よもつひらさか往還 (講談社文庫)

著者 :
制作 : 千葉 望 
  • 講談社
3.53
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本棚登録 : 151
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750196

作品紹介・あらすじ

バーテンダーの九鬼さんが作る不思議なカクテルを口にすると、慧君はいつも時空を超えた妖しい空間に迷い込む。そこには鬼女や雪女、あるいは髑髏の美女も姿をあらわし、慧君は体の細胞が溶けていくようなエクスタシーを味わうことに…。この世とあの世の往来を愉しむ極上のファンタジー連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の慧君が、正体不明のバーテンダー、九鬼さんの作る妖しいカクテルを飲んで、夢とも現ともつかない世界で不思議な体験をしてくるというお話。

    不思議な体験は、すべてエロティックな体験なのだが、生々しさはなく、ほぼ必ず設定されている別れや、セックスの最中に慧君が感じたことがどこか冷たく覚めていて、なぜか頭の中で「…祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり…」とか「色即是空 空即是色」とか、仏教的フレーズが流れるのだった。

    死んでも生き返っている九鬼さんや、髑髏の小野小町が出てくるのも、倉橋由美子ワールド健在という感じ。

  • <div class="booklog-all" style="margin-bottom:10px;"><div class="booklog-img" style="float:left; margin-right:15px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062750198%3ftag=ieiriblog-22%26link_code=xm2%26camp=2025" target="_blank"><img src="http://images.amazon.com/images/P/4062750198.09._SCMZZZZZZZ_.jpg" class="booklog-imgsrc" style="border:0px; width:100px"></a><br></div><div class="booklog-data" style="float:left; width:300px;"><div class="booklog-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062750198%3ftag=ieiriblog-22%26link_code=xm2%26camp=2025" target="_blank">よもつひらさか往還</a></div><div class="booklog-pub">倉橋 由美子 / 講談社</div><div class="booklog-info" style="margin-top:10px;">Amazonランキング:196399位<br>Amazonおすすめ度:<img src="http://booklog.jp/img/4.gif"><br><div class="booklog-review" style="margin-top:6px; padding-left:3px;"><img src="http://booklog.jp/img/4.gif" align="absmiddle">あいかわらずの不思議な世界<br></div></div><div class="booklog-link" style="margin-top:10px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062750198%3ftag=ieiriblog-22%26link_code=xm2%26camp=2025" target="_blank">Amazonで詳細を見る</a><br><a href="http://booklog.jp/asin/4062750198/via=PINKDIAMOND" target="_blank">Booklogでレビューを見る</a> by <a href="http://booklog.jp" target="_blank">Booklog</a><br></div></div><br style="clear:left"></div>
    もうこのかたの新作が読めないのはほんとに寂しいですね。
    このお話のように、ひょっこり戻ってきたりしそうな気もしますが。
    あまり毒もないので、ほんわかと読めました。

  • ***未処理***

  • 「よもつひらさか」は「黄泉比良坂」と書き、「現世と黄泉の境目にある坂」のことであり、「往還」とは「とおりみち、街道」のこと。
     つまり「よもつひらさか往還」とは、この世とあの世の境にある坂を通る街道、という意味になるのだろう。
     倉橋由美子を読むのは初めてであり、本書が彼女の作風を代表しているのかはわからないのだが、とても面白く読むことが出来た。
     エロティックでグロテスクで残酷で、かつ優しさや可愛らしさも兼ね備えた世界を、淡い影でオブラートのように包み込んだような幻想譚、といったところだろうか。
     和歌、漢詩、能からギリシャ神話といったテイストも紛れており、古風で幽玄な世界が広がっている。
     日常にいつの間にか不思議で奇怪な世界が紛れ込む、といった塩梅ではなく、「現世と黄泉の境目」を案内してくれる「九鬼さん」というバーテンダーがおり、彼が作るカクテルが黄泉への、あるいは黄泉から現世へ戻るための小道具として機能する。
     読む人によっては、グロテスクなテイストが少し強いかなと思われるし、簡単に女性と交わってしまう主人公(慧君)に反感を抱く人もいるかもしれないが、僕は一気に読み進めることが出来た。
     ちなみに、本書は連作短篇の1話~15話を収録してあるが、「完本 酔郷譚」には全22話が収録されているとのこと。
     アマゾンのレビューによれば装丁や紙質、解説に対して厳しい批判が寄せられているが、物語の内容には支障がないようなので、いずれ購入してみようと思っている。

  • 2017年、37冊目は主に隙間読書用にしていた、倉橋由美子の掌編集、全15編(今回は各タイトルは割愛させていただきます)。

    古い煉瓦造りのクラブ。そこのバーには、一風変わったバーテンダー、九鬼さんがいた。慧(けい)君は祖父、入江さんからこのクラブを譲渡されることとなった。

    九鬼さん、そして彼が作るオリジナルカクテルを介して、慧君が体験した15のエピソード。どれもが、そこはかとなくエロチックであり、ホラー的でもあり、ダークファンタジー的要素もある。そして、それらは、古今東西、ギリシャ神話、漢詩、和歌、絵画にカクテル等々の様々な知識に裏打ちされ、長くとも20p程の掌編に独特の世界観を築いている。

    自分のような浅薄な見識の、残酷童話もの、怪奇掌編好きには、ハマりきれなかったかな。再読は(する機会があればだが)隙間読書でなく、通しで読んでみたい。まぁ、それまでに、多少の知識のストックを作っておくべきかもしれないが……。

  • 倉橋由美子は大人だねえ~
    難しいよ

  • 単行本の時の表紙がよかったなぁ。
    http://booklog.jp/item/1/4062110873
    たむらしげるさんだったとは。水晶山脈大好き。

    そのうち欲しいと思ってた「完本 酔郷譚」はこれと酔郷譚の合本の文庫化だったのね。
    酔郷譚単体の文庫で出してくれたら良かったのに。

  • 全部で15篇からなる連作掌編集。タイトルからは、古代神話のおどろおどろしく暗い世界を想像していたが、実際は「黄昏でも夜明けでもない明るさを保った」世界といったところか。全編に漢詩、中国古典、和歌(主に新古今あたりのもの)、謡曲、時にはギリシャ神話が散りばめられている。風合いは、中国神仙譚の持つ飄飄とした感じが最も近いだろうか。また、そうした衒学趣味とともに、文体も物語構築の方法も澁澤龍彦を想わせる。篇中、あえて1篇を選ぶなら、「臨湖亭綺譚」か。なお、表紙のイラストは文庫版よりも単行本の方が好ましい。

  • 桂子さんシリーズの一冊。
    桂子さんの愛人の孫、彗君が主人公の連作短編集。
    怪しげなバーテンダー九鬼さんが異形の世界へ彗くんを案内する。
    エロティックだけど、生々しくなく、それこそ酔いが回って夢の世界(十分エロティックか・・・)という感じ。
    深夜でドラマにならないかな~笑

  • 怪しいバーテンダーの創ったカクテルを飲むと異世界にトリップしちゃうというファンタジーのような話の連作短編集。個人的には、1作1作の完成度は高いけど、上品な会席料理を小出しにされてる感じというか、お腹いっぱいにならなかった印象。「髑髏小町」は九相図を逆行してくとこも含めとても好きでした。

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