分冊文庫版 狂骨の夢 上 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 646
レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062751568

作品紹介・あらすじ

「妾は人を殺したことがあるんでございますよ」。湘南の保養地、逗子で遊民・伊佐間は朱美と名のる女と出会う。彼女は幻想小説界の大御所・宇多川崇の妻。しかも奇怪なことにこれまでに何回も夫を手にかけたという。あまりに妖しい告白を聞かされた元精神科医の降旗と牧師・白丘は激しく惑乱して。

感想・レビュー・書評

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  • うわぁ。まだ序盤で何が何だかわからないけれど、これからどうなるんだろうというワクワク感が堪りません。上巻でまだ京極堂が登場しないというのも、次巻以降へ期待を高めさせられますね。関口の不吉な予感があたらなければ良いですが、きっと…。 ドキドキしながら次巻を読みます。

  • 京極堂シリーズの第3弾。
    兵役拒否をして女房とは違う(しかも奥さんの元同僚!)と逃げたおじさんが首なし死体になった事件からのち、村八分にされたり憲兵にさんざんヒドイめにあわされた元奥さんが人を殺して首を斬る悪夢に襲われ続けていて…。

    仏教もダメ、神道もダメ、なんとなくキリスト教はイヤじゃない…なんて、変な精神状態の彼女の前に死んだはずの夫が現れて、彼女は夢うつつのなかで暴力的な元夫を殺し(死んでるはずなんだが…)首を斬り…ってのを「何度も」繰り返すのね。

    同じ頃、逗子の海では、金色の髑髏が浮いていた、白骨の髑髏が浮いていた、少し毛が生えている髑髏が浮いていた、生首が浮いていたと、どんどんフレッシュになっていく髑髏ぷかぷか事件があって、警察屋さんが動き始めていました。

    さてさて。
    今回はどんなお話かな?♪

    でもさ。
    なんとなく、らじは思った。
    この精神状態が不安定な奥さん、実は彼女が自分であると思っている「今の自分」と「実際の自分」は違うんじゃないかな?

    彼女は恋敵(?)だった元同僚女性が夫と逐電した後に彼を殺したのを知っていて、その後に偶然出会った元同僚女性(元夫の生首をずっと持ち歩いていたらしい。)を利根川べりだかで殺しているらしいのね。

    で、そのときに元同僚女性と一緒に川に流されて記憶を失っていた彼女を今の旦那さんが見つけて介抱してくれて、彼女の過去を調べたうえで「彼女の」過去を後付けで教えてあげたらしいんだよ。

    つまり、今の彼女の記憶は「後付け」なわけ。
    だから、たまに彼女が夢で見る「自分とは違う女性の記憶」が本当の自分の記憶で、今の自分が旦那から教えられた過去は別人の過去で、それを自分のものと考えているからおかしくなるんじゃないかなぁ?

    ようは、今の奥さんは、兵役逃れをした男性の奥さんじゃなくて、実は愛人さんのほうだったんじゃないの?

    ……まぁ、とりあえず先を読み進めます。

  • 感想は、下巻にて。

  • 神道における神は良くも悪くも並外れた者。必ずしも優れた資質があるわけではない。(例:祟り神)

    京極堂の神に関する説明に納得。横並び意識の強さから“祀る”という行為が生まれたように思える。

  • やっぱり面白い。
    でも仏教とか少し難しい。そして三巻はさすがに長い…。

  • 分冊文庫版で再読。当初のノベルス版ではカットされていたというフロイトをめぐる議論を挟んであれに触れておくことで、とんでもない真相が明らかになったときに伏線として効いてくるんだねぇ。

  • 感想は下巻にて。

  • 難しいけど、面白すぎる。

    知識としてのボキャブラリーが殖えるし、淀みなく言いくるめられている感がたまらない。
    「言いくるめられている」は表現が悪いけれど、戯言といっても矛盾がなくて合理的な思考。
    自分発想の冗長な利己的主観ストーリーとは異なっていて頷けるところが凄い。

    未知・怪談は基本胡散臭くて煙たがれがち。
    怪異を知らないからと拒絶するのではなく、いったん受け入れて、合理的な解決に導いていくのが小気味良い。
    仮説や文献を引用して理論立てて説明するから、反論の余地を残しつつも納得させられることがしばしば。
    神父と牧師の違い然り、告解の免罪符的な使い方に対する意見然り。

    そして強迫神経症の降旗はどこか自分の性格と似ている気がする。
    結局は自分自身の問題なんだけど、やはり分析してしまう。
    他人は他人と無為に切り離すこともできず、自分自身さえコレジャナイと否定してしまう。
    どうも虚言や嘘を絡め曖昧にされるとイラつく。
    嘘をつく位なら秘していて欲しいものだと思うと、平然と嘘・虚言をつく人には不信感しか募らない。
    そして正そうと追求してしまうが後悔する。
    正論は正しいが人を傷つけるの典型的なパターン。
    問題点を認識しないで逃避するよりはずっとマシだと考えてしまうのも確か。

    そして一番魅かれた内容は京極堂の神葬に対する説教。
    実に興味深い。
    確かに日本人=仏教徒帰依だし、帰依したら地獄もなにもあったもんじゃない。
    生者が荒魂を和魂にする努力をする考えに激しく同感。

    主ストーリーへの肉付けが半端ない量なので、ストーリーから脱線している感が否めなくも無いが非常に先が気になる。
    狂骨の夢か...夢か現か幻か。
    中巻が楽しみだ。

  • 10年ぶりぐらいに再読。読み始めが、海の中に浸かっていくように、気持ち良くも気持ち悪く世界に入っていく感じが、好きやわ。前の時よりもゆっくり楽しんで読めそう。

  • 結構複雑だったので、細切れに読んでたら最後の方よくわからなくなった!どうしよう!

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プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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