四両二分の女 物書同心居眠り紋蔵 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 89
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750042

作品紹介・あらすじ

隠売女(かくしばいじょ)(売春)の罪で36人が検挙された。彼女らに前代未聞の刑“吉原送り”が敢行されようとしている。しかも、奉行所は彼女らを入札(いれふだ)で吉原者に値をつけさせて、その金を御金蔵に納めるという。世間の非難を浴びるであろう刑に反対する紋蔵は一計を案じるが……。表題作「四両二分の女」ほか全8編収録。「物書同心居眠り紋蔵シリーズ」第6弾。(講談社文庫)

感想・レビュー・書評

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  • 今回も数々の難題が紋蔵のところに。

    いくつもの事件を解決に導く紋蔵にいよいよ定廻りの任命が?

  • 目次
    ・男運
    ・制外の役
    ・四両二分の女
    ・銀一枚
    ・猫ばば男の報復
    ・腐儒者大東桃昏
    ・湯島天神一の富
    ・名誉回復の恩賞

    自分の器量に値段がつけられたら、そしてそれがダントツにお安かったら、ショックだよねえ。
    紋蔵がしたかったのは、お上が女性を吉原に売って、そのお金を国庫に入れる(御金蔵に納める)ことの是非を、庶民の口を通して突きつけること。
    けれど庶民はそんなことどうでもよかった。
    高値で買われた女の顔や、安値の女の顔を興味本位で見に行っては騒ぎ立てるだけ。
    紋蔵のしたことは、思いがけずに苦い結果を生んでしまった。

    「腐儒者大東桃昏」は面白かった。
    融通の利かない儒者が、儒者としての自分の生き方を通し切った結果、人生180度変わるという…。

    逆に「湯島天神一の富」の勝馬龍水という男、融通無下に善悪を行きつ戻りつ、捉えどころがないくせに器の大きさが痛快。
    今後も出てくると愉快だと思う。

    ついに出世が約束された紋蔵だけど、この先もシリーズとしては物書き同心になっているので、また空手形なのでは?と思いつつ、次を楽しみに待つ。

  • なんだか普通の捕り物帳になってしまいましたね。
    佐藤さん、物堅いですし、公証はしっかりしてるし、それはそれで凄いのですけど。
    このシリーズの魅力は、居眠りという奇病ゆえに人から軽んじられる主人公・紋蔵が、普通は丸めている肩を、ここぞという場面で凛々しく立ち回る姿に有ったのですが。。。
    なんだか紋蔵が格好良すぎるのです。上司からも頼られて。
    そうなると、単なる捕り物帳なんですよね。。。。
    この物語の最後で、紋蔵は念願の定周り同心になってしまいます。
    う〜〜ん、どうしようかな。

  • じんわり、しみじみ面白い。

  • 物書同心居眠り紋蔵 第六弾

  • 初版本

  • シリーズ6作目

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著者プロフィール

佐藤 雅美(さとう・まさよし)
1941年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。デビュー作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。1994年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞する。著作に『御奉行の頭の火照り 物書同心居眠り紋蔵』『頼みある仲の酒宴かな 縮尻鏡三郎』『関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛』『知の巨人 荻生徂徠伝』などがある。2019年7月逝去。

「2021年 『恵比寿屋喜兵衛手控え 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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