日曜日たち (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1934
レビュー : 257
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062753593

作品紹介・あらすじ

別々に東京で生きる5人を結ぶ「日曜日」

ありふれた「日曜日」。だが、5人の若者にとっては、特別な日曜日だった。都会の喧騒と鬱屈した毎日のなかで、疲れながら、もがきながらも生きていく男女の姿を描いた5つのストーリー。そしてそれぞれの過去をつなぐ不思議な小学生の兄弟。ふたりに秘められた真実とは。絡みあい交錯しあう、連作短編集の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 吉田修一さんの本は8冊目。

    表紙には連作短編集と書かれていますが、連作の意味がじわじわとわかってきます。
    後半になればなるほど、じわじわ良い感じ。
    特に、最後の表題作でもある「日曜日たち」はホロリとします。
    『日なた』や『7月24日通り』と同様の読み心地。
    吉田さんのこういう感じの本、好みです。

  • どこにでもいる男女たちの

    ありふれた日曜日。

    だけど彼等にとっては

    特別な日曜日。


    私なんぞの日曜日でも
    吉田さんならうまく小説にしてくれちゃうんじゃあないかと思ってしまう。

    そんな一冊。

  • 「もっと簡単にいえば、誰かを愛するということが、だんだんと誰かを好きになることではなくて、
    だんだんと誰かを嫌いになれなくなるということなのだと知ったのだ。」

    「何かを忘れずにいたいと健吾は思う。何かを忘れずにいるということが
     絶対に不可能だと思うから、ますます何かを絶対に忘れたくないと思う。」

    「ただ、強引さというのは、度を越すとロマンティックになる。」

  • 「たとえば、誰かに親切にしてやりたいと思う。でも、してくれなくて結構だ、と相手は言う。だったら仕方が無いと諦める。考えてみれば、ずっとそうやって、自分の思いをどこかで諦めてきたような気がした。親切など結構だと強がる人が、実はどれほどその親切を必要としているか、これまで考えたことさえなかったのだと気がついた。相手のためだと思いながら、結局、自分の為にいつも引き下がっていたのだ、と。」

  • 初めての吉田修一さん。

    不思議な小学生の兄弟の存在が、別々の物語を繋ぐ。
    こういう、主人公自体は関わりないけどどこかしら繋がっている短編集は凄く好みだったので良かった。

    なんかホッとする。優しい感じ。
    吉田修一さんの他の作品にも手を出してみようかなーと思います。

  • 冴えない男、つまらない女、特筆するべきこともない、ただの人たちの、ただの日常。
    なのにどうして、こんなに引き込まれてしまうんでしょうか。
    事件が起こると言っても、誰にでもありそうな小さなトラブルがほとんどで、あくまでもさりげなく、どこまでもリアルな短編集です。

    それぞれのお話に必ず出てくる、小さな兄弟だけが、少し、非現実的な存在なんですが、その子たちさえ、最後のお話で現実に溶け込んできれいに終わるのが、またすごいですね。

    1つ1つのお話や言葉に感動したり、教訓を得たり、といったことではなくて、全体を通して、曇りがあり雨があり風があったあとで、ぱっと晴れるような、そういう気持ちよさのある本でした。

  • 読後感が良い。なかなかに好みでした。特に物語全てに現れる兄弟の別れとその後を描いた表題作は秀作。嫌なことばっかりだったわけではない。心に明かりを灯す一冊。

  • 5作品に登場する、母親を探す小学生の兄弟。
    全く関連性のないと思っていた5作品が、この兄弟によってつながっていた。
    都会に暮らす若者たちが、日々苦悩しながら生きていく。
    ちょっと辛いな。
    でもラスト、この兄弟によって救われたかも…。
    「嫌なことばっかりだったわけではない。」
    この言葉が象徴的でした。

  • ラスト2ページで、涙がでた。
    謎に包まれていた可哀想な兄弟に救いのある結末で、それだけで東京に暮らす自分も救われたような気がした。

  • 途中で正直飽き飽きしてしまったというか。
    作者らしいなとは思ったが。

    ただ最後の「日曜日たち」で、ああ最後まで読んで良かったと思う。


    ほんの小さなどこにでもある生活を描くのがひたすら巧いと脱帽。

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著者プロフィール

吉田 修一(よしだ しゅういち)
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業後、スイミングスクールのインストラクターのアルバイトなどを経験。1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞しデビュー。同作は第117回芥川龍之介賞候補にもなった。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞を同年「パーク・ライフ」で第127回芥川龍之介賞、2007年『悪人』で第61回毎日出版文化賞及び第34回大佛次郎賞、2010年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞、2019年『国宝』で第14回中央公論文芸賞をそれぞれ受賞。2016年には芥川龍之介賞選考委員に就任している。その他の代表作に、2014年刊行、本屋大賞ノミネート作の『怒り』。2016年に映画化され、数々の映画賞を受賞。

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