ぼくらのサイテーの夏 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 651
レビュー : 90
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750158

作品紹介・あらすじ

いま注目の著者 珠玉のデビュー作
第30回日本児童文学者協会新人賞 第26回児童文芸新人賞 ダブル受賞作

小学6年生の少年たちの、ひと夏の物語
みずみずしく甘酸っぱく、そして誰もが思い出す あの頃の苦々しさ

1学期の終業式の日、ぼくは謎の同級生、栗田に「階段落ち」の勝負で負けた。ケガをしたうえ、夏休みのプール掃除の罰まで下された。よりによって、あの栗田とふたりきりで……。サイテーの夏がはじまった。友情、家族、社会などを少年の目線で描いた、児童文学界注目の著者、珠玉のデビュー作を文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 小学生桃井のひと夏の物語。懐かしさと甘酸っぱい読後感がある。炎天下の昼下がりにゆらめくアスファルトの陽炎を思い出した。小学生にも、かつての小学生にもオススメ。

  • 夏休みに罰としてさせられたプール掃除。二人の少年のお話です。笹生作品の主人公は必ずといっていいほど、複雑な家庭環境の子どもが多い。だけど、自分なりに立って前進していく姿が読んでいるこちらにも元気を与えてくれる。ああ、人間ってそういう部分も持っているよなぁと思わせられて安心する。爽やかで良い。

  • 小学校生活最後の夏休み。サイテーの夏休みになりながらも、ぼくらは一歩成長する。小学校を終えて中学生に進む、多感でまだまだどうしようもない、小学生男子たちが、ちょっと大人のメンタリティーに触れる物語。セミの暑苦しい音とともに、そんな時代の夏休みを思い出させてくれる一冊です。

  • 2012.9.26

  • 展開の早さが良くも悪くも特徴的!
    児童文学らしい瑞々しさに心が浄化されました

  • #ギプス蒸れプールサイドのぬるぬるを磨くぼくらの夏が始まる

  • 「ぼくらのサイテーの夏」は「成長」をテーマにした桃井という男の子の物語です。階段落ちという危ないゲームをしたためプール掃除を栗田と一緒にやらさられるサイテーな夏が始まりました。しかし、この夏の間、栗田の家族の悩みと桃井の悩みがこの二りが友達になる理由となりました。家族と友情を大切にすることを学ぶ二人が成長する話です。
    この本は桃井の目線で書かれたストーリーです。私はこの本を読んで友情と家族の大切さを感じました。この本を読んだ時、成長をするには大切な友達、守ってくれる家族が必要だと分かったからです。私は栗田と桃井はとても立派な登場人物だと思いました。なぜなら、二人はまだ幼い子供達なのに、色々な心配や悩みを抱えて頑張ろうとしているからです。この登場人物から、頑張ることを学びました。この理由から私はこの本をおすすめします。
    (彩雅)

  • 爽やかさと子供特有の苦さを味わえる一冊。
    夏にぴったりです。
    それぞれみんな何かを抱えていて、それを飲み込み、消化して前を向いていける。
    短いので、1時間くらいで読めます。

  • 小学6年生のぼく(桃井)らは、1学期の終業式の日、「階段落ち」ゲームで他クラスと対決。ぼくが負傷したせいで、危険なゲームが先生にバレ、こっぴどく叱られる。罰として夏休み中のプール掃除をさせられることに。仲良しの同級生はなんだかんだと言い訳を並べて逃げ出してしまい、結局一緒にプール掃除をしてもいいと挙手したのは、他クラスの栗田。先生の「モモクリ3年と言うし」などというアホな冗談にげんなりしながら、ぼくは仕方なくプール掃除にかよいはじめるのだが……。

    同級生が噂好きの母親から仕入れてきた話によれば、栗田の家庭はホーカイ中。ホーカイの意味もわからないのに、掃除から逃げた奴らは言いたい放題。それをちょっと冷めた目で見つつ、でもなんとなく栗田に話しかけられずにいるぼく。そんなぼくも、実はいつホーカイしてもおかしくない家庭にいます。エリートコースまっしぐらだったはずの兄がひきこもり、たまに暴れる。母親は落ち着きをなくしておろおろ、父親は単身赴任中。誰かにぼやきたくとも噂の的にはなりたくありません。

    ぼくが栗田のことを信用できるかもと思ったそもそものきっかけは、栗田が時間を守るやつだとわかったから。のちに栗田が笑って語る、父親からの教え。「世間に信用されたかったら、まず約束を守ること、人の時間を盗まないこと。 時間は目に見えないけど、でも、ぜったい盗んじゃダメだって」。

    栗田の妹は心の病にかかっていますが、ぼくの兄が彼女の絵の才能を見いだします。ぼくが兄を遊園地へ連れ出して過ごす時間にも胸がキュンキュン。

    終始一人称でぼくの心情を可笑しくも細やかに描く、サイコーの夏の物語です。

  • 学校の中で、ふざけたゲームを注意され、夏休み中のプール掃除をすることになった主人公。相手は、相手チームを勝利に導いた意味でも、すんなりと掃除の罰を受け入れた性格の面でも、主人公が「コイツ、好きじゃない」という感情を露わにする隣のクラスの栗田。
    しかし徐々にその栗田の、学校では見えない面が見えて来て、主人公との関係性にも変化が。

    児童文学的な、一夏の青春の中での物語。結構淡々と進む中で、子供たちを取り巻くヘヴィーな環境が見えてくる。小学校高学年くらいで、ほんの少し大人になりたいときに読むのにいいかもしれない一冊。

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著者プロフィール

東京都生まれ。慶應義塾大学文学部人間科学専攻卒業。1995年『ジャンボジェットの飛ぶ街で』が講談社児童文学新人賞佳作となる。1996年『ぼくらのサイテーの夏』でデビュー。同作品で第30回日本児童文学者協会新人賞、第26回児童文芸新人賞を受賞。2003年『楽園のつくりかた』で第50回産経児童出版文化賞を受賞。その他の著作に『世界がぼくを笑っても』『バラ色の怪物』などがある。

「2015年 『楽園のつくりかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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