ビート・キッズ―Beat Kids (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062753654

感想・レビュー・書評

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  • ブクログ通信でオススメされたので購入した本。「音楽の世界に浸れる、、、」のような紹介でした。
    裏表紙によると「児童文学新人賞三賞独占の傑作」だそうです。

    ちょっとちゃらけた文体が少し苦手なのだが、風野潮さんは初読なので、これが作家の特徴なのか、この作品特有のものなのかは解らない。児童文学によくある文体なのかも知れないけれど、あまり読んでこなかったので、これまた不明。そもそも、「子供なんだからこの子供向け児童文学を読め」って言われたら、ふつう子供は反発するよね?

    ストーリーはこれまた裏表紙のとおり「二人の大阪少年が16ビートで笑って泣かせる!中学のブラスバンド部を舞台に炸裂する青春」そのもの。友人との出会いと別れ、生きがいとなる音楽との出会い。家庭での悩みなどがそつなく散りばめられており、飽きることは無いのだが、いかんせん舞台であるブラスバンド部の活動の描写が薄っぺらで、中盤のクライマックスであるドリルフェスティバルでの盛り上がりに欠けたように思う(ドリル:マーチングしながら体型を変えていく、所さんの番組とかでやってるあれです)。ブラバンの奥深さを感じさせる描写をもう少し欲しかったです。

    それでも小中学生が読めば「僕も(私も)ブラバンやってみよう」となるのかも知れません。部活やサークルに入る若者が減っちゃってる昨今、子供のうちからこう言う小説で刷り込みしておくのも良いかも。ま、やるもやらないも自由なんですけどね。

    あと、裏表紙は前述のとおり16ビート推しなんですけど、エイジの魂のビート(笑)「ドッタンドドタン、ドッタドッドタン」は自分の中では16ビートでは無く8ビートで再生されてしまいました。少し残念。

  • 読む本が無くなったので本棚を漁ってたら見つけた本。
    これも奥さんのかな?と聞いてみたら、読んでないと。
    子供らが買った本かもしれない。
    なんてったって「児童文学」っすからねぇ(笑)

    一昨日、東京への出張だったんだけど、帰りの新幹線の中で読み始めて、浜松に着くまでにほぼ読み終えてしまいました。
    でも、特別ペラペラではなく、ちゃんと普通の厚さは有るんですけどね。
    それだけ読みやすいって事です。
    物語の進行のテンポも良く、どんどんページをめくりたくなります。
    不覚にも新幹線の中で泣いてしまったり(笑)
    ※最近は、本読んで泣いてしまっても別に恥ずかしい事じゃないと思うようになってきた。

    大阪の中学生のブラスバンドが舞台。
    初めて触った大太鼓に感激し、どんどんパーカッションにのめり込んでいく主人公。
    中学生のブラスバンドって普通はパレード(行進だけ)のレベルなんだけど、生徒の一人が天才で(努力してるんだけど)、彼の指導の下、ドリルまでやってしまう。
    一度も見たことのない顧問は、中学生でドリルなんて無理だ!俺に恥をかかせるのか!とコンテスト出場を辞退しようとする。
    そこで、子供たちは作戦をたて、見事出場し、大学生からも大喝采を浴びる!
    という展開。
    なかなか痛快ですよ。
    さらに、ここまでが小説の中盤。
    その後は、主人公の家庭問題について。
    オヤジは博打ばかり。
    母親は美人で凄く優しいんだけど病気がち。
    生まれてきた妹は心臓に疾患を患っている。
    いわゆる貧困家庭で、部活どころじゃない生活が始まるも、友人達が励ましあっていくという。。。

    ね?児童文学らしいでしょ。
    でもね、面白いです。

    子どもに難しい本を読め!ってたって面白くなきゃますます本を読まなくなっちゃう。
    嫌いになっちゃう。
    ならば、こういった本を読ませるべきじゃないかと思います。

    映画にもなってるらしいです。
    が、この本には続きがあって、2巻目は高校生になってから。
    映画の予告を見ると、高校生活が中心なのかな?

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/437570

  • 評価が高すぎるとも思っているが、小学生の時に図書室で読んで以来、大人になってずっと頭の隅に残っていた本だった。
    もう一度読みたいと思っていたところからの出会いはとにかく興奮した。
    関西出身というのもあり、読みやすく、内容が音楽というジャンルも入り込みやすかった。
    ずっと大切にしたい一冊です。

  • 親友の存在って素晴らしいものだと思った。
    そしてなにがあっても親子は親子、大切な関係なんだと思った。
    読んでいてウルウルっとくる。
    サクサクと読んでいけるという印象。
    ただ後半は進まない割りに結構描かれていたのでもう少しさっくりしてほしかったかな。

  • 打ち込める部活、信じられる友達がいれば悪い道には落ちない、ってことかな。

  • 山のなかに埋まっていた、買った記憶もなかった本。
    ブラバンに引っ張りこまれ、ドラムの虜になってしまった中学生男子が主人公。ふつうならクライマックスになりそうなコンクールの場面が明暗の転換点になって、後半ドラム少年は家庭のトラブルに振り回され、クラブ活動どころではなくなってしまう。
    「ドッタンドドタン」といった擬音からビートの魅力が伝わってこないのが残念だけれど、物語の魅力は十分。

  •  この表紙のかんじで、「面白くなさそう…」と思ってしまっていたのですが'(笑)意外とスルスルと面白く読めました! 音楽が関係するおはなしだからかしら。。。

  • 夢中で音楽に打ち込んで楽しんでいる少年少女がいきいきとしています。関西弁で喋っているからというのも理由の一つかもしれないけれど、明るくて、元気な子どもたちが伸び伸びと動き回る姿が、はっきりと想像できます。
    また、家族の深い愛情も描かれていて涙させられるシーンもあり、父ちゃんに元気をもらえました。

    賑やかなシーンだけでなく、少し少年らの心の不安定さが垣間見えるシーンもあり泣かせてくれました。その塩梅がちょうどよかったです。

  • 中学時代にハマった1冊。
    懐かしさのあまり、また読んでしまいました。

    家庭環境があまりよくない主人公の英二は転校先でドラムに出会う。
    入部した吹奏楽部には天才ドラマーの七生がおり…


    主人公が関西弁で物語を進めていくので、かなり面白いですしテンポよく進みます。
    英二のアホ具合と七生のツッコミがいい!
    すっごい個人的に七生がめっちゃ好き!笑
    関西弁いいよねー。

    前回読んだ時に号泣した場面を今回はサラッと読んでしまい、大人になったんだな~と冷めた自分に少し寂しくなったり…
    中学生懐かしいなー

    風野さんの作品もっと読んでみたいな。
    とりあえず次は2巻。

    本が苦手な人、音楽をやってる人にお薦めの1冊です。

    今の俺には、なにもかもきっとよくなっていくって、信じることができる。本当の未来なんか誰にもわからへんけど、信じて生きていけるほうが絶対にええと思うねん、俺は。

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著者プロフィール

風野潮
大阪府生まれ。第38回講談社児童文学新人賞を受賞した『ビート・キッズ』でデビュー。同作で、第36回野間児童文芸新人賞と第9回椋鳩十児童文学賞を受賞する。ほかの作品に『ビート・キッズⅡ』、「氷の上のプリンセス」シリーズ(ともに講談社)、『ゲンタ!』(ほるぷ出版)、『歌う樹の星』(ポプラ社)など多数ある。日本文藝家協会、日本児童文芸家協会会員。「プレアデス」同人。

「2023年 『ペンタとニック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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