時生 (講談社文庫)

著者 :
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レビュー : 1345
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062751667

感想・レビュー・書評

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  • 難病を患い、これまで精一杯病魔と闘ってきた息子(時生)であったが、
    ついに力尽き、彼の意識は途絶えた。

    無情にも『死』は夫婦の下から愛する息子を連れ去ろうとしている。
    うなだれる妻。
    しかし、夫は…

    「実はな…。話しておきたい事があるんだ。」

    ??

    目を充血させながら夫を見上げると、彼はこう言った。

    「俺は昔、時生に会っているんだよ。」

    その瞬間、

    すでに死の淵で彷徨っている時生の意識下へ
    ど~~っとなだれ込んで行く。

    死とセットになった『別れ』を、ぶつんと切ってしまった強引さ。

    死の国とも生の国とも言えぬ、
    どちらとも無い、この何もかもが始まる前の、この未知の国で。

    一体、何が起こるのか?
    時生は、まだ若い父親をどこへ導こうとしているのか?

    無我夢中で読んだ。

    何度も何度も泣いた。

    時を超え、死を越えてしまったら、もう何も残らないものだと思っていたが、
    何も失ってはいない事にも気付いた。

    最期の台詞を聞いてしまったら、

    もう一度読み返さないわけにはいかなくなる。

    読み終える、と言うこともまた、無いのかも知れない物語。

    間違いなく、名作!!

  • 数ある東野作品の中でも好きな作品のトップクラスにくる物語だ。
    拓実には余命いくばくもない息子がいる。
    残された時間はもうわずかだ。
    そんなとき、拓実は妻に二十数年前に出会った少年の話をはじめる。
    若い頃の拓実は投げやりな人生を送っていた。
    そんな拓実の元にトキオは現れた。
    やる気のない拓実をときに叱り、ときに励まし、消えた千鶴の行方をふたりで捜しはじめる。
    どんなストーリーなのか?
    骨組みだけを説明するなら3行で済んでしまいそうな、どこにでもあるような、誰にでも思いつくようなストーリーである。
    でもそこに、東野圭吾という作家の手が加わったとき、ありきたりなストーリーは感動的な切ない物語へと変貌する。
    拓実とトキオ、ふたりの場面が楽しい。
    まさに生きている!!と実感させるトキオの行動力や真剣さが、後々になって切なさを倍増させる。
    読んでいて本当に面白い。
    面白いのに、最後の最後に感動が押し寄せてくる。
    やっぱり東野圭吾はすごい…とあらためて実感させられる物語だと思う。
    多くの人に読んでほしい。
    そして、最後まで大切に物語の世界に浸かりきってほしい。
    きっと何にか得るものが必ずあるはずだから。

  • 涙なくして読めません。大好きな本。
    推理モノで有名な東野圭吾だけど、この本や「秘密」のように人の感情に焦点をあてた作品のほうがはるかにいいと思う。

  • レビューはこちら(^_^)↓
    http://ameblo.jp/ninjin1234/entry-10729058284.html

  • 本を読んでこんなに感動したことはなかった。お薦めの作品だと思います。映画化されたら絶対ヒットすると思うけど。

  • スッキリします。

  • 記念すべき、東野圭吾の作品を読んだ第1作目である。
    なぜか評価も賛否が分かれる部類みたいだが、マイベスト圭吾3に入っている。
    やはり、SFチックな所が気に入っているのと、心温まるストーリーにも感動したからか。
    東野圭吾。出会えて本当に良かった。

  • 東野圭吾で一番好き
    最後の一行が鳥肌もん

  • 17歳の息子が時空を越えて、23歳だった頃の「過去」の父に会いに行く。

    若き日の父は情けない程の甘ちゃんで、若気の至りを見るのは辛い、と未来から来た息子が時に叱咤しながら共に奇妙な旅を続けていく。
    言いたいことを言い合い喧嘩しながらも、親友のようなやり取りを交わす父と息子の関係を羨ましく思った。

    不治の病により、意識を朦朧とさせながら死に近づく息子に対して「生まれてきて良かったと思っているのだろうか。幸せだったのだろうか」と切ない問いかけをする母に対する息子の答えは、もうとっくに「過去」に出ていたんだね。

  • 感動。拓実は他界する前に母へ感謝の気持ちを伝えられて良かったなぁ。生い立ちを恨むのではなく、受け入れて力強く生きていく姿に心打たれた。さすがは東野圭吾。読みやすく、感動しやすい。

著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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