半落ち (講談社文庫)

著者 :
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本棚登録 : 7183
レビュー : 897
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062751940

感想・レビュー・書評

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  • 大人の事情が複雑に絡み合う、最後まで真実が見えない、スリリングな小説。
    ラストは、久しぶりに泣いた。。

  • もう散々言い尽くされている事だとは思うけど、同じ感想しか出ない。

    すっげえ。
    なんてすげえ作品だ。

    圧倒的なまでのリーダビリティ。
    読者を引きつけて放さない求心力。
    頁を繰る手を止めさせない筆力。
    堅牢で揺るぎない筋立て。

    どこを取っても、間違いのない一級品。
    いやはや、凄い作品を読んでしまった。

    内容は、あえて語るまい。
    とりあえず、未読の人は黙って読むべき。

  • アルツハイマーの妻の求めに応じて殺害した警察官の夫・梶がどうしても明かさない殺害後2日間。半分だけ自供したので半落ち。
    人は誰かのために生きるときに大きな力をだせるのだというストーリー。

    [more]

    亡くなった一人息子のために登録した骨髄ドナーの移植患者を思いだし、ドナー提供の可能性が残る日までは生き続けようとした梶。51才の誕生日で登録が抹消される。
    歌舞伎町のラーメン店で働く元患者に会いに行ったことは迷惑も掛かるため話せなかった。

  • ずっと気になっていた。
    梶に関わり、物語の語りの視点になる人が、事件処理のワークフローに沿って変わっていくのだが、それが最後に梶(藤林との応答)に視点が集まるところで、重みを持って現象する。

    志木ほどのキャラの立っている人物が一章で役目を終えたので不思議に思っていたのだが、そういうことだったのかと感じた。

    <blockquote>取り調べは一冊の本だ。被疑者はその本の主人公なのだ。彼らは実に様々なストーリーを持っている。しかし、本の中の主人公は本の中から出ることはできない。こちらが本を開くことによって、初めて何かを語れるのだ。 p29</blockquote>

    そして、最後の6ページで、本当にハッとさせられた。人によっては慟哭さえあるのではないか。

  • 骨髄移植をベースとした梶警部の壮絶な決意。介護の問題の重さをひしひしと感じた。警察と検察庁など、各関連機関の権威をキャリアと言われる人たちとは別に血の通った人たちがいろんな思いをしながら仕事に向き合っている様子が丁寧に描かれていて、好感が持てた。

  • <u><b>泣ける小説も読み方によっちゃ、マズイ</b></u>

    <span style="color:#cc9966;">「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの二日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは―. </span>

    子どもの話が出てきた時点でピーンと来て、結末が見えてしまった。最後に衝撃とともに涙を流す予定だったのに…。推理小説のように読んではダメですね、こういう小説は。結末も小説の流れもわかりながら読んだのに、泣けた小説は三浦綾子『塩狩峠』。ありゃ、すごいよ。むせび泣いた。ああ、感情が揺さぶられる泣ける小説が読みたい。

  • 元警部の梶がアルツハイマーの妻を殺害後、2日たってから自首。この「空白の2日間」の謎が物語の核となる。中心となるのは梶だが、すべて周囲の者の目による描写で、彼本人の気持ちがストレートに語られることはない。

    そんなわけで主人公は彼をめぐって奔走する6人ともいえる。それぞれ重荷を背負って今を生きている。特に最終章、定年を控えて事なかれ主義に徹していた刑務官が意識を変えた物語は胸に迫る。それまで登場した人物の行動が背景となる結末。まったく思いもよらない筋書である。

    梶の周りにいる人々のように、身をなげうって真実を追求しようとする者がどれだけいるだろう。

    最後、久々に泣いてしまった。

  • 刑事モノかなと思いながら読んでいきましたが、人情モノでした。
    これは、文字ではなく映像で見てこそ、梶の黙して語らない姿が良く映えるのではなかろうか。

    罪と不運に加えて、何のために生き、そして償うか。そういう物語であるのだけど、ちょっとネタばらしが遅すぎるのと、ちょっとプロットが弱いなと感じました。

    泣いたけど。

  • 刑事事件に関わる、警察、検察、新聞記者、弁護士、裁判官それぞれの視点からのお話。警察と検察の関係というのはふんわりとしか理解していないなと自覚。
    著者はもと新聞記者。「特ダネ」「特オチ」が記者にとっていかに重大事か。「外からはよく分からないが、その業界では素晴らしい名誉だったり不名誉だったりする」ものを知るのは面白い。
    肝心の謎部分、なぜか早々に予想がついてしまった。展開だけから見抜けるほど手練れた読者ではないので、どこかで一度読んで忘れているような気がする。

  • 現職警察官、梶がアルツハイマーを患う妻を殺し自首。殺害から2日間の行動だけは語らない。
    警部、検察官、記者、弁護士、裁判官、刑務官。
    それぞれの目線で語られるストーリー。

    面白くて一気読み!
    さすが横山さん。

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著者プロフィール

横山 秀夫(よこやま ひでお)
1957年東京都生まれ。国際商科大学(現・東京国際大学)卒業。1979年に上毛新聞に記者として勤務。『ルパンの消息』でサントリーミステリー大賞佳作を受賞したのをきっかけに退社。以後フリーランスライターとして活動。1998年「陰の季節」で第5回松本清張賞を受賞し小説家デビュー。2000年『動機』で第53回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。2002年『半落ち』が「このミステリーがすごい!」1位となり、第128回直木賞候補作となるが、そこで起きた様々な論議から、直木賞決別宣言を出すに至る。『半落ち』は2004年に映画化されて高い評価を得ている。その後、2004年『クライマーズ・ハイ』で第1回本屋大賞第2位、映画化されヒット。2013年刊行の『64(ロクヨン)』で第10回本屋大賞第2位、「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」各1位を勝ち取り、大ヒットとなった。

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