いま、抗暴のときに (講談社文庫)

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本棚登録 : 26
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062751735

感想・レビュー・書評

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  • 3章が面白かった。特に、「セクハラ防止のポスター」を「このあまりに自明なアピールがふくみもつ目標値の限りない低さ」と切り捨て、「学生」を「透明なボーフラ」と言い放ち、だからこそ「いま、抗暴のとき」とする一連の流れは鬼気迫るものがあった。

  • この著者は実にラジカルな方ですね。60歳という歳になりながら、イラク戦争反対デモに参加したりするエネルギーを見ていると、デモに参加しない私たちの怠慢を批判されているような後ろめたさを感じざるを得ませんでした。TV番組が東京の街で100人に聞いたという日本人が認識している危険な人物は①金正日ですが、②はブッシュ、③がやっとサダム・フセインだったという記事には全く笑えました。(本当は笑えない話ですが・・・)著者によるところの忠犬コイズミ政権が2/3を抑えた今、正に抗暴のときであることを覚悟しないといけないのでしょうか。

  • 世界で最も危険な人物というアンケートで70%以上が金正日、2位がなんとブッシュ。フセインよりも上。
    イラクを直撃した米英の侵略と絶対暴力はこれまでうち黙り、逼塞していたほかの国家暴力をも著しく刺激した。
    日本の修養メディアの特派員様は本社の慈愛に満ちた業務命令を受けて、みんなバグダッドから退去した。そしてそのかわりに下請けのプロダクションやフリーランス記者に肩代わりの取材をさせていた。
    国家とはおそらくスターリン主義者の国に限らず、拉致、連行、監禁、謀略の類を隠された本質とする装置なのである。戦前の朝鮮人連行、千五の対応がまさにそれ。
    ラムズフェルドはナチス絶頂期と同じ。
    小泉も同じ。

  • 異論は必要だ

  • イラクで行われたものは、戦争ではなく「集団的魂」が"long-awaited"していた大量殺戮だったのだ…と思い知らされる1冊。
    これまでの辺見庸の作品とは違い、直接的な表現が目立っており、これも彼の怒り・憤りの強さ故であるだろうと思われる。

  • 「私は呪詛のような言葉を胸にくりかえし唱えていた。イラクを爆撃するな。それより、すでに殺した死者の数を正確に数えろ。一人ひとり正確に数えつづけろ」 ……厚く垂れ込めた暗雲の切れ間から巨大な国家暴力の荒れ狂う彼の地を言葉の力で照射する論考集。著者に賛同するも反発するも、自由。だが、辺見庸が問題としている事実を排した「反動」に、現在の戦争を語る資格など一切ない。

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著者プロフィール

1944年宮城県石巻市生まれ。早稲田大学文学部卒。70年、共同通信社入社。北京特派員、ハノイ支局長、編集委員などを経て96年、退社。この間、78年、中国報道で日本新聞協会賞、91年、『自動起床装置』で芥川賞、94年、『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞受賞

「2017年 『沖縄と国家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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