QED 式の密室 (講談社文庫)

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  • 講談社 (2005年3月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784062750264

作品紹介・あらすじ

式神(しきがみ)による殺人?歴史の闇に挑む崇(タタル)

「陰陽師の末裔」弓削(ゆげ)家の当主、清隆が密室で変死体となって発見された。事件は自殺として処理されたが、30年を経て、孫の弓削和哉は「目に見えない式神による殺人」説を主張する。彼の相談を受けた桑原崇(くわばらたかし)は事件を解決に導くと同時に「安倍晴明伝説」の真相と式神の意外な正体を解き明かす。 好調第5弾!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

この作品は、古代の陰陽師や式神をテーマにしながら、現代の殺人事件と絡めたミステリーが展開されます。物語は、安倍晴明や古来の信仰にまつわる新たな解釈を通じて、歴史の闇や人々の悲しい過去を浮き彫りにします...

感想・レビュー・書評

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  • 今回は、三十年前の殺人事件の被害者の孫が、その密室の謎を大学生時代の桑原崇に解いてもらったという、過去の事件の話。
    しかも飲み会での話題。

    弓削家という陰陽師の家系であることから、被害者の孫である和也は、犯人は式神を使って祖父を殺したのだと主張する。
    「そんなものあるはずはない」という大方の人たちと意を異にするのがタタルで、「見えないだけで存在している」と言う。
    それはいったいどういう意味か?

    平安貴族からすると、官位五位未満は人ではないのだ。
    とはいえ、実際には貴族の世話をしたりする庶民もいる。
    そして、さらにその下には、賤民がいた。

    朝廷にまつろわぬ民の末裔。
    それは人ではなく、鬼や蝦夷やキツネや河童のように別のものとして扱われ、身分も住処も与えられることはなかった。
    流れ者として芸を売ったり身を売ったり。
    そういう一族が、華やかな都に確かにいたのだ。

    人ではないのだから、当然目には見えない。
    そんなことがあるのだろうか。
    目に見えないといっても、現にそこに彼らは存在しているのに。
    しかし、例えばいつも通る道に不意に現れた更地を見て、ここには依然何が建っていたのだろうと思うことがしばしばある。
    絶対に目にしているはずなのに、思い出せない。
    私にはそこが見えていなかったのだ、きっと。

    今回はちゃんとした密室殺人だなあと思って読んでいたのに、やっぱりちゃんとした密室ではなかった。
    人の心が作った階級が、同じ人間たちを見えない存在にしてしまう。
    今も、学校や地域で村八分という、見えない扱いを許す行為は残されている。
    それは愚かな行為であると、皆が自覚しなければなくならないのだろう。

  • 安倍晴明と式神を中心に取り扱っているけど、解釈が面白かったし、決して摩訶不思議でない当時の日の目を見なかった存在に対する思いを垣間見れて、むしろ世間一般で流布している陰陽師系の話より、より興味を強く持てた。

    今まで晴明神社に敢えて行こうと思わなかったけど、この話を読んで俄然行ってみたいと思った。

  • 古代史の謎が、現代の殺人事件と融合する物語。
    旧家の殺人事件の謎もどこか不気味で、面白かった。安倍晴明、陰陽師、古来からの鬼や狐信仰の印象も少し変わったかも。“人になれなかった”人達の悲しい歴史がそこにはあったのかもしれないなと思うと切ない

  • 今回のテーマは安倍晴明と式神。
    かつて朝廷がまつろわぬ人々を利権のために迫害し、彼等に鬼や獣の蔑称を付けて自らの行動を正当化していたという説は知っていたし、海外にも数多く見られることから恐らく本当だったのだろうとおもう。だけど、陰陽師が使役していたという式神が目に見えない理由が人間以下の存在だったからという説は目から鱗でした。
    ただ、地名に関する解釈はやや深読みしすぎな気がします。

  • これはわかりましたよ。魍魎の匣だ。

  • 「陰陽師の末裔」弓削家の当主、清隆が密室で変死体となって発見された。事件は自殺として処理されたが、三十年を経て、孫の弓削和哉は「目に見えない式神による殺人」説を主張する。彼の相談を受けた桑原崇は事件を解決に導くと同時に「安倍晴明伝説」の真相と式神の意外な正体を解き明かす。好調第5弾。

  • 陰陽師に関する解説が異常に冗長だと感じる節はあったが、伏線とも相まって割と楽しめた。

  • 事件そのものより、式とはどういうものか、っていう説の方が興味深く読めた。
    人間たるものを人ではなく式にしてしまうなんてね。

  • 『人々がその喧伝を信じるか信じないかなどということは、二の次だ。次元の違う話なんだよ。つまりここで彼ら ー 朝廷の貴族たちが言いたかったのは『鬼と接触した者は、鬼と同様であると見做す』ということなんだ。』

    古代日本社会に蔓延る差別の歴史を明らかにし、鬼ごっこの起源まで説明してくれるなんてさすがだな。推理が遠回りすぎて誰もついてきてくれないところが最高に面白い。

  • ちょっと薄目の本だったので少々物足りないかな。でも、夢枕獏の陰陽師を読んだばっかりだったので解説知識がかなり面白かった。
    特に式神の正体は、解釈でこんな風になるのかと。まあ、冷静に考えればそうか。

  • 式を陰陽師が使役する実情や山に住む鬼や狐の本当の意味などがわかって、昔は差別が当たり前で人のほうが少ないとか今ではとても考えられないですね。私たちはひとではなくて鬼の子ってことになりますね。今でも人なのは天皇?とかになるのかな。あ、でも天皇は神の子かな。蘊蓄は相変わらず一度読んだだけだと把握しきれません。

  • QEDシリーズ5作目

    ちょっといろいろ考えさせられた(笑)

    歴史をもう一度勉強しなおしたくなる(笑)

  • 大学時代、学部も違う彼らがどこで知り合ったのか。
    それは一冊の本がきっかけだった。

    一冊の本を犠牲にして知り合った彼ら。
    染まってしまった本には茫然としてしまうものがありますが
    知り合って間もない人だからこそ、の濃い話?
    話を聞いただけで、ここまでですから
    今回は安楽椅子探偵状態。

    確かに嘘はないし、全て真実ではある。
    がしかし…それは確実に現実見てないって事では?!
    それを言ったら、今回の下敷きになっている陰陽師。
    確かに『式』がそれだったら、話は通じます。
    今と違って、下々の者は人というくくりにすらなかったと言われると
    全てがきれいに繋がります。
    鷹揚にして、上の人達は下の人達に支えてもらっているとは
    気が付いてませんから…。

    事件よりも何よりも、その説明の方が気になりました。

  • 1巻目から順番に読んでいくつもりだったのに、なぜか巻が飛んでいるのは、妻が買ってきたからでした。随分薄いな、と、感想を述べたら「一番薄いのを選んだの」という答えが返ってきたので、ずっこけるしかありませんでした。

    さて、安倍晴明です。まあ、そういうことです。前巻では「かごめかごめ」をやってたようですが、ここでは「通りゃんせ」で話を始め、安倍晴明にまつわる伝説について、要は、なにも元となる事実がないままに伝説だけが無から出来上がる訳はないので、その元となる事実というものについて推理、という話を展開。途中、ライバルとされる蘆屋道満、安倍晴明出生伝説、そして式とは何者なのか、という話から、話は「通りゃんせ」にもう一度繋がってきます。相変わらず、殺人事件いらなくね?まあ、ちょっとだけ、殺人事件方面にも、ある種の感傷は抱かせる要素がありますが。

    しかし、作中、桑原性なので、菅公の一族ですか?なんて問わせて否定してるけど、クワバラがタタったら、そりゃ天神様でしょうが。


    そういう、前巻までに何があったかを下敷きにシリーズが続いていく場合、やっぱり、途中を飛ばして読むのは楽しみを一つ奪うことだろうと思うわけです。

  • 本の厚さが薄くなって不安だったが、予想に反して内容は濃かったと思う。式神の正体の解釈と雑草の例えには説得力があった。
    謎解きの主役は歴史に名を残した偉人たちから歴史の闇に葬られたその他大勢の民たちへ。
    歴史をより身近に感じる。

  • 式神や鬼の解釈になるほどと思った

  • 今回は毎度お決まりの薬局で働く奈々の描写はない。いきなりいつものバーで三人そろった所から始まる。
    …いつもこうならいいのに。正直薬局のグダグダはいらない。今回みたいにバーでの会合から始まるってのを毎回のパターンにしてほしい。

  • 式の説明に納得。

  • 「百人一首」「六歌仙」「日光東照宮」「シャーロックホームズ」そしてついに「陰陽師」。
    これならわたしも知ってるよ~
    夢枕獏さんの本を読みまくってるから、晴明が葉っぱで蛙を殺しちゃった話とか、晴明の家には人がいなくても自然と火が燈ったり戸が開いたりするって逸話も知ってたし。
    でもその真相を知ってびっくり!!
    そういうことだったのか。
    確かに、全ての謎は解けた。
    でもそんな真実、悲しいなぁ。

  • 歴史物ミステリの中でも面白い着眼点のシリーズかなと思います。
    祟の蘊蓄は長いと思いながらものめり込んで読んでしまいますが、これは特にそうでした。

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著者プロフィール




「2023年 『江ノ島奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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