鏡の中は日曜日 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1396
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  • Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062751193

作品紹介・あらすじ

梵貝荘(ぼんばいそう)と呼ばれる法螺貝(ほらがい)様の異形の館。マラルメを研究する館の主・瑞門龍司郎(ずいもんりゅうしろう)が主催する「火曜会」の夜、奇妙な殺人事件が発生する。事件は、名探偵の活躍により解決するが、年を経た後、再調査が現代の名探偵・石動戯作に持ち込まれる。時間を超え交錯する謎。まさに完璧な本格ミステリ。続編「樒(しきみ)/榁(むろ)」を同時収録。(講談社文庫)

感想・レビュー・書評

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  • またしても騙された。
    ひっくり返される連続で混乱しそうだけれど、笑ってしまうほど、ことごとく騙された。
    騙されるって楽しいと、つくづく思わされる。

  • 年代が行ったり来たりするので頭がごちゃごちゃになってしまった(それも狙い?)。
    まあまあだったかな。

    続編の樒/むろ(木編に室)の方が面白かった。

  • 【時間を超え交錯する謎 まさに完璧な本格ミステリ】

    梵貝荘(ぼんばいそう)と呼ばれる法螺貝(ほらがい)様の異形の館で起きた殺人事件。事件は、名探偵の活躍により解決するが、年を経た後、再調査が現代の名探偵・石動戯作に持ち込まれる。
    石動戯作シリーズ3作目。
    [鏡の中は日曜日][樒(しきみ)/榁(むろ)]収録


    [鏡の中は日曜日]
    過去の実際に起きた事件、過去の事件を描いた小説の中の事件、現在石動が再調査している事件が出てくるため整理しながら読まないと内容がつかみにくい。
    痴呆症の登場人物の視点や、詩の引用など読みづらい部分があるものの、物語のラストにかけてのどんでん返しは面白く騙された。
    こういう手法もあるんだなと発見できた作品だった。

    [樒(しきみ)/榁(むろ)]
    [鏡の中は日曜日]に出てくる名探偵が活躍する短編。こちらの方が読みやすかった。旅行が好きなひとにもおすすめ。


    こんな人におすすめ
    ・どんでん返しが好きなひと
    ・本格ミステリーが好きなひと
    ・綾辻行人が好きなひと
    ・トラベルミステリーが好きなひと
    ・館ミステリーが好きなひと






  • ハサミ男の時もそうだったけどなんだか複雑すぎてよくわからなかった。名探偵の正体はわかったけど、龍司郎と誠伸と一体どっちがアルツハイマーなの?同時収録の樒と榁は読みやすく遊び心が溢れていて楽しめた。

  • 冒頭に館の図面、登場人物一覧はあるものの、これまた変わった幕開けだな~って思ってたらまさかの出来事!?衝撃を受けつつも読み進めページを行ったり来たりして、真相に辿り着く。こんなに翻弄されるとは。。。でも、悪くない。

    文庫同時収録の短篇「樒/榁」の在り方も面白かった。

  • 久々に本格推理(?)を読みました。
    で、しっかり騙されました。

    本格推理好きな人ならニヤッとできる、パロディ的要素が多めな話。仕掛けがいっぱい。
    殊能将之さんの小説を読むのはこれが初めてなんですけど、サービス精神すごいですね。
    しかもものすごくおもしろい。

    「おまけ」とされた2話がまた、やるなあという感じ。
    本を読んで“楽しい”って感覚も久々でした。

  • 第1章の無垢な雰囲気が愛しくて、切なくてたまらなく好きでした。

  • 2015年10冊目。
    何となく某名作とかぶるなーとか思わないこともなかったけど、これはこれで楽しめた。読んだことがあるようなトリックのはずなのに、結局騙されるんだ、あたしはw

  • 私は石動戯作を殺したことを後悔していない
    という帯がかかっていたもので、終始 気が気ではなかった。
    アルツハイマーを患う主格、石動のバイブルである探偵小説、実際に起こった過去の事件が交錯する複雑なつくりで目がはなせない。
    そして最後の種明かしは、石動が尊敬してやまない探偵の正体。
    夫を愛する妻の気持ちが胸にくる、
    めずらしく人情味あるほのぼのした幕引き。

  • 長編である鏡の中は日曜日と,樒と榁という日本の短編からなる作品。
    鏡の中は日曜日は,名探偵水城優臣という人物を中心に据えた作品。殊能将之の作品で,名探偵役(というより,狂言回し?)となっている石動戯作が,梵貝荘事件と呼ばれる,名探偵水城優臣最後の事件の再調査を依頼されるところから始まる。
    この作品を引っかき回すのは鮎井郁介という人物。鮎井郁介は,水城優臣を崇拝し,水城優臣の活躍した事件を小説にして発表している。石動戯作が水城優臣が解決した事件を再捜査していることを知り,石動戯作が水城優臣の名声を貶めようとしていると考え,石動戯作を騙って水城優臣に会いに行く。そして,水城優臣の夫である水城誠伸に,石動戯作として殺害されてしまう。
    つまり,男性のように書かれている水城優臣が,本当は水城優姫という女性であるとう叙述トリックが,鏡の中の日曜日という作品のメイントリックである。
    殺されたはずの石動戯作が生きていて,水城優臣が女性であるという真相が終盤で明らかになる。この真相は驚愕だし,貼られている伏線も見事。構成次第では,もっと驚愕な真相として書くこともできたと思われるが,さらっと書いている点が憎らしい。
    短編の樒は,名探偵水城優臣が登場する作品。榁は,その16年後の作品。樒を見ると,若い頃の水城と石動に接触があったことが分かる。いずれも,短編として十分楽しめる。
    殊能将之の作品は,叙述トリックの冴え,作風,文体,石動戯作のキャラクターの魅力など,その全てが非常に好みの作風である。★4で。

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著者プロフィール

1964年、福井県生まれ。名古屋大学理学部中退。1999年、『ハサミ男』で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー。著書に『美濃牛』『黒い仏』『鏡の中は日曜日』『キマイラの新しい城』(いずれも講談社文庫)がある。 2013年2月、逝去。

「2022年 『殊能将之 未発表短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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