新装版 市塵(上) (講談社文庫)

  • 講談社 (2005年5月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784062750752

作品紹介・あらすじ

文字が大きい新装版

貧しい浪人生活から儒者、歴史家としてようやく甲府藩に召し抱えられた新井白石(あらいはくせき)は、綱吉の死後、六代将軍家宣(いえのぶ)となった藩主とともに天下の経営にのり出していく。和漢の学に精通し、幕政改革の理想に燃えたが、守旧派の抵抗は執拗だった。政治家としても抜群の力量を発揮した白石の生涯を描く長編感動作。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

歴史の中での政治改革と個人の信念を描いた物語が展開されます。新井白石は、甲府藩で学問を重んじ、六代将軍・家宣に仕えながら幕政改革に挑む姿が印象的です。彼は理想を追求しつつも、守旧派との激しい対立に直面...

感想・レビュー・書評

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  • 新井白石の物語です。下巻に続きます。

  • 六代将軍・家宣に仕えた、新井白石の物語です。
    甲府藩で学問で召し抱えられていた白石は、五代将軍・綱吉の後継者となった家宣に力を貸して、自分の考えを幕府改革に反映させていきます。それは同時に、反対する敵を作ることにもなりましたが、それでも白石は志を曲げません。
    上巻では、白石の立場が目まぐるしく変遷していきます。
    これまで新井白石については、名前くらいしか覚えていなかったので、興味深く読むことができました。引き続き下巻を読むのが楽しみです。

  • 甲府家臣団の幕臣への再編制あたりのいきさつが面白かった。
    新井白石はよく働くが、それを具現化する間部詮房や(表に出てこないが)実務官僚もよく働くなあ。
    プライベートの話が断続的に入るが、いまいちこなれてない気もする

  • 2021/12/29読了。

  • 江戸中期の新旧政治対立のお話。新井白石ってすごい人だったんだなぁ。

  • 新井白石
    宝永の噴火
    朝鮮聘礼使

  • 2020.9.2(水)¥180(-20%)+税。
    2020.9.4(金)。

  • 六代将軍家宣の侍講として御側御用人・間部詮房とともに幕政を実質的に主導していく新井白石。
    白石は、大学頭・林信篤を抑え、家宣の信任を得るようになる。

  • 江戸中期(徳川綱吉とか吉宗の時代)に幕府の中枢で活躍した儒者、新井白石の一代記。

    相当にドラマチックな人生だが、筆致がなんというか起伏なく、とうとうと流れる川を酒の出ない屋形船で下るがごとく、ところどころ見所はあるが大して驚きもない、という小説に仕上がっている。

    短編を読むと作為ばっかが目立ち、長編はかくもツマラン。
    というわけで、オレ的には藤沢周平は今後パス。
    (集中力がないせいかも知れない(^^;))

  • 市塵とは、町に立ち上る土埃や市の雑踏の賑わいを意味する。江戸時代のブレイン新井白石の歴史小説。混迷の綱吉の時代を修正していく物語である。


     斬り合いもないし、派手なところがない。江戸前期の終わりの歴史事項の基礎がないと読むには面白くないだろう。
     でも、だから良い。こういうのが読みたくて新井白石の本を探したのである。

     江戸時代になって戦国時代は終わった。法治国家として安定した社会を作っていく。でもそれは家康がすぐに完成させたものではない。武士から、政治家にかわって、紆余曲折を経て安定していったのである。
     その法治国家としての、派手じゃない、会議室で事件は起こっているんだって感じが、味のある物語にしている。

     戦国時代の馬や足軽たちが荒々しく立てる土埃ではなく、江戸の100万都市の町人がザワザワと立ち上げる砂埃。その雰囲気に包まれた江戸時代の話。
     もはや戦国ではない。そのためのタイトル『市塵』なのだと思った。

  • 間部詮房と共に徳川六代将軍家宣を支えた新井白石の話。

  • 家宣が将軍になるとともに幕府中枢で政治に関与するようになった新井白石。家宣の求めに応じて次々に見解を示していくが、守旧派を敵に回して立場は微妙になっていく。それにしても、儀式、儀礼の多さとそのばかばかしいまでのコストのかけ方には驚き。

  • 江戸中期、正徳の治を行った新井白石の物語。おもに白石の回想録「折たく柴の記」(未読)をもとに書かれている。藤沢周平の筆なので、安心して読むことができる。

    はるかむかし教科書で、正徳の治への評価は否定的であり八代将軍吉宗によって改められた、というように教わったような記憶がある(もしかするとテレビの時代劇の影響か?)。
    しかしこの「市塵」を読む限り、白石は綱吉の生類憐れみの令などをただし、経済政策も積極的に行い、理に基づいた政治を行ったらしい。
    なるほど、正徳の治を肯定的に評価する方が正しいのではないかと思う。どうやら、彼が自分の学問的信念に基づき政治を行い、一定の効果を上げたのは客観的に確かなようだから。

    この本を手に取ったのは、藤沢周平の本を読みたかったのと、くわえて間部詮房と白石について知りたいと思ったから。
    時代は流れて江戸末期。
    安政の大獄の際、大老井伊直弼が赤鬼、老中間部詮勝(間部詮房の子孫)が青鬼と称され討幕派に恐れられていた。
    このときの彦根藩(井伊直弼)の記録に、「鯖江藩(間部詮勝)の儒者が自分を旗本にして欲しいと言って来た、不埒な」というような記述を見つけたのだが、ちょっとこの部分の意味が分からなかった。
    なぜこの時期にたかが儒者が旗本になりたいと?あまりに分をこえた不埒なのでは?
    旗本の位置づけも実感として解らなかったので調べてみたところ、この「市塵」の主人公白石も旗本だったことがわかった。白石は藩士(武士)からスタートしていて、途中で旗本になるわけだが、どうやら旗本はその家禄よりも将軍にお目見えできるという点で白石に必要だったようだ(勝海舟なんかもそういう口だろうと思ったら、すでに江戸末期のこと、勝の曾祖父の代に御家人株を買って勝の父は旗本に養子に行っていたという顛末だった)。
    つまり、鯖江の儒者も間部の殿様とともにタッグを組んで正徳の治のリバイバルみたいなことをやりたかったのではないだろうか、そのためには自分も将軍直参である必要があったと。
    そうだとすると、正徳の治はきっと後世の武士にとっても肯定的に評価されえたのだろう。そうでなければ、いくら何でも儒者ともあろうものがトレースしたいと公に言うことはできないだろう。
    ウィキに「正徳の治と享保の改革には断絶があると考えるのは相当ではない。前者の有用な部分は後者によって承継され、吉宗主導の改革と共に後世に残ったとみるのが至当である。」とあるのも頷ける。
    今回、藤沢の小説によって、白石の主観的認識のみならず時代の空気的なものにも合点がいった。
    藤沢の筆は素晴らしい。

  • 2009.11.5購入

  • 新井白石が主人公の歴史小説。若い頃の白石は才能はあったが、貧しい浪人生活を送っていた。しかし、野心を持っていた白石はやがて甲府藩に召し抱えられて、遂には将軍家宣の下で政治顧問として政治を動かすようになる。

  • 新井白石はおなかが痛くなりすぎる。カタカナがほとんど無い。文字が大きくなって見やすくなった。章ごとにルビをふりなおしてくれるので親切。

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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