ぼくらのサイテーの夏 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 821
感想 : 101
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750158

作品紹介・あらすじ

いま注目の著者 珠玉のデビュー作
第30回日本児童文学者協会新人賞 第26回児童文芸新人賞 ダブル受賞作

小学6年生の少年たちの、ひと夏の物語
みずみずしく甘酸っぱく、そして誰もが思い出す あの頃の苦々しさ

1学期の終業式の日、ぼくは謎の同級生、栗田に「階段落ち」の勝負で負けた。ケガをしたうえ、夏休みのプール掃除の罰まで下された。よりによって、あの栗田とふたりきりで……。サイテーの夏がはじまった。友情、家族、社会などを少年の目線で描いた、児童文学界注目の著者、珠玉のデビュー作を文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • #ギプス蒸れプールサイドのぬるぬるを磨くぼくらの夏が始まる

  • 小学生桃井のひと夏の物語。懐かしさと甘酸っぱい読後感がある。炎天下の昼下がりにゆらめくアスファルトの陽炎を思い出した。小学生にも、かつての小学生にもオススメ。

  • 夏休みに罰としてさせられたプール掃除。二人の少年のお話です。笹生作品の主人公は必ずといっていいほど、複雑な家庭環境の子どもが多い。だけど、自分なりに立って前進していく姿が読んでいるこちらにも元気を与えてくれる。ああ、人間ってそういう部分も持っているよなぁと思わせられて安心する。爽やかで良い。

  • 小学校6年の少年がひと夏の経験を通して成長する。
    冷めたように見える同級生は実は両親の不和や障害のある妹を抱えている。友人は家庭の経済状況が悪いことを隠して能天気に振る舞っている。家庭を顧みないように見えていた父もちゃんと家族のことを心配していた。秀才から引きこもりに転落し手がつけられなくなっていた兄も、内面ではおそらく立ち直りのきっかけを待ち望んでいた。
    短い話だが、登場人物の多様な側面や心理がよく描かれている。
    小学生でも読める本だが、中学生ぐらいになって改めて読んで、世の中は単純ではなく、目に直接見えていることが全てではないということを理解するのによいのではないかな。

  • 読みやすくて、すいすい読むことが出来ました。
    自分も小学生の頃、階段からジャンプしたなーと、小さい頃を思い出しながら楽しみました。
    苦手だと決めつけていたクラスメイトと話す中で、だんだん打ち解ける姿が思い浮かびました。

  • 小学生って多分ここまで自分の感情をうまく言葉にできるわけじゃないと思うのだけれど、でも子供たちの心の中の、なんだかごちゃごちゃした思いを代弁すると、きっとこんなふうなんだろうなー。

    何も考えてないようで実はとても敏感に周りの変化を察知してて、大人たちの都合に振り回さながらもたくましく成長してるんだな。って思ったりして。

    サイテーの夏だけど、サイコーの夏だよね。きっと。

  • 桃の兄と栗の妹が、心を通わせている姿が貴くて、もしかしたら?この二人を救うための
    桃の骨折?
    人と人の繋がりが、どこかで、だれかを救っている?


  • 子供ってある出来事をきっかけにしてググググッッと成長するんだなぁ。僕はほとんど忘れてしまったけれど、この本の主人公のように、きっと僕にもあったはず。

  • 終業式に階段落ちの勝負で負けて、桃井の小6の夏休みは、大怪我とプール掃除の罰と共にスタートする。
    サイテーの夏のはじまりだったが、一緒にプール掃除をすることになった栗田と徐々に打ちとけるようになり、周りに対する考えやものの見方が変化していく。
    夏休みの経験が、少年を別人のように成長させる。
    少年時代の夏休みは密度が濃い特別な時間。もう戻ってこないからこそそれはとても尊い。

  • 危険な遊び階段ごっこの罰で、大人っぽい同級生の栗田と、夏休みのプール掃除をさせられることになった桃田
    単身赴任の父と、塞ぎ込む母、不登校のひきこもりになった兄を持つ桃田は、
    家出した母親と、病気の妹を持つ栗田と次第に仲良くなっていく
    栗田と妹、桃田と兄、ハムスターのお世話の交流を通して、成長する
    栗田の家が火事になったことで、栗田の両親は仲直りし、
    桃田の兄も中学に復学、母も元気になった



    書いたの小学生か、中学生か?ってくらい、目に映るものが小学校の時のそれや、大きくなったときの感じ方だった

    ぼくさ、自分が弟で、兄弟のうちの[下の子]だから、ぼくより小さい子どもを見ても、なんか小さい生きものがふにゃふにゃくねくね必死になって動いてる、とか感じるだけだ。
    がくすっとした

    小さくなった机や遊具、ひさしぶりにみたくなった

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著者プロフィール

東京都生まれ。慶應義塾大学文学部人間科学専攻卒業。1995年『ジャンボジェットの飛ぶ街で』が講談社児童文学新人賞佳作となる。1996年『ぼくらのサイテーの夏』でデビュー。同作品で第30回日本児童文学者協会新人賞、第26回児童文芸新人賞を受賞。2003年『楽園のつくりかた』で第50回産経児童出版文化賞を受賞。その他の著作に『世界がぼくを笑っても』『バラ色の怪物』などがある。

「2015年 『楽園のつくりかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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