樹である。
     そしてこれだけの長編にも拘わらず、女性達はほとんど存在感がなく、父と息子の関係だけに終始しているのだ。この辺りの描き方は、女性読者には少し抵抗があるかもしれない。そこにこの作者の、父親に対する強烈な思い入れを感じた。
     
     さて私自身の父親は42才で鬼籍に入っている。出来ることなら、私もタイムマシンに乗って、若かりし頃の父と一献傾けたいものである。
     父子の愛憎とタイムトラベルという筋立ては、浅田次郎の『地下鉄(メトロ)に乗って』と良く似た展開である。ただ浅田次郎のように切ないエンディングではなかった。だからと言って、決してハッピーエンドとも言えない。
     過去にこだわらず、「未来に向かって力強く生きてこそ、幸福への扉が開かれる」と言いたいのだろうか。

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著者プロフィール

重松 清(しげまつ きよし)。1963年、岡山県生まれの小説家。早稲田大学教育学部卒業。
出版社勤務を経て、フリーライターとして独立。ドラマ・映画のノベライズなどを手がけたのち、1991年『ビフォア・ラン』で小説家デビュー。
1999年『エイジ』で山本周五郎賞、2000年『ビタミンF』で直木賞、2002年『流星ワゴン』で「本の雑誌年間ベスト1」、2010年『十字架』で吉川英治文学賞、2014年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。
山本周五郎賞、講談社ノンフィクション賞選考委員を務める。2017年、早稲田大学文化構想学部客員教授に就任。
『とんび』、『青い鳥』、『流星ワゴン』をはじめ、多くの代表作がドラマ化、映画化されている。

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