珍妃の井戸 (講談社文庫)

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  • 講談社
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本棚登録 : 2401
レビュー : 300
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750417

作品紹介・あらすじ

列強諸国に蹂躙され荒廃した清朝最末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。皇帝の寵愛を一身に受けた美しい妃は、何故、誰に殺されたのか?犯人探しに乗り出した日英独露の高官が知った、あまりにも切ない真相とは-。『蒼穹の昴』に続く感動の中国宮廷ロマン。

感想・レビュー・書評

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  • 「蒼穹の昴」に続いて読了。
    続編というより番外編。
    話自体はこれ単体でも読めなくはないけど、読むなら昴の後のほうが楽しめるかと。

    インタヴュー形式・語る人がころころ変わる、ので読みにくいかと思ったけれど、ミステリ仕立てのせいか気付けばグングン読み進めてた。

    ミステリの部分は、犯人と被害者は列強諸国と清に置き換えられ、当初の犯人探しとは違う様相を呈す。光緒帝の糾弾がやるせない。
    そして最終的には愛の話に収束する。珍妃の言葉がやっぱりやるせない。

  • ミセスチャンは反則だとおもいますっ!

  • 『蒼穹の昴』続編。
    光緒帝の寵妃“珍妃”殺害の犯人を追及するミステリー仕立て。

    当時現場に居合わせた人間達の証言を一つ一つ聴いていくものの、彼らの話す“真実”はどれもちぐはぐで、何かしら証言者自身の主観のこもった嘘が混ざっている。
    果たして、珍妃を殺したのは誰なのか。
    登場人物それぞれが見た“物語”を通して、「義和団事件」前後の中国の痛ましい姿をより深く抉り出している。

    全ての証言で“共通している事実”だけが、真実だった――
    すなわち、「豊潤な国を食い荒らす諸外国の非道な所業」と、「光緒帝夫婦の揺るぎない愛」である。

  • け、結局犯人は!?
    自分の読解力が問題なのだろうか(笑)

    友達に中原の虹を買ってきてもらったはいいが、
    蒼穹の昴のあとに、この作品があることに気づき、日本で購入。

    でも、結局犯人なんてどうでもいいことなのかもしれないな。
    最後の天子の叫びがそのまま、中華の悲鳴なのだったのだろう。

    満州人は満州人らしく、生きたいという珍妃の姿勢がなかなかよかった。

    さぁ、引き続き、中原の虹を読みましょうね。

  • 歴史の転換期にあったほんの小さな事件を取り上げている。ほとんどの場合「権力者に殺された妃」としか紹介されない事件が、実は様々な背景・力関係・物語に左右された複雑な問題を抱えているのではないか、という提起。ミステリー調になっていて結論も読者に委ねられている。ので一回読んだだけではまだ納得がいかない。

  • 光緒帝の愛妃、珍妃が紫禁城内で何者かによって殺された。一体誰が、何の目的で…。
    ミステリタッチで、ちょっと蒼穹の昴のイメージとは違ったかな。

  • やられました。ラスト、衝撃です。

    清朝最末期、紫禁城の奥深くで皇帝の寵妃・珍妃が井戸に落ちて亡くなります。何故、誰に殺されたのか。
    日英独露の高官たちが犯人探しに乗り出しますが、二転三転する証言。はたして真相は??

    「蒼穹の昴」の続編ということですが、読んでいなくても十分成り立ちます。でも、読んでいたほうが登場人物についてよくわかってより面白いと思います。
    犯人探しについての日英独露のそれぞれの思惑と駆け引き、証言者たちのそれぞれの立場からの証言。
    読み進むうちにこんがらがって、何が正しいのかわからなくなってきますが、ラストで頭の中真っ白になりました。
    真相はとても切ないです。

    犯人探し、寿安公主がからんでいるということは西太后も全てを承知しているということですかね。
    つくづく頭のよい女性たちだと思いました。全て手のひらの上という印象を受けました。

    なんにせよ春児にはまだ昴が見えているとわかってうれしかったです。
    まゆさん、どうもありがとうございました!

  • 井戸に投げ捨てられた珍姫の謎をめぐって、7人のインタビューを通して真相に近づくという、「藪の中」を思い出させる作品。発想としては面白いが、調査をする多国籍の4人のやり取りなどが茶番劇に見え、前作の「蒼穹の昴」と比べると出来上がりが物足りなく感じた。

  • 義和団事件の最中、皇帝の寵愛を受けていた珍妃は紫禁城の中にある井戸に落とされ殺された。

    殺害したのは誰か?

    解明するために事件に関与していたと疑われる怪しい人から話を聞くが、それぞれの人の証言内容が矛盾する。

    犯人は誰なのか?
    蒼穹の昴シリーズだけど、蒼穹の昴とはまったく異なるストーリー展開が面白い。

  • 悲しい皇帝の妻、珍紀の死を描いたもの。それぞれの立場にある人物たちがぞれぞれの思惑を込めた珍紀の最後を、調査に当たった洋人達に話していく。
    最後は、変政に失敗し、外界とのつながりを遮断され、気が狂ったとされる光緒帝との面談となるが、そこで、洋人達は自らのしたことへの懺悔と、悲しきストーリーの結末を迎える。
    浅田次郎さすがと思う、奥深く、悲しきかつ純粋な皇帝と珍紀の恋物語。ストーリーに引き込まれました。素晴らしい作品です。

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著者プロフィール

浅田 次郎(あさだ じろう)
1951年、東京都出身。
1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木三十五賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で吉川英治文学賞を、2010年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、2016年『帰郷』で第43回大佛次郎賞それぞれ受賞。2015年には紫綬褒章も授与されている。
2018年現在、日本ペンクラブ会長、直木賞、柴田錬三郎賞、山本周五郎賞の選考委員を務める。2018年12月15日、『輪違屋糸里』が藤野涼子、溝端淳平、松井玲奈らの出演で映画化。

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