空を駆けるジェーン (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (84ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750325

作品紹介・あらすじ

村上春樹訳“空飛び猫”シリーズ

翼を持った6匹の猫たちは、納屋の前の庭でのんびり平和に暮らしていました。ところが、ジェーンは同じことのくりかえしでしかない毎日に物足りなさを感じていました。彼女はある日、冒険に出かけます。いくつもの農場の上を飛び、たどり着いた都会で彼女を待っていたものは。『空飛び猫』シリーズ第4弾。

感想・レビュー・書評

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  • 142冊目『空を駆けるジェーン』(アーシュラ・K・ル=グウィン 著、村上春樹 訳、S.D.シンドラー 絵、2005年3月、講談社)
    「空飛び猫」シリーズの第4巻。うっかり3巻を飛ばして読んでしまったが、ストーリーが大切な絵本ではないので特に問題はなかったように思う。
    1人の少女が都会で自立するようになるまでを寓話的に描いた物語。このオチでは自立というテーマを表すには不十分ではないかとも思うのだが、児童向け絵本であることを考えればこれで十分なのかも知れない。

    〈みい、みい、みい、みい、みい、みい、みいい〉

  • タイトルがちょっと格好いいシリーズ第四弾。
    ジェーンは過去のトラウマを克服し喋れるようになった。と同時に今の暮らしに退屈を覚える。翼をもて余しているこの生活を捨て、自由を謳歌するようにジェーンは飛び立つ。そう!その翼は祝福なのだから。このお話は祝福の翼を与えられた子猫たちの人生もとい猫生と成長の物語。彼らの旅はこれにて一旦おしまい。ジェーンとアレキサンダーは結ばれるのかな~なんて思ったけどどうなんだろうか。彼らに幸あれ。
    村上春樹さんの訳注とあとがきも面白かった。最後のおばあさんはル=グゥインさんなのかな。

  • 「空飛び猫」シリーズの4作目です。
    トラウマを克服し、活発な性格を取りもどたジェーンが、田舎での「退屈な」生活に飽き、冒険に出ます。

    解説にもありましたが、これまで都市生活への批判と田園生活への礼賛が根底に描かれていたことと異なり、都市のエネルギーに惹かれるジェーンを通して、都市生活の「良さ」も感じることができます。
    ただ、ジェーンを見世物にしてお金を儲けようとしたり、彼女の気持ちを考えずに振る舞う人間たちの姿への嫌悪を強く感じる作品でもあります。

    物語そのものはシリーズの他作品と同じようにあたたかく、綺麗な世界観のなかで展開されていて、素晴らしい童話だと思います。

  • シリーズ4作目!
    今回はジェーンの都会への冒険。
    好奇心旺盛で若いジェーンは、都会での色んな経験から人生を学んでいくんだね!

    続編、もしくは大人向けの長い小説出して欲しいなぁ。

  • シリーズものと知らずに読了。挿絵も素敵なル・グウィンの児童文学。空飛ねこジェーンに仮託された人種と女性と自立の物語。村上春樹さんのあとがきで示されなければ、私には人種までは汲めなかった。優しく厳しい語りかけが意外でちょっと驚きました。きちんとシリーズ通して読みたいな。

  • ●内容紹介
    村上春樹訳“空飛び猫”シリーズ
    翼を持った6匹の猫たちは、納屋の前の庭でのんびり平和に暮らしていました。ところが、ジェーンは同じことのくりかえしでしかない毎日に物足りなさを感じていました。彼女はある日、冒険に出かけます。いくつもの農場の上を飛び、たどり着いた都会で彼女を待っていたものは。『空飛び猫』シリーズ第4弾。

    ●内容(「BOOK」データベースより)
    翼を持った6匹の猫たちは、納屋の前の庭でのんびり平和に暮らしていました。ところが、ジェーンは同じことのくりかえしでしかない毎日に物足りなさを感じていました。彼女はある日、冒険に出かけます。いくつもの農場の上を飛び、たどり着いた都会で彼女を待っていたものは。『空飛び猫』シリーズ第4弾。

  • 黒猫の妹ジェーンが主人公。好奇心旺盛な彼女は、退屈な牧場を抜け出し、都会へと飛び立つ。そこで出会う人間たち。その強欲な文明社会経に批判も織り交ぜつつ、ジェーンの一大冒険譚が繰り広げられる(おおげさ)。4冊セットで子供にどうぞ。

  • シリーズものは長ければ長いほど感情移入してしまい、
    続きが読めるというだけで、ついワクワクと楽しい心持ちになってしまうのですけれど、
    とりわけ訳注・あとがきが面白く、興味深かったこのシリーズには、
    本当に楽しませてもらいました。

    「jane on her own」を「空を駆けるジェーン」と訳すセンス。
    そもそも「空飛び猫」って。「空飛び」って。今更ですけれど。
    続編できるといいのにな。期待しています。

  • 空飛び猫シリーう第4作目。ジェーンが都会に出て、大冒険をする。

  • 第四作『空駆けるジェーン』では、アレキサンダーのおかげですっかりおしゃべりができるようになったジェーンが自由を求め、たった一人で都会へ飛び立っていく。空を飛べる猫「ミス・ミステリー」としてお茶の間の人気者になるが、おじさんはジェーンを部屋から出さないように窓を閉めきっており、そこでの生活は籠の中の鳥のように自由がない。
    隙を見つけてなんとか逃げ出し、ビルの屋上でおばあさんと一緒に幸せに暮らしているお母さんと再会する。

    都会で味わった恐怖をすっかり忘れてしまったのか、自我に目覚めたジェーンの颯爽とした姿がまぶしい。

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著者プロフィール

アーシュラ・クローバー・ル=グウィン(Ursula K. Le Guin)
1929年10月21日-2018年1月22日
ル・グィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。
代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。
(2018年5月10日最終更新)

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