商社審査部25時 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750271

感想・レビュー・書評

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  • おもろかった、昔こうやって働いてたのかって感じ

  • 異動に際して買って読んでみた。兎に角、今の僕には難しい!!!
    こんな賢くなれるかしらん。。でも出来たらカッケェな、と思いながら頁を繰ったのだ。

    職能だからずっとデスクにいる、ではあかんね。バリバリ動いて人と話していくのが大事。営業と本質は変わらないのさ、というのが現時点でのヒヨコの僕の浅い感想だ。

    自分の貸倒回収の記憶が思い出された。懐かしい。

  • スピード感があり面白い

  • 当社OBの本で、上司に勧められて読了。入社1年目にこの本を読もうとしたものの、当時は先取特権や先取特権の物上代位等の専門用語に、基本的な商売の流れも分からず、物語の全体像が掴めずに途中でギブアップ。自分の成長を少しだけ実感した機会。
    本書は商社の審査課の人間に焦点を当てている。営業の焦付債権の回収、倒産会社(会社更生法適用)の再建等に大活躍をする。審査が営業と同等以上の情報収集力を有していたり、商社の永遠に続くとも思える様な社内意思決定プロセス無くして一担当者が大きな決断をしてしまう等、商社にいるからこそのもどかしさや、或いは著者の考える理想が描かれているのかなと勝手に考えたりした。
    著者は50歳で物産の審査室長を辞して小説家としての道を歩んだとのこと。辞めるまでは超多忙だったと思うが、二足の草鞋を履いて自分の好きなことに一生懸命に時間を捻出してこられたのだと思う。
    今年読んできた本は固めの専門書系に偏っていたが、小説も読みたいと思った。

  • 三井物産の審査部門に所属していた高任和夫氏が、商事法務研究会から1985年に出版した小説(その後、徳間文庫(1990年)、講談社文庫(2005年))。
    与信と審査と倒産・再生の本質がつかめる。
    なお、法令に関しては現在とは異なる点がある。

  • 内容は少し専門的で難しい。が、ハラハラドキドキで楽しめる内容。

  • 緊急情報が畿内商事の審査部第三課長、千草のもとに入った。呉の造船会社が危ないー。同時に、福岡の取引先企業の社長が急逝し、事態は風雲急を告げる。千草の眠れない日々がはじまった。日の当たらない部署にいるサラリーマンたちの熱き闘いをリアルに描いた、商社マン時代に執筆した渾身のデビュー作。(親本は1985年刊、1990年徳間文庫、2005年講談社文庫)
    ・第一章 緊急情報
    ・第二章 審査課長、西へ
    ・第三章 広島の三人
    ・第四章 裁判長の謀略
    ・第五章 役員室の密議
    ・第六章 対決
    ・第七章 十文字丸
    ・第八章 瀬戸の海
    ・第九章 補足
    ・第十章 暁の船主
    ・第十一章 転回
    ・第十二章 苦悩する審査部長
    ・第十三章 座礁
    ・第十四章 戦備
    ・第十五章 攻勢
    ・第十六章 終結。そして・・・・

    本書は、昭和59年頃が舞台の模様である。商社の審査部が、いかに会社の損失を減らすかに奔走する様が描かれている。著者の多くの作品がバブル以降の後始末をどうするのかというものであるのに対し、本書は、可能性と希望に満ちた内容となっており、何度でも読み返したくなる面白い経済小説である。

  • 審査のイメージを掴むにはいい本。

  •  倒産会社が会社更生法による再建を目指す場合、最長20年で30%の負債を返済すればよいのだとか。債権者がそれに納得して、会社側も返済計画書を裁判所に提出し裁判官に受理されると、会社は冷徹にリストラなどを推し進めることになる。で、終わってしまっては小説にはならない。そこで商社審査部の千草が大活躍、企業戦士は戦場で戦うのである。

  • 商社本の中では間違いなくナンバーワンの出来である。
    著者は三井物産の審査部畑を歩んだ高任和夫さん。彼の経験は作中に出てくる千草審査課長に該当する。

    「根回し」が商社業に与える絶大な効果。
    「朝型人間」達が産出する努力の成果と成功。
    「複数の手段」を用意し、万全の体制を整えて臨む裁判所との駆引き。

    これらの要素に加えて、法律学の専門用語を自在に操る畿内商事審査部の面々、公認会計士並の知識を持った中岡審査課長補佐等々。

    巷にあふれている商社本の99%は営業に根ざしたもの、若しくは単なる業界研究本。しかし、バックオフィスから見る商社像の方が更にリアルでインテリさを増していて読み応えあり。

    ただし、出版年が若干古く、国内の市場を舞台に描いている為、すべてを描き切れているわけではない。特に、2012年現在、総合商社の海外投資業務の裏側などは全く違う内容であろう。(特に企業価値算定基準などの裏側やグローバルメジャーカンパニーとのやり取りを見てみたい。)
    現役で総合商社の審査部門、若しくは経理・財務部門に所属する人達に更にグローバルな視点で描かれたストーリーを描いてほしい。

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