アナン、(下) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062753142

感想・レビュー・書評

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  • アナンの未来を思い離れようとする父、お父さんがいれば何もいらないアナン。目に見えない強い物で結ばれた二人が選んだラストは…相手を思い合う気持ちが切なすぎる。
    ずっと誰かに何かに呼ばれて生きてきたアナンが自ら呼んだ唯一の存在が流ではないかと思う。あの初雪の日二人はお互い何かを与えあったのではないだろうか。アナンには「流の命」を、流には「生きる力」を。

    入学式の日「ぼく、お父さんがいればいい」と言ったアナン。言葉少ない不器用な流の愛は充分伝わっていたね。
    私も「豊かな生」を送りたい。そしていつかアナンの窓に…

  • 2022/4/29読了。

    感性の赴くままに生きる人を見るのは楽しい。
    普通に生きてると色々な柵がどうしても邪魔をする。だから憧れているのだろうか。
    そしてそういう生き方をしていると自然と他人を惹き寄せ、助けてくれるのかもしれない。

  • 主人公は流かアナンか。日常で忘れている感受性を大事にしたい。

  • 上巻の方が面白かったので、失速した感があってちょっと残念。いろいろ詰め込み過ぎ、かな?

  • 下巻になってアナンが喋ったとき、まず驚いてしまったww
    下巻はアナンが主人公なんだな。いろいろ思う。アナンと少女のSEXはまだ早かろうと顔をしかめたし、健太のせりふ「お母さんはプレアデスで天使やってる」には噴いてしまった。私はこれがスピリチュアルファンタジーと知らなかったので、スピ系な内容のことを触れているなと読み進めながらも、こんなにあっけらかんと話す健太には驚いてしまった。

    私の想像力でアナンの作品を再現しても少し足りない。やはりじかにに触れてみたい。鶴の湯もたまごも。いいな。
    けれど、映像にはしてもらいたくない。アナンは山下和美の描く『不思議な少年』のイメージ。

  • 最後に、アナンと父は会えたのだろうか。

    話しは長くページ数は多いから、読み終えるのが大変であるが
    結局アナンの正体がわからずじまいだったので、そこは物足らなかった。
    あえてはっきり知らさないことも面白さにつながるのかな?

  • 続きが気になってしょうがないわけではないのに、結構いいペースで読めたのは、文章が読みやすかったからなのかもしれない。
    ただ、さらさらと読めはするけれど、この小説にはいくつもの引っ掛かりがある。

    一番大きな引っ掛かりは、アナンの修学だ。
    小学校の入学式、戸籍がないから当然名簿に名前のないアナン。
    流が「就学通知書は届いています」というだけで、入学しちゃう。
    その後6年間、一度も市役所に確認したりしないの?

    作者たちが書きたいこと、調べたことは丁寧に筆を尽して記述しているのに、作者たちが重きを置いていない出来事はさらっと流されてしまって、リアリティがない。
    ファンタジーだからというのは違う。
    ファンタジーだって、その世界の中ではきちんと生活しているのだから、その世界のルールには従わなくてはならない。
    そこがきちんと描写されていないから、書き割りの背景を前にうすっぺらい登場人物たちが使い捨てられたように物語から去ってゆく。

    毬絵にしても、健太にしても、裕一にしても、その後の彼らの行き方が想像できないまま、アナンに置き去りにされてしまった。
    もっと肉付けしてほしかったのだけれど。

    そして、大金持ちの男にプロポーズされても、「いい友達のままで」なんて早苗。
    じゃあなんで一緒に暮らす?
    ホテルのスイートルームに泊まれるのは誰のおかげ?
    そもそも自分の工務店の経営はどうなっているのか?
    こんな人がアナンの戸籍上の親ということでいいのか?

    常にアナンにとって都合のいい面だけを見せている人が、アナンの周りに多すぎて、鼻白む。

    読みやすいけど、私にとってはそれだけで、感動に乗り損ねてしまった。

  • アナンにも物語にも強い引力がある。アナンのモザイクを見たくなる。結末も美しい。
    しかし、沢山の登場人物ご現れては過ぎ去っていくので淋しいというか、不完全燃焼というか。

  • ホームレスの育てられた赤ちゃんの話。ファンタジー?いい話だった。

  • ふむふむ。
    キャッチコピーの通り、スピリチュアルファンタジーという言葉がピッタリくる話。

    ただ、何だか惜しい。
    言いたい事は物凄くわかるのだけれど、後一声欲しい感じ。

    人と人が繋がりって心と心が宇宙で繋がっているイメージ。
    距離でも時間でもなく、別次元で起きていること。

    頭で読むより感覚で読む本だなコレは。

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著者プロフィール

飯田 譲治(いいだ じょうじ)
1959年長野県生まれ。1986年、16ミリ作品「キクロプス」で監督デビュー。1992~1993年、フジテレビ深夜連続ドラマ「NIGHT HEAD」で原作、脚本、監督を担当。このドラマの大ヒットによって制作された劇場版の原作、脚本、監督を務めた。
脚本作品には、1995年「沙粧妙子 最後の事件」(CX)、1997年「ギフト」(CX)、飯田譲治映画作品には、1998年「らせん」、2000年「アナザヘヴン」、2003年「ドラゴンヘッド」、テレビ作品には、「幻想ミッドナイト」(テレビ朝日)、「アナザヘヴンエクリプス」(テレビ朝日)など。
著作(梓河人との共著)に、「アナザヘヴン」「アナザヘヴン2」「アナン、」「盗作」他。

「2021年 『NIGHT HEAD 2041(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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