文庫版 百器徒然袋 雨 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3172
レビュー : 287
  • Amazon.co.jp ・本 (754ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062751803

作品紹介・あらすじ

「推理はしないんです。彼は」。知人・大河内の奇妙な言葉にひかれて神保町の薔薇十字探偵社を訪れた「僕」。気がつけば依頼人の自分まで関口、益田、今川、伊佐間同様"名探偵"榎木津礼二郎の"下僕"となっていた…。京極堂をも巻き込んで展開するハチャメチャな妖怪三篇「鳴釜」「瓶長」「山颪」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 特殊な能力を持った容姿端麗頭脳明晰な榎木津探偵を主軸に描かれた薔薇十字探偵ワールド。

    とにかくくだけていて読みやすい。

    榎木津はもちろん、下僕ズを含めてそれぞれのキャラが満遍なく描かれ、誰に対してもクスッと笑いしか出ない。

    キャラが際立つスピンオフものは面白いなぁと改めて実感。
    そして「〇〇事件」と出てくるとやっぱり京極堂シリーズを読みたくなる。

    どの事件も榎木津が引っかき回しながらも、終わり良ければすべて良し。

    タイトルの「雨」も「晴」に変わりそうな爽快感と明るさが良かった。

  • 「鳴釜」のみ雑誌掲載時に既読。京極作品のメフィスト掲載に興味を惹かれ(多分これが初めてだったのでは)、他の連載陣の倍を超える文量に「短編でもこれかよ!w」と呆れつつ拝読したのを憶えている。焦がした釜を洗う京極堂、物語早々に歩き回る京極堂、結構な重さらしい本を持ち歩く京極堂と、本編では天下無双の憑き物落としも薔薇十字団を率いる〈神〉の前では些か調子が狂う模様。最後の最後に漸く本名が明かされる〈いつかの何とか云う人=僕〉は関口よりも冷ややかな視点で、それ故ツッコミに容赦が無く各話の喜劇的風味を一層強めている。

  • [鳴釜 薔薇十字探偵の憂鬱]
     このシリーズは本編とは違ってコミカルな作りになっている。京極堂がよく笑うし、よく動く。だが特質すべきは、シリアスな本編でも、コミカルな本作でも榎木津は同じだということだ。いつも通り暴れて、なんだが事件は解決している。それは周りのおかげも多いのだが、その下僕たちに一人加わり、その一人に本作の語り部である本島がいる。
     そして、このエピソードでは、その本島が持ってきた事件で、親戚に不貞を働いた男たちを懲らしめたいという話だ。懲らしめるといっても、榎木津と京極堂が組んでことを起こすのでなかなかエグい。最後は榎木津が暴れて終わる。
     それと、犯人の婚約者の女性が気っ風がある人なので、また登場してほしいなと思う。
    [瓶長 薔薇十字探偵の鬱憤]
     榎木津の父が瓶がいるという依頼。そして亀も消えてしまったという。子も子なら親も親ということだ。
     亀はどこだというのはついでで、本題は瓶を探してくれという。そこで下僕たちが瓶を探しに右往左往する。
     瓶屋敷という瓶が大量にある屋敷に有象無象が集まりわちゃわちゃする。いつも通り、都合よく全てが関わっている。
     最後は榎木津が暴れて終わる。
    [山颪 薔薇十字探偵の憤慨]
     鉄鼠の檻の常信和尚が京極堂を訪ねてきて旧友の様子がおかしい、電話で家族に聞くと死んでいると言う。その場所は寺だが、高級料亭となっていて数々の大物が足しげく通う名店のようだ。
     榎木津は、これまた父の関係で動物探しが広まって、財政界の大物から動物を探してくれと依頼が来た。その動物は山颪。
     これも榎木津の受けた以来と、常信和尚の依頼が合わさって、その料亭での事件を京極堂と榎木津が解決する。自分たちが埋めた死体がある場所で、育てた大根を知らずのうちに食べさせるというのはやり方がエグくて面白い。
     最後は榎木津が暴れて終わる。

    • もなかさん
      突然失礼します
      全部ラストが(最後は榎木津が暴れて終わる。)で笑いました 本当その通りですよね〜
      突然失礼します
      全部ラストが(最後は榎木津が暴れて終わる。)で笑いました 本当その通りですよね〜
      2019/10/25
    • karasu10281028さん
      もなかさん>
      コメントありがとうございます。
      今作はコミカルで漫画的でしたね。コミカライズもされてましたが、非常に合っていました。
      もなかさん>
      コメントありがとうございます。
      今作はコミカルで漫画的でしたね。コミカライズもされてましたが、非常に合っていました。
      2019/11/06
  •  もー、この本大好きです。何回目かわからないくらいの再読です。4、5回目かと思われます。でも何度読んでも楽しいのが京極さんの作品です。
     やっぱり榎さんはかっこいいですし、魅力的です。最初はこの神様目的で百鬼夜行シリーズ読んでいたなとしみじみ思いました。榎さんの人気が高いのもわかる気がします。
     でも、今1番大好きな関口くん。作品の中で登場人物が話題にあげるたびにワクワクして仕方ないです。
     そして最後の山嵐のお話で待ちに待った関口くんご本人が登場。通勤の電車で読んでいたのですが、ドキドキが止まらなかったです。なんでこんなに好きなのかってくらい大好きです。
     この勢いで次は陰摩羅鬼読みます。

  • 榎木津が大好きな身としてはうれしい一冊だが、しかしストーリーという観点からいうといまひとつの感が否めない。とにかく榎木津を描くことを目的とするのであればもっと徹底してほしいし、物語としての面白さを求めるのであればもう少し捻りがほしい、といったところ。

  • 久しぶりの百鬼夜行シリーズでしたので、ある意味良いリハビリになりました。(笑)
    榎木津さんも楽しいですが、それに振り回される人たちも滑稽で良かったです。
    自分のお気に入りは「山颪」ですかね。現時点で一番好きな「鉄鼠」とも繋がっていましたし。

  • 変人だろうが躁病だろうが、うちは榎さんが好き笑

  • 薔薇十字探偵社とそれに巻き込まれる人達。ついでに中禅寺もかなり遊んでいるように思う。
    「鳴釜 薔薇十字探偵の憂鬱」「瓶長 薔薇十字探偵の鬱憤」「山嵐 薔薇十字探偵の憤慨」
    全体を通して悪ふざけな中禅寺。中禅寺はこの百器徒然だと妙にはっちゃける。あの中禅寺が?ってなる。
    特に「山嵐 薔薇十字探偵の憤慨」が笑える。最凶トリオが高級茶寮乗り込んだ時点ですでに勝敗は決している。しかもやっぱり関口は美味しい思い出来ない運命。
    もはやギャグ。ギャグとして面白かった。

  • かるウい!(←榎さん風に)
    読みやすく、爽やか?で、勧善懲悪。いや、歓榎木津懲悪!
    京極堂が唆されたり、大笑いしたり、ふざけたりするのを見られるのが良いね。
    第三者から見た関口くんの描写も面白い。やっぱりウロンなのだなあ。
    過去の登場人物を何人も出してくれるのも嬉しくて、サービス回かな?という気分です。

  • 京極堂さんの長編シリーズの合間にあった(という設定で)榎木津さんの薔薇十字探偵社がメインの中編集。

    ただ、この作者さんのお話は前の話を知っていないとイマイチわかりにくいところがあり、この本も別にいきなりこれを読んでもそれなりには楽しめるだろうけれど、やっぱり今までの京極堂長編シリーズを読んできた読者さん向けなんだよね。

    我が家的には京極堂長編シリーズは『狂骨の夢』がピークで、その後の『塗仏~』とか長すぎてグダグダだったし、どれもこれくらいの長さだといいのに…と思えた3篇が収録された1冊でした。

    まぁ、都合の良すぎることが多いけれど、それはそれで…(笑)
    それなりに味のあるキャラクターたちは、本当にたいしたものだと思いますし…。

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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