文庫版 百器徒然袋 雨 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3332
レビュー : 296
  • Amazon.co.jp ・本 (754ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062751803

作品紹介・あらすじ

「推理はしないんです。彼は」。知人・大河内の奇妙な言葉にひかれて神保町の薔薇十字探偵社を訪れた「僕」。気がつけば依頼人の自分まで関口、益田、今川、伊佐間同様"名探偵"榎木津礼二郎の"下僕"となっていた…。京極堂をも巻き込んで展開するハチャメチャな妖怪三篇「鳴釜」「瓶長」「山颪」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。

    ずっともう一度読みたかったのに、書名がわからずに悶々としていたのに読んでみたら!

    とくに「瓶長」は結構インパクトが強く印象に残っていた話。大人になってから読むと印象に残る部分も変わっていて新たな発見も多かった。

    榎木津が仕切ると事件がスカッと纏まる。榎木津と京極堂はぶつぶつと愚痴を言いながらも「一味」を巻き込み解決に導く。個性の強い一味だけれど誰もが抗いがたい魅力を持っている。

  • 特殊な能力を持った容姿端麗頭脳明晰な榎木津探偵を主軸に描かれた薔薇十字探偵ワールド。

    とにかくくだけていて読みやすい。

    榎木津はもちろん、下僕ズを含めてそれぞれのキャラが満遍なく描かれ、誰に対してもクスッと笑いしか出ない。

    キャラが際立つスピンオフものは面白いなぁと改めて実感。
    そして「〇〇事件」と出てくるとやっぱり京極堂シリーズを読みたくなる。

    どの事件も榎木津が引っかき回しながらも、終わり良ければすべて良し。

    タイトルの「雨」も「晴」に変わりそうな爽快感と明るさが良かった。

  • 「鳴釜」のみ雑誌掲載時に既読。京極作品のメフィスト掲載に興味を惹かれ(多分これが初めてだったのでは)、他の連載陣の倍を超える文量に「短編でもこれかよ!w」と呆れつつ拝読したのを憶えている。焦がした釜を洗う京極堂、物語早々に歩き回る京極堂、結構な重さらしい本を持ち歩く京極堂と、本編では天下無双の憑き物落としも薔薇十字団を率いる〈神〉の前では些か調子が狂う模様。最後の最後に漸く本名が明かされる〈いつかの何とか云う人=僕〉は関口よりも冷ややかな視点で、それ故ツッコミに容赦が無く各話の喜劇的風味を一層強めている。

  • 久しぶりに再読。
    公式なのに二次創作のような、本編より楽しそうな中禅寺さんが見られます。
    文章自体は淡々としてるのに、(笑)も『!?』も、大げさなツッコミもないのに笑ってしまう。榎木津の破天荒に振り回される下僕たち……なんやかや榎木津と同じ人種の京極堂。巻き込まれる関くん。学生時代の彼らを見ているようで微笑ましい。
    視点が「新たなる関くん」ともいえる主人公だからまたいいのかもしれない。巻き込まれ体質の主人公から見た(けどそこまで深入りはしない程度)破天荒な『榎木津一味』。読者がまるで京極堂の世界に入り込んだように読める。二次創作で言うところの夢小説のよう(笑)いつもは関くん視点だから気づかないけど、第三者から見たら関くんも相当ですよ。
    作者、上手いなぁ。。

    微妙に本シリーズと絡んだ会話もあるので、読んだ後だと「そうそうw」ってまた楽しめるし、読んでなければ読んでないでも主人公の彼の気分(事件を知らない)で読めるのでどちらでも構わないかなと。

    榎木津スキーの私にはなかなか神本な1冊。
    さて次はもう1冊を読むか……邪魅を再読するかー

  • [鳴釜 薔薇十字探偵の憂鬱]
     このシリーズは本編とは違ってコミカルな作りになっている。京極堂がよく笑うし、よく動く。だが特質すべきは、シリアスな本編でも、コミカルな本作でも榎木津は同じだということだ。いつも通り暴れて、なんだが事件は解決している。それは周りのおかげも多いのだが、その下僕たちに一人加わり、その一人に本作の語り部である本島がいる。
     そして、このエピソードでは、その本島が持ってきた事件で、親戚に不貞を働いた男たちを懲らしめたいという話だ。懲らしめるといっても、榎木津と京極堂が組んでことを起こすのでなかなかエグい。最後は榎木津が暴れて終わる。
     それと、犯人の婚約者の女性が気っ風がある人なので、また登場してほしいなと思う。
    [瓶長 薔薇十字探偵の鬱憤]
     榎木津の父が瓶がいるという依頼。そして亀も消えてしまったという。子も子なら親も親ということだ。
     亀はどこだというのはついでで、本題は瓶を探してくれという。そこで下僕たちが瓶を探しに右往左往する。
     瓶屋敷という瓶が大量にある屋敷に有象無象が集まりわちゃわちゃする。いつも通り、都合よく全てが関わっている。
     最後は榎木津が暴れて終わる。
    [山颪 薔薇十字探偵の憤慨]
     鉄鼠の檻の常信和尚が京極堂を訪ねてきて旧友の様子がおかしい、電話で家族に聞くと死んでいると言う。その場所は寺だが、高級料亭となっていて数々の大物が足しげく通う名店のようだ。
     榎木津は、これまた父の関係で動物探しが広まって、財政界の大物から動物を探してくれと依頼が来た。その動物は山颪。
     これも榎木津の受けた以来と、常信和尚の依頼が合わさって、その料亭での事件を京極堂と榎木津が解決する。自分たちが埋めた死体がある場所で、育てた大根を知らずのうちに食べさせるというのはやり方がエグくて面白い。
     最後は榎木津が暴れて終わる。

    • もなかさん
      突然失礼します
      全部ラストが(最後は榎木津が暴れて終わる。)で笑いました 本当その通りですよね〜
      突然失礼します
      全部ラストが(最後は榎木津が暴れて終わる。)で笑いました 本当その通りですよね〜
      2019/10/25
    • karasu10281028さん
      もなかさん>
      コメントありがとうございます。
      今作はコミカルで漫画的でしたね。コミカライズもされてましたが、非常に合っていました。
      もなかさん>
      コメントありがとうございます。
      今作はコミカルで漫画的でしたね。コミカライズもされてましたが、非常に合っていました。
      2019/11/06
  •  もー、この本大好きです。何回目かわからないくらいの再読です。4、5回目かと思われます。でも何度読んでも楽しいのが京極さんの作品です。
     やっぱり榎さんはかっこいいですし、魅力的です。最初はこの神様目的で百鬼夜行シリーズ読んでいたなとしみじみ思いました。榎さんの人気が高いのもわかる気がします。
     でも、今1番大好きな関口くん。作品の中で登場人物が話題にあげるたびにワクワクして仕方ないです。
     そして最後の山嵐のお話で待ちに待った関口くんご本人が登場。通勤の電車で読んでいたのですが、ドキドキが止まらなかったです。なんでこんなに好きなのかってくらい大好きです。
     この勢いで次は陰摩羅鬼読みます。

  • 榎木津が大好きな身としてはうれしい一冊だが、しかしストーリーという観点からいうといまひとつの感が否めない。とにかく榎木津を描くことを目的とするのであればもっと徹底してほしいし、物語としての面白さを求めるのであればもう少し捻りがほしい、といったところ。

  • 久しぶりの百鬼夜行シリーズでしたので、ある意味良いリハビリになりました。(笑)
    榎木津さんも楽しいですが、それに振り回される人たちも滑稽で良かったです。
    自分のお気に入りは「山颪」ですかね。現時点で一番好きな「鉄鼠」とも繋がっていましたし。

  • 変人だろうが躁病だろうが、うちは榎さんが好き笑

  • 薔薇十字探偵社とそれに巻き込まれる人達。ついでに中禅寺もかなり遊んでいるように思う。
    「鳴釜 薔薇十字探偵の憂鬱」「瓶長 薔薇十字探偵の鬱憤」「山嵐 薔薇十字探偵の憤慨」
    全体を通して悪ふざけな中禅寺。中禅寺はこの百器徒然だと妙にはっちゃける。あの中禅寺が?ってなる。
    特に「山嵐 薔薇十字探偵の憤慨」が笑える。最凶トリオが高級茶寮乗り込んだ時点ですでに勝敗は決している。しかもやっぱり関口は美味しい思い出来ない運命。
    もはやギャグ。ギャグとして面白かった。

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著者プロフィール

’94年『姑獲鳥の夏』でデビュー。’96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞受賞。この二作を含む「百鬼夜行シリーズ」で人気を博す。’97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、’04年『後巷説百物語』で直木賞、’11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞を受賞。’16年遠野文化賞、’19年埼玉文化賞受賞。

「2020年 『文庫版 今昔百鬼拾遺 月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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