凍れる森 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062752190

感想・レビュー・書評

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  • 猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ第2作目。エルク(鹿)の大量殺戮現場とその犯人の役人の死体に遭遇するところから話がはじまり、反政府活動集団や森林局役人、FBIやらが乗り込んできて大騒動となる。指揮をとる森林局女性役人のやりたい放題ぶりもすさまじいし、鷹匠のキャラも際立っていて500頁余りの作品の長さを全く感じないほどスラスラ進んだ。おもしろいが軽くはない内容でいい感じ。結末は全てうまく解決とはいかないが、おさまるところにおさまった印象で納得できる。メインの殺人事件の話とならんで、主人公の養子の子を取り戻す話も気が抜けない展開でひきつけられる。主人公とその家族の話も楽しみに読める。

  • 猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ第2弾です。

    今回は冬まっただ中のまさに凍れる森が舞台です。

    例によって頼りないジョーは妻と3人の娘、そしてそりの合わない義母となんとか貧乏ながら平和な生活を送っています。

    そして、またもや初っぱなから逮捕した不法狩猟者(またもや厳密には違う)を逃がしてしまい、しかも何者かに殺害されるという大ボケをかましてくれます。

    前回の実績を差し引いても主人公らしからぬ低鱈苦(当て字)

    続いて巻き起こる、政府の役人襲撃事件、不法に滞在するヒッピー(厳密に…)、そして天敵とも言うべき政府のキャリアウーマン、親権問題と休む間もなくジョーをトラブルが苛み続けます。

    今回も一つのカタルシスが用意されていますが、やはり読者によって印象は異なることでしょう。

    正直今回の結末は、私にとって意外でした。

  • ジョー・ピケット猟区管理官シリーズ第二弾。

    冒頭からすごい。
    弱腰と思われいている政府の役人が、
    エルクを多数殺した現場に居合わせたジョー。
    大量殺りくに怒りを感じながら、
    エルクの肉が持ち帰れず無駄になってしまうことを残念がる。
    日本人で言えば、釣った魚を無駄にしてしまう感覚か。

    その役人が矢で殺され、容疑者を逮捕するが、
    なぜか一度しかできない電話でジョーを呼び出す。
    乗り込んできた森林局の女性の目的は。
    末娘の実母が現れ、動揺するジョーとメアリーベス。

    連邦政府がその地方にとって敵というか、「悪者」になってしまうのは、
    アメリカの小説でのお約束なのか、現実の反映化はわからないが、
    雪が吹きすさぶ夜道で人をはねたのに、
    凍死から救ってくれてありがとうと感謝されるのには笑えた。
    さすがワイオミング州。

    最後まで末娘が助かると信じていたので、
    とても残念な展開だった。
    ジョーが望まなかった形での決着がついてしまったのも、
    ちょっと残念だったかな。

  • 猟区管理官 ジョー・ピケット シリーズ
    順不同で読み進めているので、既読の作品で取り上げられてきた重要なエピソードが語られている本巻は必読。

    でも、順に読まなければいけないというわけではなくて、ひとつひとつの作品がとても面白く、かつ時系列的にも整合性が取れて繋がっていくので、どこから読んでも面白いと思う。
    スピード感も、アクションも、そして役所仕事への怒りや主人公の苦悩などがてんこ盛りで面白かった。

  • ネイト初登場の巻。悪が悪すぎる。

  • SL 2023.9.13-2023.9.16
    ワイオミングの自然と家族を守ろうとする猟区管理官ジョー・ピケットのシリーズ。
    自分たちの都合で法律もゆがめ、傲慢で卑劣な保安官や政府の人間に対して、ジョーは正しいことをなそうとあがく現実的で等身大のヒーロー。だからこそ無力な面もあって、邪悪な政府の人間やFBIの捜査官が調査の結果、お咎めなしどころか賞賛されてしまうことには納得がいかないし、さんざんジョーが皆を守ろうとして苦労した挙げ句のこのラストもどうなんだろう。少し残念。
    この作品でネイト初登場。

  • ワイオミング州の自然と家族を愛する猟区管理官ジョー・ピケット。正義感が強く高潔で、正義はなされるべきだと思っている。結果後からこれで良かったのかもっと何かできたのではとぐぢぐぢ悩みむちょっと女々しいくらいの真面目な普通の男である。
    しかし素晴らしいのは、何が自分にとって大切なのか良くわかっているし、常に最善を尽す姿勢、自分の良心に問いかけ続ける姿勢である。スーパーマンでは無い普通の猟区管理官が、厳しい自然とそこに住む動物たちや殺人事件などにどう対処して行くのか楽しみでならない。

  • 前作ほどのインパクトは感じなかったが、シリーズの二作目といういわばジャンプ台というか…飛び上がるための、という布石が色々と。

  • -

  • 1作目の「沈黙の森」よりさらに後味の悪い結末だった。

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