分冊文庫版 姑獲鳥の夏 上 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1472
レビュー : 145
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750455

作品紹介・あらすじ

「二十箇月もの間子供を身篭っていることができると思うかい?」。昭和二十七年の夏、三文文士の関口巽は東京は雑司ケ谷にある久遠寺医院の娘にまつわる奇怪な噂を耳にする。しかも、密室から煙のように消えたというその夫・牧朗は関口の旧制高校時代の一年先輩だった。ポケットに入る分冊版、刊行開始。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。

    またいつか読むだろうなぁと思っていたが、やっぱり購入してしまった。
    前回は一冊分厚い文庫本のシリーズを読んだが、重たいので今回は前後半2冊ものを購入。

    既に京極堂シリーズはほとんど読み終わっているため、人物の特徴を把握できていた。
    物語に集中できた。

    京極堂と関口の会話と、榎木津のはちゃめちゃ振りが大好きだが、この頃の榎木津はまだそれほどでもないみたい(笑)

    久々の再読でストーリーも曖昧な為、初めてのように楽しめる(*^^*)

    本当に凄く重厚な文章でお得感が凄い(*^^*)

  • クーラーがなくても、涼しすぎる夏。
    いかがですか?

  • 飼ってるネコチャンが化けなくてつまらんって文句言う京極堂めっちゃかわいい。

    【読んだ目的・理由】『魍魎の匣』を読んで興味を持ったから
    【入手経路】買った
    【詳細評価】☆4.0
    【一番好きな表現】
    西陽が強く射し込んでいる縁側にはこの家に居付いている猫が一匹、ぐうぐう寝ていた。
    「あれは最近寝てばかりいる。君はたぶんあの猫を和猫だと思っているだろうが、これが実は違う。中国の金華山で捕れた大陸産だ。昔から金華の猫は化けると聞いていたから無理に手に入れたのにああして寝てばかりいるので甚だつまらん」
    (本文から引用)

  • 読了

  • 京極さん初読みです。おどろおどろしいイメージがあり、なかなか手が出せなかったのですが、日の長い夏ならば読めるかもしれないと挑戦してみました。もう秋ですけど(苦笑)。
    序章が長かったですが面白かったです。
    京極堂の名前を知るまで数十ページ。漢字も多く読み進めるのに時間がかかってしまいましたが、早く下巻を読んで真実を知りたいと思います。

  • 京極堂の話が長い長い。なかなか事件にならず。雰囲気は十分にある。後編に期待。

  • ハードカバー、角川文庫版と何度も読んでいる作品。話の筋は大体覚えてるはずなのに、読む度に引き込まれる。一番好きなのは関口くんの回想の中での京極堂の台詞。「この男は鬱病だから苛めると失語症を併発する、先輩は躁病なのだし、彼を見習うのがいい」このくだりが大好きです。 朝礼の校長先生より長い京極堂の話をちゃんと聞いて、おまけに反論出来る関口くんは偉い。私なら瞼に目描いて寝てる。

  • 今月の2冊目。今年の2冊目。

    京極氏の作品は初めて読みました。最初の50・60ページはなんだかよくわからないなーと思いましたが、話が進むにつれてどんどん引き込まれて行きました。結論としては面白かったです。

  • 知人に薦められて。

    怖い話かと思ったけど、ホラーではなかった。
    不思議な話。・・こんなこと言ったら京極堂に「この世に不思議なことなど何もないのだよ」って怒られるw

    途中、あれ?意外に早く問題は解決するのかな?と思ったらまだまだでした。

    以下引用
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    「どうだい、何か面白そうな出ものはないかい?」
    「ない」
     京極堂は間髪を容れずに答えた。
    「だからこんなものを読んでいる。だがね君——面白い、面白くないという君の尺度にもよるが、だいたいこの世に面白くない本などはない。どんな本でも面白いのだ。だから読んだことがない本は大抵面白いが、一度読んだ本はそれより少し面白がるのに手間がかかるという、ただそれだけのことだ。そう考えると君にとって面白い本はここに積んである未整理の本に限らず、その辺の書棚にもう何年も前から埃を被ってずっと並んでいる。それを捜すのは容易なことだから、さっさと選んで買いたまえ。少少なら勉強してあげてもいい」

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    「だいたいこの世の中は、あるべくしてあるものしかないし、起こるべくして起こることしか起こらないのだ。自分達の知っている、ほんの僅かな常識だの経験だのの範疇で宇宙の凡てを解ったような勘違いをしているから、一寸常識に外れたことや経験したことがない事件に出会すと、皆口を揃えてヤレ不思議だの、ソレ奇態だのと騒ぐこととなる。だいたい自分達の素姓も成り立ちも考えたことのないような者に、世の中のことなんかが解ってたまるかい」

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    「科学の信奉者というのは、考えることは科学的だが、心と脳の関係でいえばこれは科学を信仰しているようなものだ。科学を宗教の代用にしてるだけで、これは本人の心にとってみれば宗旨を持っているより厄介なのさ。怪異の説明にはこれ程不適切なものはないからね。脳が自信をなくしてしまう」
    「僕の脳も自信をなくしたよ。僕の脳は、一瞬でも僕の心に不信感を持たれてしまったんだからね。君は全く酷い」
    「しかし君もこれで少し見識というヤツが広くなったのだ。感謝し賜え」
    「そうか、じゃあ僕は脳に騙されることがなくなったのかい?」
    「いや、それはないよ。君は生きている間中、永遠に脳に騙され続けるんだ。ただ、偶に疑う余裕が出来ただけさ」

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    「君が体験した以外のことを知ることが出来るのは、この世に言葉があり、記録が残っているお蔭だね。それを情報として摂取している訳だ」

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    「しかして言葉というのはクセ者だ。例えば今いったように共同幻想を生む。しかしこの共同妄想だった厳密にいえば共同であって同一ではない。そこが味噌だ。仮想現実は飽くまで個人のもので、本当の意味での共有はできない」
    「それじゃあ話が違うよ。共同幻想を共有出来ないんなら仮想現実は妄想だといったじゃないか」
    「だから味噌だといってるんだよ。これは宗教にも当て嵌められる。信者が一人もいない宗教人を何と呼ぶか知っているかい? 残念乍ら現在ではこれを狂人と呼ぶ。信者あっての宗教さ。妄想が体系化して共同幻想が生まれて、始めて宗教たり得るのさ。でも、仮令同じ宗門の人間であっても、全く同じ仮想現実体験を得ることなんざ出来ない。しかし宗教というのはここのところが実に巧く出来ている。別別の体験をしているにも拘らずそれが同じだと思い込めるような仕組みになっている。だから、同じ理屈で大勢の人人の心と脳のもめ事を収めることが出来る。救える訳だね。この仕組みに一役買っているのが言葉だ」

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     万人の憧れの的という位置は、裏を返せば孤独な場所だったのかもしれぬ。

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    引用終わり。

  • 感想は下巻に。

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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