半落ち (講談社文庫)

著者 : 横山秀夫
  • 講談社 (2005年9月15日発売)
3.69
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062751940

作品紹介

「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの二日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に"落ち"ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは-。日本中が震えた、ベストセラー作家の代表作。

半落ち (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 同じ場面を違う人の視点で繰り返し描いていて…退屈してしまった。題材がそれなだけに、書き方が調書っぽくて深みがなく…と、思ったら、筆者さん、新聞記者出身なんですね。
    他の作品もこんな感じなのかなぁ。読みたい作品いっぱいあるんだけど、書き方によっちゃ堪能できないかも。(あくまで個人的に)

  • 最初から最後まで、一つの謎をずっとひっぱられてじれったいが、ラストで感動した。「そんなことか」と言う人も多いと思うけど、誠実で頑なで聖人みたいな梶さんだからこそ納得かと。それと主人公・梶さんの一人称が一切ないのが特徴的でまた良い。梶さん目線が無いのに、こんなに人柄が伝わるのもすごい。

  • 様々な人の視点からひとつの事件、ひとりの犯罪者の謎を追っていく。構成がすごく良かった。
    最初の刑事さんが、取り調べや捜査の中で全ての謎を解決してしまっていたら、ありきたりな話になってしまっていたのだろうと思う。
    話の前半はタイムリミットがあってハラハラしたが、途中からゆったりした流れで話が進んでいったので、いまいち盛り上がりに欠けた気がした。

  • 横山秀夫さん初めて読んだのだけど、想像以上にぐいぐい来て、語りがドラマチックで骨太で、すごく面白かったー!
    警察小説が苦手な人にこそ読んでほしい、と言われるわけがよくわかった。警察小説なのだけど、エンターテイメントでありロマンなのだ。

    一つのホワイダニット(「なぜ」)をめぐって、各章で語り手が変わっていく形式の物語なのだが、特に前半の章の語りは緊張感があり、ガツガツしていてしびれる。
    それぞれの立場から見たしのぎを削る攻防戦でありながら、個人のプライドと葛藤をめぐる熱いドラマに仕上がっている。
    それだけに、後半はやや尻すぼみになってしまう感じは否めないのだが、最後まで引っ張る手腕はお見事。謎は読んでいるうちになんとなく予想はついてしまったものの、それでも真相が明らかになった時には、思わず感動してしまった。

    ところで、ドラマチックな語りといい、キャラの立ち方といい、どことなく司馬遼太郎と連想したのは私だけだろうか。。

  • 長い。警察や検察やいろんな組織の内情が、これでもか書かれている。そんなに大変か、組織は。
    謎ときも、あれだけ引っ張ったのだから、もっと驚かせて欲しかった。

  • 「あなたは、誰のために生きているのか?」

    7年前 13歳の息子を「急性骨髄性白血病」でなくす・・・
    そして、その息子の20歳の誕生日に墓参りをした・・・

    妻がアルツハイマーになり、・・・

    アルツハイマー・・・
    意識が正常なとき、記憶を喪失するとき
    その二つが交互にやってきたとき、
    自分が食べたことを忘れてしまう・・
    自分のやったことを忘れてしまう・・
    人間が壊れていく
    殺してほしいと念願する・・・妻
    その妻を殺したのは、夫。
    嘱託殺人を起こしたのは、県警本部教養課次席 梶警部
    温厚。生真面目。年齢が49歳。

    それに関わる取り調べする
    刑事、検事、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官
    それぞれの重い人生がある。

    梶の澄んだ目に、
    修羅場を経験してきた人たちは、なにか心を打たれる。
    妻を殺して、自首するまでの空白の2日間。
    梶は一体なにをしていたのか?
    新宿歌舞伎町に行った?・・一体なぜ

    人間50年と梶は、鮮やかに書をしたためていた。

    「人間50年、化天の内を比ぶれば、夢幻のごとくなり。
    一度生を受け、滅せぬもののあるべきか」幸若舞 敦盛
    ・・・人生の儚さをうたう

    梶は、自殺を選ばず、自首をした。
    汚辱にまみれ、警官としての尊厳と誇りを
    引き裂かれることを覚悟して、
    自分が、あと1年だけ、生きている価値がある・・・・

    この物語の主人公 梶は、実に言葉が少ない・・・
    妻を殺した自分に対して、もうかたる資格がない・・・
    淡々と自分の残りの人生を過ごしていく・・

    ・・・・結末は、予想を超えていた。
    しかし、ちょっと物足りない・・オチが半分かな。

    読み終わったあとの圧倒的な存在感のあるこの作品
    「あなたは、誰のために生きているのか?」
    という問いかけは、今の自分のこころを突き刺す・・

    すべてに納得がいくことが、「完落」というならば、
    人生には、「半落」しかないかもしれない・・・
    残りを解明していくことが、生きている証なのだろうか。
    60年をもうとっくに越えた自分は、
    まだ青春まっただ中である。

  • 6人の男たちと梶総一郎というひとりの男の生きざまを通して描かれる人としての在り方に掛け値なしで感動。
    本当にすばらしい作品だった!
    「クライマーズ・ハイ」同様、もう一度映画を観返そう・・・。

  • たまんねー………ちょっとこれは凄いもん読んだな………妻を殺したことを認めた元刑事を軸に6人の関係者のエピソードが進んでいくわけだけど、1人数十ページなのに濃密さが半端じゃねえ。真実に至るまでの6人の男のドラマが、もうゲロアツすぎる。なにより燃える男の話が続いたあと、最後に燃え尽きた男に火が灯るのがいい………

  • ずっと空白の2日間の事が全く分からなかったけど、最後にスッキリ。ええ話や。
    しかし、警察モノの組織のしがらみは嫌になるね。熱い警官がいるだけで何だか嬉しくなる。

    それにアルツハイマーって他人事じゃないもんな。それが一番怖い。

  • 弁護士、警察、検察、看守、裁判官などいろいろな立場の人間がその様々な視点で、被告、梶聡一郎を探っていく。それぞれの組織の中や、それぞれの組織との関わり合い、いい意味でも悪い意味でもを知れる。
    最後の5Pは、目頭が熱くなった。

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