権現の踊り子 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.56
  • (46)
  • (103)
  • (139)
  • (11)
  • (6)
本棚登録 : 702
レビュー : 80
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062753517

作品紹介・あらすじ

文学で踊れ!
川端康成賞受賞作。

権現市へ買い物に出かけたところ、うら寂しい祭りの主催者に見込まれ、「権現躑躅(つつじ)踊り」のリハーサルに立ち会う。踊りは拙劣。もはや恥辱。辟易する男の顛末を描いて川端康成文学賞を受賞した表題作や、理不尽な御老公が市中を混乱に陥れる、“水戸黄門”の町田バージョン「逆水戸」など、著者初の短編集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 莫迦(バカ)とか鹿唐(シカト)とか躑躅(つつじ)とか優婆夷(うばい)とか、難しい漢字やら当て字を並べ立て、その合間にぎょんべらむ、とか意味の分からん語句をぶっ込んでくる。相変わらずの町田康。

    短編読んだのが久々なせいか、いつもにましてとっ散らかった世界観で、ちょい入り込めない感じはあった。

    さんざんかき回して、最後はやけにさっぱり、虚無の中に放置される感覚、毎度おなじみ。

    工夫の減さん、ふくみ笑い、逆水戸がツボ。

  • 1999年から2003年にかけて発表された短編を集めたもの。
    表題作は川端康成文学賞受賞。

    改行しねえ句点も打たねえ、文語と口語が混沌、感情の暴発、圧倒的な文圧。どこから読んでも安心の町田節。
    短編集だから初めての方も読み易いかも?って思いながら久々に再読しましたが、やっぱり駄目みたい。苦手な人は徹底的に苦手だと思われます。だから無理には薦めない。

    微妙に合ってないジグソーパズルのピースを見て見ぬふりして放置するような落ち着かなさ、坐りの悪さ。しかもそのままどんどん作り続けちゃったような取り返しのつかなさ。
    町田短編の背後にあるようなないような、そんな「儘ならなさ」の虜。虚無すげえ。

    作者の擬時代物も好きなので、『逆水戸』がお気に入り。

  • 2006-04-00

  • たまに町田氏の描く作品が文学なのかただの悪ふざけの言葉の羅列なのかわからなくなることがあるが、やはりこの短篇集を読んで、これは文学なのだと思った。

    地獄から出られそうで出られない、もがけばもがくほど深海にはまりこんでゆく、そこもまた、日常。
    この理不尽さが不快過ぎてたまに読むのが辛い。特に「ふくみ笑い」の胸糞の悪さ!

    『ゼリーのような感触がして酸と便が混ざったような匂いがしたのも、目の前が白くなったのも一瞬、その一瞬の間に俺は、こんなことになったのも俺がみんなに対してエゴイスティックに振る舞い、仕舞には傷害や殺人をしたからだ。みんな自業自得だ、と思おうとした。俺は納得して死にたかったのだ。納得できなかった。やはり納得できねぇ。なんで俺ばかりがこんな目に。そう思った瞬間虫のねらねらした感触が顔面をおおって息がつまって顔面が赤熱苦しくなったその瞬間後に訪れた虚無すげえ。そのすげえ虚無に響いていた音楽。べらんが、めらん。』
    ここまで理不尽な世界においてもやはり人は納得して死にたいのだなぁ。世の中がおかしいのか自分がおかしいのか。この虚無すげえ。

  •  玉石混交。
    「ふくみ笑い」は文句なく面白いし文句なく怖い。
    「逆水戸」もちょっと考えればベタな内容なんだけど、やはり面白い。
     それ以外の作品がどうもいまひとつ面白みに欠けた。
     星四つは上記の二作品に対して。
     前にも書いたかもしれないけど、所々筒井康隆を思い出した。
     似ている訳でもないのに……いや、似ているのだろうか。

  • わろたわろた。町田ワールド恐るべし。

  • 工夫の減さんで泣ける

  • 大好きです。
    もうみんな言ってるけど、「ふくみ笑い」がすごい。
    「何で俺ばかりがこんな目に」とかゆって。もーねどれ読んでもそんなんばっかりやで。

    鶴の壺とか逆水戸もよかった。

  • 【本の内容】
    権現市へ買い物に出かけたところ、うら寂しい祭りの主催者に見込まれ、「権現躑躅踊り」のリハーサルに立ち会う。

    踊りは拙劣。

    もはや恥辱。

    辟易する男の顛末を描いて川端康成文学賞を受賞した表題作や、理不尽な御老公が市中を混乱に陥れる、“水戸黄門”の町田バージョン「逆水戸」など、著者初の短編集。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    町田康の小説を読むと、真夏日の炎天下、道に迷っているような気分になる。

    頭がぼんやりして思考が空回りし、周囲から聞こえてくる会話はリズムと不快なニュアンスが強調される。

    パニックになっている頭がふいに悲しい思い出を引っ張り出してくる……。

    町田康はそんな気持ちにさせてくれる。

    この短編集所収の「ふくみ笑い」はその最たるものだ。自分と世界とのわずかなズレ、軋みがしだいに大きくなっていく恐怖感。

    自分ひとりがズレていき、他の人間はなにごともなくリズムにのっているのに、理解できないでいらだつ気持ち。

    私は方向音痴でよく道に迷うのだが、そんな時、世界から取り残される不安感がひゅっと襲ってくる。

    そのくせ、何かにいらだっている。

    そんな気持ち悪さを表現してくれるのは町田康くらいだ。

    表題作は、敗北感あふれる祭りの様子になぜかせつなさを感じた。

    全体を通じて、透徹な青さが根底に流れているように思う。

    美しい物語にはなりえない世界と、自分の青さとの折り合いがつかない哀しさ。

    そんな感覚を味わわせてくれる。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • This is a story about a man going to a small town for shopping, but ending up being forced to perform strange dances, obtained the Kawabata Yasunari Literary Prize.

全80件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1962年生まれ、大阪府堺市出身。バンド「INU」のボーカリストとして活動する一方、俳優、詩人としても活躍。1996年「くっすん大黒」で小説家デビューし、第7回bunkamuraドゥマゴ文学賞、第19回野間文芸新人賞を同時受賞。2000年「きれぎれ」で第123回芥川賞を受賞以降は、作家としての活動にほぼ専心している。
その他受賞歴として、2001年『土間の四十八滝』で第9回萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で第28回川端康成文学賞、2005年に『告白』で第41回谷崎潤一郎賞、2008年『宿屋めぐり』で第61回野間文芸賞をそれぞれ受賞。
上記文芸作が代表作として評価を得る一方、映画化された『パンク侍、斬られて候』など、メディア化作品が多い。エッセイストとしても定評があり、『猫にかまけて』『スピンク日記』などが人気。

権現の踊り子 (講談社文庫)のその他の作品

権現の踊り子 単行本 権現の踊り子 町田康

町田康の作品

権現の踊り子 (講談社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする