マレー鉄道の謎 (講談社文庫)

著者 :
制作 : 鷹城 宏 
  • 講談社
3.51
  • (123)
  • (193)
  • (445)
  • (23)
  • (5)
本棚登録 : 1870
レビュー : 181
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750776

作品紹介・あらすじ

旧友・大龍(タイロン)の招きでマレーの楽園、キャメロン・ハイランドを訪れた火村と有栖川。2人を迎えたのは、舞い飛ぶ蝶ならぬ「殺人の連鎖」だった。ドアや窓に内側から目張りをされた密室での犯行の嫌疑は大龍に。帰国までの数日で、火村は友人を救えるか。第56回日本推理作家協会賞に輝く大傑作! 国名シリーズ第6弾! TVドラマ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」でも話題の傑作シリーズ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 提示された材料がほとんど消化しきれていない、特にマレー鉄道絡みで死んでいった人物などミステリーっぽく展開させるも結局、謎解きさえしないという手抜き。
    密室殺人の謎も、あえて密室でなければならない必然性といったものを感じられず、ジャッキでトレーラーハウス内のものを移動させるのにどのくらいの角度をつければいいんだという手間暇を考えれば、危険すぎる。
    しかも、3つめの殺人動機がジャッキとジャック(ジョン)の聞き違いというオチでは・・
    事件解決後の「終章」もあってもなくてもいい内容。

    唯一良かったのは、表紙の絵でした。

  • 国名シリーズ第六弾。

    旧友の待つ楽園で火村とアリスの二人を出迎えてくれたのはウェルカムドリンク、フルーツならぬウェルカム殺人事件。

    密室トレーラーから始まる連続殺人事件、やがて旧友にも嫌疑が。
    迫る帰国時間、どうこの謎に挑むのか…。観光気分も味わいながらの緩やかな前半からタイムリミット迫る後半はグッと動き出す。
    大掛かりな密室トリックは想像力を駆使してみれば、なるほど…となんだか納得できる。

    この一連の事件の根底で様々な感情がジャングルのように密に絡み合っていたのかと思うと、舞台が楽園なだけにせつなさが増した。

    あの人がジャングルで吼えるのかも気になるところ。

    火村とアリスの何気ない会話がところどころに癒しの風を運ぶ。
    これもこのシリーズの魅力の一つだ。

    • けいたんさん
      こんばんは(^-^)/

      くるたん国名シリーズ読んでいるんだね!
      私学生アリスは好きなんだけど、小説家アリスは思ったほどではなくて…...
      こんばんは(^-^)/

      くるたん国名シリーズ読んでいるんだね!
      私学生アリスは好きなんだけど、小説家アリスは思ったほどではなくて…
      いつも短編だからかな?長編だったら読み応えありかなぁ。
      火村も好きなタイプだし不思議なんだよね。
      私この本持っているような気がする(。-∀-)ニヒ♪
      2019/06/10
    • くるたんさん
      けいたん♪
      こんばんは(o^^o)

      うん、基本長編が好きでね、なんとなく積んでいたのをひっぱりだしたの。

      シリーズ順番なんか関係なく読ん...
      けいたん♪
      こんばんは(o^^o)

      うん、基本長編が好きでね、なんとなく積んでいたのをひっぱりだしたの。

      シリーズ順番なんか関係なく読んでるから学生アリスは未読だわぁ。
      しかも有名どころをまだ読んでいないという…(*≧∀≦)ゞ

      これは異国の地へ行った気分を味わえて満足だったよ♡
      2019/06/10
  • 個人的には最後の犯人とのやりとりはあんまり好きじゃないでよねぇー(´・ω・`)
    ロジックは有栖川さんらしく、ちゃんとしてたと思います

  • 何度読んでも、いちばん大きなトリックがいまいちピンとこない…本当にできるのかな、そんなこと。

    印象的なのは、卒業旅行の負けん気の強いアリス。大龍のために憤るアリス。
    それから、火村が犯人を逃がしたこと。

  • A04-05, A10-01

  • 派手さはないが、しっかりした作りのミステリー作品。いつものように日本の警察捜査に協力する話ではなく、二人が大学時代の留学生の友人をマレーシアに訪問した際に殺人事件に巻き込まれる話で、現場警察との衝突があるところがいつもとは違う。
    事件の背景となっている過去の出来事や犯人に関しては、予想しやすいのではないだろうか。
    トレーラーハウスの「目張り密室」という特異な設定を上手く活かした密室トリックは、読者には予測しにくいものではあるが、大技で斬新。ワンフーの遺体がキャビネットの中に入っていた理由にも納得。
    3つの殺人のそれぞれの動機が焦点となるが、津久井殺しの動機が面白い。アランからの電話に関するある錯誤も、海外旅行中の事件という特質が巧く使われていて面白い。

  • こういう密室トリックは、文章読んでもよくわからない。イメージができにくい。読解力の問題と言われるとそれまでだが。
    ラスト展開が急になり、事件は解決するが、それが少し強引かな。正直解決できないかと思ったりして。

  • 初の海外舞台編。
    大学時代に日本に来ていた留学生、衛大龍(ウイ タイロン)と仲良くなった二人が、彼の故郷であるマレーシアに招待されて、行った先で殺人事件に巻き込まれる話。
    キャメロン・ハイランドってジム・トンプソンが失踪したところなのかー。以前親から失踪した話は聞いた記憶がありました。タイのシルクの人。
    地元のちょっと不真面目が青年が、その土地でレストランなどを経営する日本人実業家の敷地にあったトレーラーハウスで殺されるんですけど、その第一発見者となった火村とアリスが乗りかかった船、ということで帰国までのタイムリミットに追われながら、密室の謎に挑むという流れ。タイムリミットがあることや、アリスが英語が火村ほど堪能ではないという設定(のせいで、現地の人や英語での会話は所々伏せられたりする趣向)が結構面白かったなーと。
    大オチの密室トリックは、パズルゲームのようだった。倉庫番を思い出しますよね。。件のトレーラーハウスで火村せんせとアリスが犯人と対峙するんですが、その展開がまた銃が登場するなどして、ハラハラドキドキ感が満載で、かなり熱い対決になってました。最後、犯人は森に逃げていくんですけど、なんとなく「山月記」を彷彿とさせられるような…。人としての理性を失ったとしか思えない、虎が森へ逃げていくというイメージのせいですかね。
    でもこれ実はことの発端は、別の人のちょっとした悪意(意図的ではなかったのかもしれないですけど、それはまあ本人のみぞ知る)から始まるんですよね。まあもっともその悪意を呼び覚まさせたのは、元をただせば犯人の行動なんでしょうけど。
    久々のシリーズ長編ということもあって読み応えもあって面白かったなあ。

    あ、あと外せないのは、最初の方に出てくる、アリスと火村先生の悪についての談義ですね。悪は環境変化に対応するために、神より与えられたバリエーションの一つ、という説が面白いなあ、と。火村せんせはなので、そういう個性を持たせた神様に喧嘩を売っている、というアリスの説もなるほど、となりますね。性悪説にもちょっと通じるのかなとも思ったんですけど、あくまで個性の一つだということでしたが。

    ところで"Ooi"でウイと読む、というのが未だに、何だか腑に落ちないんで、調べようと思って調べてないな。ちなみに"大井"ならOhiでは、とも思うんですけど。Oiって"おい"になりません?どうなのかな。

    大龍が「人から嫌われるのは嫌なんです」といったのに対して、アリスが結構強くアホなことぬかせというくだりがね、ぐさりとささりました。誰にも嫌われないなんてありえない、もしそんな奴がいたら、そいつを好きな奴はゼロや、って怒るんですよね。まあ、大龍に怒ってるわけじゃないんですけど。嫌われたくないのは、それでもやっぱりありますよね、ってなことを思ったんでした。

    解説は読もうと思って読んでない!
    あとがきは取材に行ってからも大幅に時間が空いてしまったという話がメインだったかな。

  • すべての出入り口が内側からテープで目張りされた強固な純正密室。
    マレーシア観光中に二人が出会ったとある因果。

    久々に密室を形成する大掛かりな物理トリックが読めて楽しかった。
    読者の発想がそこに至るまでの見えない道筋も振り返ってみれば丁寧かつ独創的で。
    本格ロマンチック。

    火村英生と作家アリスの国名シリーズ六作目。

  • 作家アリス、国名シリーズ6作目。
    国名シリーズ全てを読んでいるわけではないのですが、短編が多い中、こちらの作品は長編ということで、以前から読みたいと思っていた作品でした。短編も悪くないんですけど、どちらかというと長編小説が好きなので、他の国名シリーズに手がのびないんですよね。あまりにも長いのは、それはそれできついけども。

    舞台はマレーの楽園キャメロン・ハイランド。

    旧友を訪ねる目的で行った旅行先で、現地青年の死体発見者となってしまいます。しかも、現場は内側からテープで目張りされ、完全な密室となっている。

    滞在時間も限られている中、死体も増え、益々事件の解決が困難になっていく状況で、探偵役の火村先生は解決に導けるのか。

    と言ったところが、作品の粗筋です。

    読了してみると、トリックに対する伏線が少ないので、想像力の豊かさが解決につながるような印象でした。「この可能性は否定されていないから、もしかしたらそうかも。でも、それを示唆するものもないな」という感じ。

    個人的に表現として面白かったのが、言葉の違いでした。

    日本語で話す人、マレー語で話す人、英語で話す人。

    旅先ではこれらの方々に話を聞くわけですが、語り手であるアリスは、英語が流暢というわけではないので、所々、聞き取り不能という表現で描かれます。

    こういうところにある種のトリック(というか錯覚?)が使われそうですけど、それは読んでのお楽しみ、ということで。

    有栖川さんの作品らしく、人物や背景も分かりやすく文章も読みやすいのでオススメですが、長編小説ということもあって少し長いので、読み慣れていない人は、他の国名シリーズを読んでみてから試してみるといいかもしれません。2作目、”スウェーデン館の謎”は同じ長編でも本作より短いですよ。

    本作品は、第56回日本推理作家協会賞を受賞したそうです。

    私にはその賞がどれだけ大変なものなのか分からないのですが、きっと読む人が読んでも良い作品、ということなのでしょう。

    ミステリファンならご一読を。

全181件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

有栖川 有栖(ありすがわ ありす)
1959年、大阪市東住吉区生まれの小説家・推理作家。有栖川有栖・創作塾の塾長。
同志社大学法学部法律学科卒業後に書店へ就職。それまでも学生時代から新人賞や雑誌への投稿を繰り返していたが、1989年江戸川乱歩賞に投稿した『月光ゲーム Yの悲劇 '88』が東京創元社編集長の目に止まり、大幅に改稿した上で刊行し、単行本デビューとなった。1994年、書店を退職して作家専業となる。1996年、咲くやこの花賞(文芸その他部門)受賞。1999年から綾辻行人と共作でテレビ番組『安楽椅子探偵』シリーズ原作を担当する。
2003年、第56回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞した『マレー鉄道の謎』、2007年発表作で「本格ミステリ・ベスト10」で第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」で第3位、「黄金の本格ミステリー」に選出と高く評価された『女王国の城』など、多くの作品がミステリ賞で高く評価されている。
2000年11月より2005年6月まで、本格ミステリ作家クラブ初代会長を務める。

マレー鉄道の謎 (講談社文庫)のその他の作品

有栖川有栖の作品

マレー鉄道の謎 (講談社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする