捩れ屋敷の利鈍 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750332

作品紹介・あらすじ

エンジェル・マヌーヴァと呼ばれる宝剣が眠る"メビウスの帯"構造の巨大なオブジェの捩れ屋敷。密室状態の建物内部で死体が発見され、宝剣も消えた。そして発見される第二の死体。屋敷に招待されていた保呂草潤平と西之園萌絵が、事件の真相に至る。S&MシリーズとVシリーズがリンクする密室ミステリィ。

感想・レビュー・書評

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  • 薄い本なのに読み応えと充実感がスゴイ。

    保呂草と萌絵が絡む特殊なシチュエーション。二人の会話は難しい。そしてなんとなく相性が悪い感を感じ取ってしまうのは穿ち過ぎ?やっぱり萌絵&犀川・保呂草&紅子のほうがしっくりくる。

    本の内容に直結することではないけれど「題」の字面がとても好き。

  • Vシリーズに萌絵ちゃんが登場!
    保呂草さんと萌絵ちゃんの対決…殺人事件以上に興味深い。
    萌絵ちゃんの会話のテンポでポンポン進むのであっという間に読んじゃった。

    ちょっと残念だったのは、犀川先生がほとんど出なかったことかな。
    今回探偵役は萌絵ちゃんで紅子さんが活躍することがなかったけど、最後に何らかの関わりがあることを仄めかして終わった。
    なんだろう、気になる…
    シリーズはあと2冊だけど、謎は解明されるのかな?

  • うわー!
    前作で「何だかあの2人が懐かしい」なんて感想に書いてたらまさかの再会出来ちゃったよ!
    ちょっとびっくりしちゃったよ!

    という訳でVシリーズもとっくに折り返しに入っている訳ですが、今回の話は本編というよりはスピンオフ感が満載の一冊でしたね。
    現場に出くわしたのは保呂草さんと西之園萌絵!
    まさかこの2人が出会う話を読むことが出来るとは!
    私が常々思っていたことをこの2人がお互いに対して思ってくれたことに私は大満足ですよ、ねぇ!似てるよやっぱ!
    そして紫子と練無がいないとこんなにも現場が静かになるのか……と思われた作品にもなりました、あの2人どんだけ喋るのよ。

    それにしても久々に見た西之園萌絵、相変わらず事件が起きるとフルスロットルになったりちゃんと定時連絡を欠かさなかったりで変わってなくて安心しました。
    あの頃よりいくらか未来の話……になるのでしょうか、国枝先生も少し柔らかくなった?って感じがしたし。
    しかし萌絵、やっぱり肝心のところで詰めが甘い……今回は保呂草さんの勝ちでしたね。
    紙一重な感じはあったけれど。

    個人的にはもう少しメインストーリーの結末をハッキリしてくれるともっと嬉しかったのだけれど……まぁ保呂草さん途中で帰っちゃったわけだし、そこは仕方ないのかな、と。
    それにしても紅子さん何を伝えたのでしょう。
    やっぱり元々お嬢様だったわけだし、瀬在丸家と西之園家何らかの繋がりがあったのかなぁ。

    そして今更すぎる今更なんだけど、このタイトル「利鈍」と「Riddle」がかかってるんだね……鈍いなぁ私……

  • Vシリーズに西野園と犀川が登場です。見たこともない構造の捩れ屋敷ですが、森博嗣氏の文章は恐ろしいもので、しっかりと脳内に屋敷が思い浮かびます。また西野園といえば密室。これも安心の方程式どおりです。

  •  S&Mシリーズの西之園萌絵とVシリーズの保呂草潤平の共演。舞台はメビウスの帯をそのまま象った通称「捩れ屋敷」。
     理系ミステリで知られる森博嗣らしい舞台設定とファンの心を擽る夢の競演とでも言うべき演出が憎い。

     犀川と紅子が同時に登場するとなると、所謂ノックスの十戒とやらに抵触すると思うのだが、どうするのだろう。読む前にはそう言う疑問を抱いたが、直ぐに氷解した。しかし今度は逆に探偵役が不在でミステリとして成り立つのか、別の疑問が立ち起こった。

     この小説のテーマはなんと言っても「捩れ」であろう。舞台装置たるメビウスの帯様の「捩れ屋敷」は言うまでも無く、二つの別々のシリーズの登場人物の邂逅と言う趣向そのものが一種の「捩れ」として機能している。作中のトリックも「内」と「外」の「捩れ」を表現している辺り妙趣である。

     だが未だ何かあるという、殆ど確信に近い予感が今自分にはある。最も大いなる「捩れ」は明かされずに終わったのではないか?それこそが最後の紅子と保呂草の秘されたやり取りの内容なのではないかと思う。

  • 今までこのシリーズは、結構分厚い本でしたが、今回は薄さにびっくりしてしまった。

    保呂草VS西之園萌絵という感じで、進んでいきます。
    メビウスのリンクというのか、それを巨大な建造物にして、中に入ってねじれ具合を確認出来る?というのか?
    その建物を作るという発想がすごいと思ってしまった。

  • Vシリーズ第8弾。今回はいつものメンバーが保呂草だけ。S&Mシリーズから萌絵と犀川が登場したりする。巨大な捩れ屋敷で起きた密室殺人は興味深いし、美術品の消失も面白い。でもVシリーズとS&Mシリーズの繋がりが見え始めたところがなにより良い。保呂草に感じる違和感や萌絵と保呂草の会話やラストの場面。この作品を経ての次作が楽しみ。それにしても練無や紫子が出てこないとこんなに静かなんだな。

  • おぉ・・・
    私はいつも登場人物欄を先に読むのだが、これにはびっくり。
    あれ?このシリーズって・・・そっちじゃないよなぁ?って。

    メビウスの輪の建物とエンジェル・マヌーヴァの話。
    久しぶりの萌絵ちゃんに、口角が上がってしまった(*^-^*)
    ファンへのサービス的な一冊だったのかなぁ?

  • 一方向からしか進めないメビウスの帯、捩れ屋敷。そこで起こる殺人事件と盗まれたエンジェルマヌーバ。もう一つの殺人。密室トリックと殺人犯強盗犯を追う西之園萌絵… 今回の見どころは保呂草・西之園の絡みですね。G・Xシリーズも早く読みたくなりました。

  • 表紙を眺めて、これがメビウスの帯かあ、と。

    エンジェルマヌーヴァが登場します。
    それはメビウスの帯を再現している建物に、
    展示(設置)されていました。

    そこで起こる密室殺人事件。
    消えたエンジェルマヌーヴァ。

    西之園萌絵が登場します。

    これは一気読みでした。
    前回の超音波研究所が重たかった分、
    こちらは登場人物も少なく、
    萌絵が元気に国枝先生とやり取りしてくれるおかげで、
    とても楽しく読めました。

    それにしても保呂草さんがどんどん、
    皆にバレていく…苦笑
    だけど、悪人じゃないから憎めない。
    良い人でもなんだろうけれど。苦笑

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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