流星ワゴン (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.82
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本棚登録 : 17723
レビュー : 2243
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062749985

感想・レビュー・書評

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  • あの時こうしていればという後悔。本当は実際にやり直すことはできないにしても、何気なく見過ごしてしまったその分岐点にもう一度戻って、やれるだけのことをやったら、その後の人生は心持が少しは違うのかも。
    でもなんだかやるせない話でした。自分は親の子供であり、子供の親であり。親の心も子供の心もなかなかわからないものなのだなぁ。

  • H30.01.10 読了。

    重松清さんの作品って深い。
    胸の奥から泣ける。
    レビューサイト等で絶賛されているのも納得。
    シンプルに良い作品だと思う。
    最後も、良い雰囲気で、希望がある終わり方で良かった。

    ただ、基本的には感動できる話なんだけど、所々、この主人公の人間としての出来の悪さが出てきて「は?」と思わされた。
    そのせいで感情移入しきれず、もやもや。

    そもそも主人公がいい大人なのに自己中過ぎる。
    甘い、甘いんだよ。
    それなのに、妻の浮気をはなから「悪」として決めつけて自分は被害者ヅラしていて「おいおい!」と突っ込みたくなる。

    p.395 “「……そんなこと、するわけないだろ」
    のシーン。
    は??
    冗談じゃないからそれ。
    軽くでもDVの気があるからそれ。
    そういう性格だから、妻の気持ちが離れていくんだよ?
    すごく気になった、もちろん悪い意味で。

    あと、個人的に必要ではないと思うセックス描写があるし、あんま若い世代におすすめしたくはないな、と思った。

  • 20121227

  • 童話っぽい設定ながらシリアスな家族関係を扱うのがウリかと思ったが、発想やキャラ設定があまりハマらなかった・・ 同い年の父親とコンビ組む着想は面白いが・・

  • 死ぬ前に会いたい人がいる、というのは誰にだってありえることだろう。死が突然であればあるほど、それはなおさらである。この小説はそんな「ありがち」な願いを描く話に、タイムトラベルを絡めることで新鮮さを引き出した、そんな小説である。自分と同じ年のころの父親に会い、自分の過去にタイムトラベルするなかで、父親との確執を精算し、さらに「過去」を知ることで自らの不遇を変えていこうとする、一読したところポジティブな気分に満ちた内容である。

    ただ、設定にどうもなじめないところがあった。まずどうして主人公がタイムトラベルの対象者に選ばれるのか。タイムトラベルを導くのは突然の事故によって亡くなり、成仏しきれない橋本さんと健太くんという親子である。主人公は彼らの事故の記事を5年経って覚えていて、それが橋本親子に会う「きっかけ」だという。しかし、事故のことを覚えているのはいくらなんでも主人公だけということはあるまいし、他にも突然の事故で命を失った親子というのはそれなりに居るはずである。「息子に会いたい」と思っていた死ぬ間際の主人公の父親の存在が、主人公を対象者せしめたのかもしれないが、それだと主人公の父親だけをタイムトラベルさせればいいわけであって、主人公が対象者となったのはやはり「事故のことを覚えていた」という点に求めざるをえない。あるいは、実は主人公だけじゃなくて〈タイムトラベルしている人はけっこういる〉、と考えるとまあこの点は整合性が取れるかもしれない。

    それ以上にひっかかったのは、「過去は変えられない」という前提についてである。主人公は過去にタイムトラベルしたとき、未来を変えるべくマンションの引越を試みるのだけど、不動産会社は「他の人の契約が突然入ってしまって…お手付け金も振り込まれてしまっている」というようなことを言って引っ越しできなくなってしまう。主人公いわく「わけのわからない力」である。

    しかしこれだと「他の人」の人生が変わっている。あるいはその後「他の人」は「わけのわからない力」によって契約をキャンセルするかもしれないが、たとえば手付け金から違約金が不動産会社には残るだろうし、そのお金はまた別のことに使われて、小さいかもしれないけれど確実に過去とは違う道筋を歩みかねない。

    だとすると「「わけのわからない力」で、すべてをなかったことにするのかもしれない。そうだとしたら、なんとも「都合の良い力」であって、なんというかストーリーの都合に悪いことは全部「わけのわからない力」で解決させてしまう。そんな万能主義な力が世界を支えている世界観というのは、あまり好きではない。というかある意味「わけのわからない力」に従う以外道がない、という点で絶望的な世界である。ポジティブな話のはずなのに、実はそのポジティブは「ある力」によって方向付けられた「操作されたポジティブ」だったんじゃ、悪い冗談みたいである。

    ということで、「死ぬ前に会いたい人がいる」という誰にでもある願いを物語のテーマに据えたがゆえに、どうして主人公が過去に行けるのかという必然性を説明しなければならないのに、もうひとつ納得できる理由がない。考えてみると、全然作中のポジティブさはポジティブでないような気がしてきて、なんだか困惑してしまったのであった。

  • 人生の分岐点の選択、振り返り。
    確かに両方とも大事だけど、物語としても今一つ。
    珍しく著者の作品で★2つ。

  • ドラマみて内容気になって読んでみたけど、大して中身なかった。嫁エロかった。それだけ

  • あの時こうしていれば・・・

    が後悔。


    しかし誰もが【あの時】に戻る事は出来なくて【あの時】に『分岐点だ!』と気が付くことは出来ません。



    後悔をしたことが無いと言うのは強がりで『後悔』は誰しもが必ずあるものです。
    強い人達は後悔しないフリをしているだけだと私は思います。


    しかし同時に後悔する事で自分を磨き、未来をより幸せなものにする力が生まれて来るのだと、私は信じています。



    永田一雄(38)は自分の人生に絶望していた。

    息子の広樹は中学受験の失敗とイジメにより、引きこもりと家庭内暴力・・・

    無断で外泊する妻の美代子に突然切り出される離婚話・・・

    そして会社からはリストラ・・・


    末期ガンで余命幾ばくもない父親の見舞いの帰り、一雄は『死んでもいいかな?』と思ってしまう。

    すると目の前にワインレッドのオデッセイが停まる。
    運転するのは5年前に交通事故で死んでしまった橋本親子。
    彼らに連れられて、自分の人生の岐路である1年前に旅立つ・・・




    すると、そこには自分と同い年の父親が待っていた・・・



    果たして、一雄は自分の人生を立て直す事が出来るのだろうか?

  • うーん、テレビを見てから読んだからかテレビの方が面白かったような…。何と言ってもチューさん役の香川照之の印象が強烈で、小説の中のチューさんが弱すぎる気がする。それに小説では美代子の気持ちがほとんど描かれてないが、テレビの方がすれ違う夫婦のズレに気づきもしない夫に絶望していく妻の落ちていく感じがよく出てた。等々、いろいろともどかしく感じた。一方でワゴンでドライブを続ける疾走感、時間を遡る不思議感は小説の方が印象的だった気がする。が、夫婦の性描写がなんとも薄汚くてやり切れなさが残って後味悪し。2015.3

  • 自殺を考えてる永田一雄の前に赤ワイン色のオデッセイが止まる。
    でてきたのは、
    橋本義明と息子の橋本健太君。

    なりゆきでワゴンに乗る。
    この話しがファンタジーなのか夢なのかこの辺りじゃよくわからん。
    結局はファンタジーなのかな?
    で、
    ワゴンに乗ると過去へ遡れるのです。

    永田一雄は、
    父親の永田忠雄と出会う。
    つか、
    同い年の永田忠雄と出会ってチュウさんと呼び合う仲になって過去を旅する。

    永田一雄は息子の家庭内暴力に悩み、
    嫁には浮気をされた挙句に離婚をせまられ、
    会社をクビになって無職なんです。
    つか、
    お父さんの永田忠雄は入院中で、
    お見舞いに行ってはおこずかいをもらってる永田一雄は確かに死にたいと思うでしょうな。
    なにしろ、
    父親の永田忠雄とは縁を切ってるくらいの険悪な関係でずっと会ってなかったんだもん。

    過去に戻って、
    息子の悩みを知ったり嫁の気持ちを知ったりするけど現実はなかなか良くならない。

    最後に生きることを選んで永田一雄は現実の世界で懸命に頑張って物語りは、
    明るい兆しを感じたところで閉じる。

    とにかく、
    永田一雄と言う人間に焦点をあてて物語りは進むと言うより掘り下げていく。
    事実を真実を知って衝撃を受けつつ受け入れ、
    前に進むとするんですがね。。。

    現実は簡単には変わらないよ。

    永田一雄ことカズと親父の永田忠雄ことチュウさんのやり取りが痛々しいね。
    でも、
    ケンカしてるの。
    ケンカしてるだけ仲が良いと思うね。
    うちみたく、
    お互いが無関心の親子の方が問題だと思う。
    つまり、
    普通とか険悪な親子関係者が読むと感動するんだろうけど、
    うちみたく、
    「無」の親子関係だとピンとこない。

    愛の反対は無関心、無よ。
    うちは無。

    ケンカするだけ仲が良いのよ!

著者プロフィール

重松 清(しげまつ きよし)。1963年、岡山県生まれの小説家。早稲田大学教育学部卒業。
出版社勤務を経て、フリーライターとして独立。ドラマ・映画のノベライズなどを手がけたのち、1991年『ビフォア・ラン』で小説家デビュー。
1999年『エイジ』で山本周五郎賞、2000年『ビタミンF』で直木賞、2002年『流星ワゴン』で「本の雑誌年間ベスト1」、2010年『十字架』で吉川英治文学賞、2014年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。
山本周五郎賞、講談社ノンフィクション賞選考委員を務める。2017年、早稲田大学文化構想学部客員教授に就任。
『とんび』、『青い鳥』、『流星ワゴン』をはじめ、多くの代表作がドラマ化、映画化されている。

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