- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062750264
作品紹介・あらすじ
式神(しきがみ)による殺人?歴史の闇に挑む崇(タタル)
「陰陽師の末裔」弓削(ゆげ)家の当主、清隆が密室で変死体となって発見された。事件は自殺として処理されたが、30年を経て、孫の弓削和哉は「目に見えない式神による殺人」説を主張する。彼の相談を受けた桑原崇(くわばらたかし)は事件を解決に導くと同時に「安倍晴明伝説」の真相と式神の意外な正体を解き明かす。 好調第5弾!
感想・レビュー・書評
-
古代史の謎が、現代の殺人事件と融合する物語。
旧家の殺人事件の謎もどこか不気味で、面白かった。安倍晴明、陰陽師、古来からの鬼や狐信仰の印象も少し変わったかも。“人になれなかった”人達の悲しい歴史がそこにはあったのかもしれないなと思うと切ない詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今回のテーマは安倍晴明と式神。
かつて朝廷がまつろわぬ人々を利権のために迫害し、彼等に鬼や獣の蔑称を付けて自らの行動を正当化していたという説は知っていたし、海外にも数多く見られることから恐らく本当だったのだろうとおもう。だけど、陰陽師が使役していたという式神が目に見えない理由が人間以下の存在だったからという説は目から鱗でした。
ただ、地名に関する解釈はやや深読みしすぎな気がします。 -
これはわかりましたよ。魍魎の匣だ。
-
「陰陽師の末裔」弓削家の当主、清隆が密室で変死体となって発見された。事件は自殺として処理されたが、三十年を経て、孫の弓削和哉は「目に見えない式神による殺人」説を主張する。彼の相談を受けた桑原崇は事件を解決に導くと同時に「安倍晴明伝説」の真相と式神の意外な正体を解き明かす。好調第5弾。
-
陰陽師に関する解説が異常に冗長だと感じる節はあったが、伏線とも相まって割と楽しめた。
-
事件そのものより、式とはどういうものか、っていう説の方が興味深く読めた。
人間たるものを人ではなく式にしてしまうなんてね。 -
『人々がその喧伝を信じるか信じないかなどということは、二の次だ。次元の違う話なんだよ。つまりここで彼ら ー 朝廷の貴族たちが言いたかったのは『鬼と接触した者は、鬼と同様であると見做す』ということなんだ。』
古代日本社会に蔓延る差別の歴史を明らかにし、鬼ごっこの起源まで説明してくれるなんてさすがだな。推理が遠回りすぎて誰もついてきてくれないところが最高に面白い。 -
ちょっと薄目の本だったので少々物足りないかな。でも、夢枕獏の陰陽師を読んだばっかりだったので解説知識がかなり面白かった。
特に式神の正体は、解釈でこんな風になるのかと。まあ、冷静に考えればそうか。 -
QEDシリーズ5作目
ちょっといろいろ考えさせられた(笑)
歴史をもう一度勉強しなおしたくなる(笑)