御書物同心日記 虫姫 (講談社文庫)

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  • 講談社
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本棚登録 : 64
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062751155

感想・レビュー・書評

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  • 事件と言うほどの事件が起きているわけではないが、ちょっとオチがあったりなかったりクスリと笑える部分あり…御書物同心という地味だけど大変そうなお役目と、古本屋の事情等興味深く、3作続けて読了。1作目からちょいちょい見合いの話が出てくるが本人にあまりその気がなくて有耶無耶になってた主人公の丈太郎に、やっとちゃんとした恋の予感か!?結局どうなるの?という所で終了。

    続編はもう出ないんだろうか。
    ほのぼのと安心して読めるシリーズなので、是非とももう少し続きが読みたい。

  • 将軍家の蔵書の管理をする書物方同心。お城での出来事、また町の古本屋での話など事件という大きなものではないですが、読んでいてとても面白い小説です。
    この巻で終わり? 新六や湊屋の主人など印象に残る人物も出てきたのになあ。シリーズの最初から見合いをお膳立てされ続けてる丈太郎の今後も気になるところなんですけど。
    続き、出ないですかね?

  • お名前は存じ上げていたけれど、恥ずかしながら出久根さんの作品を読んだのは2007年最後辺り。「おんな飛脚人」(これもシリーズ、オススメ)とこのシリーズ1冊目「御書物同心日記」を古本屋で見つけて読んで、面白い!と2008年頭に一気に買ったのだった。

    将軍家の御文庫に勤める同心、丈太郎が主人公。何より本が大好きで、稀本珍本に目を輝かせる丈太郎は、本好きならきっと共感出来る筈。もともと出久根さんが古本屋をやっておられたからか、本に対しての細やかな愛情が感じられるのだ。この珍しい職業設定が丁寧に書かれているので、書物同心の仕事ぶりを読むだけでも面白い。

    一応事件簿ではあるのだろうけど、天下揺るがす大事件!なんてものは起こらない。どころか真の悪人すら出てこない。なのにとても面白い。このシリーズはゆったりと読むべし。

  • 将軍様の書庫を管理する御書物同心として働く、古本好きの青年が主人公。三巻になってくると、御文庫ネタは少なくなってしまって、古本屋ネタがとても多くなっていました。それはそれでとっても面白くてよかったのですが。
    古本屋好きで、たまに町人姿でなじみの古本屋を手伝っちゃったりもする丈太郎は、堅苦しい人物ではなく、「犯罪」を犯した人がいても見逃してあげたりするゆうずうがきいているところもおいしい。この三巻で終わっちゃうのはとってもさみしいです。もっともっと読みたいな~。うう~。丈太郎に恋のきざしが(笑)現れたとこだけにもったいない!本好きなら楽しめることうけあいな時代小説です。

  • 出久根さんの本は、何故か肌触りの悪さみたいなものを感じることが覆いのですが、これは殆どそんなことが無かったですね。なかなか良い出来です。
    一つには古本屋・小泉屋の娘・おしんの存在が大きくなった所為かも知れません。話全体に少し色気が出てきたのが良かったのかな。
    あまり高い評価はしていませんが、一気に読み終えました。

  • 将軍家の蔵書を管理する小役人・東雲丈太郎の周りで生じる事件簿。ささやかないざこざかな。どこか頼りなげでいて芯のある主人公の設定は梶よう子さん、ほのぼのと心暖まる展開は伊藤桂一さん、江戸情緒をきっちり伝える台詞や情景描写は故杉本章子さん、それぞれの作家と作風が通じる。糶取師の新六は、後々の事件にも絡んでくると確信したけど消えていった。不浄門前の櫓で憑かれたその真相は?黒いものの正体は?知れず。喜助の娘・しんと丈太郎ってあれで終わりなのかぁ。住み込み番頭の新三郎は振られたってことだよね。出久根小説ではこのユルさを楽しまねばならんのよ。

  • 江戸時代、将軍の蔵書を管理する御書物同心の本をめぐる日常。ミステリー風味です。

  • それでも、退屈至極な日々はつづく……。将軍家の蔵書番、御書物同心の「退屈至極な日々」を描いた大好きなシリーズの第3弾。

    前作に続きこの《虫姫》でも、丈太郎は「本の虫」に似つかわしからぬ勇猛な一面を見せる一方(「虫姫」「州崎」)、恋愛については相変わらずの奥手ぶりが微笑ましい(「鷽替」)。

    このシリーズ、けっきょく事件らしい事件はなにひとつ起こらない。事件というよりもそれは、市井のひとびとの日々にポツンとついた「しみ」のような出来事にすぎない。けれども、読み進むにつれて登場人物のひとりひとりがそれぞれ、心の裡になにがしかの《なぞ》を隠したミステリアスな存在に思えてくるのがおもしろい。ひとの心の奥底に秘められた《なぞ》は、あるとき不意に顔をのぞかせることもあるが、むりやり暴き立てたり解き明かしたりしないほうがよい類いのものなんじゃないだろうか?というのも、「安穏さ」とは、その「暗黙の諒解」の上にあってはじめて成立しうるものだと思うからだ。だから、丈太郎を取り巻く世界の節度をもった「安穏さ」が、ときにとても美しく、かけがえのないものに映るのだろう。

  • ときは江戸時代、上様のご書物を預かる御書物方の同心を主人公とした、ちょっとした事件を扱う物語。主人公は本好きで、まさに仕事が性に合っているようである。それでも江戸時代の日々変わらぬ繰り返しの作業は退屈なよう。破損した本を修理して、時期ごとに虫干しして、そして寝ずの番(夜勤)。同僚とのくすりとするやり取りや、ちょっとハメを外すときのスリル感は面白い。また、事件に対して、眼が冴えるような推理はないが、周りの人々のやり取りから、少しずつ核心に近づいていく。人々とのやり取りや気持ちが丁寧に描かれ、その場の会話を見ているような気持ちになる。江戸の人々の気持ちを通い合わせる様子が想起され、江戸に生きたいと思わせる。

  • シリーズ第3弾!
    本職が古本屋の作家が、古本のネタで小説を
    書くってのも・・・
    面白いからいいのですが、作品のエピソード
    の元ネタなんてあるのでしょうか
    小さな日常の小さな事件で、まったりと江戸
    時代の人間が描かれています

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著者プロフィール

出久根達郎(でくね・たつろう)
1944年、茨城県生まれ。作家。古書店主。中学卒業後、上京し古書店に勤め、73年より古書店「芳雅堂」(現在は閉店)を営むかたわら文筆活動を行う。92年『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞、翌年『佃島ふたり書房』で直木賞、2015年『短篇集 半分コ』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。他に『古本綺譚』『作家の値段』『雑誌倶楽部』『春本を愉しむ』『本があって猫がいる』『隅っこの昭和』『幕末明治 異能の日本人』『桜奉行』『漱石センセと私』など多数。

「2018年 『文庫 本と暮らせば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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