小説十八史略 傑作短篇集 (講談社文庫)

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  • 講談社 (2006年4月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (502ページ) / ISBN・EAN: 9784062753753

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

歴史を背景にした短篇集は、読みやすく、心に響く物語が詰まっています。著者の作品を通じて描かれる男たちの生きざまは、年齢を問わず魅力的で、読者の心を掴む力があります。特に、年齢を重ねたキャラクターたちの...

感想・レビュー・書評

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  • 陳舜臣氏の著書は、いつか読んでみようと思いつつ今日になってしまいました。
    「十八史略」の小説版で、しかもこの本は短篇集。
    とても読みやすかった。
    陳舜臣氏の「小説十八史略」を全巻読んでみます。
    きっと期待に違わないことでしょう。
    一気に陳舜臣氏のファンになってしまいました。

  • 陳舜臣先生の偉大さを改めて思い知った一冊である。

    フィクションとして、陳先生の歴史小説ははっきり言って、直感的におもしろい!とか大興奮!とか生き様に感動!とかいう成分は皆無である。
    漢の生き様をこれでももかと書く北方謙三とか、つらいときにはいつもお世話になってます、宮城谷昌光先生の「よく生きるとはこういうことである」ということがはっきり提示されて、がつ〜んと感動さえられるフィクションあふれる物語に比べると、たぶん淡泊すぎて一見するとつまらない。

    実は私も、単に本を読むという楽しみだけなら宮城谷先生が一番好きだし、勝手に歴史作家脳内ランキング一位にしてました。

    しかし…、陳舜臣はやっぱりすごい。
    この短編集に、孟嘗君を描いたものがある。今どき、孟嘗君といえば、陳舜臣ではなく、宮城谷である。天下のNHK的にもそうである。
    でも、この陳版孟嘗君はあっさり、私的孟嘗君において、宮城谷孟嘗君を抜いてしまった。
    というのは、なんで、孟嘗君が説客を三千人も養って、彼らから信望を得られたかということにおいて。

    陳舜臣の説明はこう。
    孟嘗君は五月五日生まれ。この日生まれの子は不詳だから殺せと父親に言われる。しかし母親は密かに孟嘗君を育てる決意をする。
    が、いつか育て上げたあかつきには、父親に孟嘗君を認知させたい。だから、父親以外の全ての人が、この子は父親(清郭君)の息子であるとわかっていながら、清郭君にだけは知られない状態で育てなければならない。
    どうする?
    とにかく、そういうわけだから、他人全ての手を借りなければならない。そして、決して告げ口されないように他人に恨まれてはいけない!
    というわけで、孟嘗君の母親はとにかく、他人の下手に出ては、謙虚に振る舞い、贈り物を配りまくり、子である孟嘗君にも「あなたは他人のおかげでここまで生きてこれたのよ」と口をすっぱくして育てるのである。
    で、どうなったか。
    母親は、自分と孟嘗君のためという目的のために、他人につくして、接待していた。
    しかし、孟嘗君にとっては、生まれたときからその状況なのである。
    もはやそれが常態。つまり、目的(悪く言えば、下心)が皆無に、人に尽くし、接待する、超絶ネイティブ一流ホスト、孟嘗君が誕生した!
    とこういう理屈が、わずか一ページで語られている。

    な…なにこの説得力!そしてリアリティ!
    ああ、たぶん当時、現実に起こったこととして、こうだったのかもしれない、と全く納得いかされる内容なのである。

    これが宮城谷版だと、孟嘗君は五月五日生まれ。この日生まれの子は不詳だから殺せと父親に言われる。しかし母親は密かに孟嘗君を育てる決意をする。
    ここまでは同じなのだが、その後、白圭(なんか英雄っぽい人)に拾われ、諸国を歩き、徳を獲得!三千人を心服させる
    という、最高におもしろい話なのだが、まあフィクションでしかありえない展開になる。

    史料を読んで、実際、どういうことだったかということをリアリティを追求して、そのリアリティのうえに人物を描き出せる筆力では、陳舜臣先生は最強である。
    正月早々、めっちゃかんどうしました。
    歴史小説の歴史小説たる所以は、史料を使って書くというその一点にある
    たぶん、陳先生は小説家じゃなくて、紛れもなく歴史作家であるんだろう。



  • オッサンが熱い!40過ぎだって、50過ぎだって、いやいや70過ぎだって私の心をとらえるくらいかっこいいんだ!いくつになっても男盛りっていうのはいいですね(笑顔)。男たちの生きざまに魅せられて、得体の知れない感情の昂ぶりのために泣きそうになりながら読みました。

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著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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