でりばりぃAge (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.55
  • (16)
  • (17)
  • (43)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 229
感想 : 26
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062753777

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 登場人物みんな頑張ってるんだけど、頑固で他人を思いやれてない部分がある…
    物語を思い浮かべたときの絵がきれい。

  • 久しぶりに読み返したが、やっぱり好きだ。
    友達には合わせなきゃいけないし、お母さんは子供の教育セミナーとかに出てばっかりで、実際はなんにもわかってない。
    そんな毎日で、なんだか息苦しいと感じる女子中学生の主人公。
    ある日、気の抜けたような大学生風の男性と出会い、変わってくること、そして、わかってくること・・・

    解決なんかじゃない。でも。

    現実に息苦しさを感じたことがある人なら、きっと好きになる物語だと思います。

  • 梨屋 アリエ (著)

    文庫: 266ページ
    出版社: 講談社 (2006/4/14)

    夏期講習を抜け出した14歳の真名子は、広い庭のある古びた家が気になって、入り込んでしまう。そこでは青年がひとり静かな時間を過ごしていた。彼と話していくうちに、真名子の悩みが少しずつ明らかになる。友情、家族、進路、誰もが共感する、思春期の苦悩を瑞々して筆致で描いた講談社児童文学新人賞受賞作。


    若い頃は早く大人になりたかったり、この時がずっと続くような気持ちになったりすることがあったような・・・
    というなつかしい感覚になりましたね。
    今は、そんな時代に戻れるならばもっとできるし、やるのになぁ・・・
    と考えると同時に今からでもやれることも沢山あるんだ!
    と再認識できる。
    そんな気持ちになります♪

  • 梨屋さんのデビュー作。
    デビュー作とは思えない完成度。すっごく心に残るわけではないけれど、いつも読んでいると心があらわれるかんじがする。

    夏期講習をさぼって大学生の家に通う中学生。
    いらいらする思春期がいい。

  • 1998年度講談社児童文学新人賞受賞作。

  • わからんなー。こうゆうのを良書というのだろうか。私はキモいと思った。個人的な感想です。
    まず、大学生がちょっとキモいなー。優男風で。だらしない。たくさん勉強した医学部生っていいますけど、それってかっこいいのですか?自分の苦しさを人のせいにして引きこもってるし中学生の周りをうろちょろしてるのはキモいとしか。
    結局お父さんは娘に結婚して子供産んでほしいと思ってるんだよな。結婚も家事もするかしないかは自由的な口先だけいっといて自分は皿洗わねぇんだから。何を伝えたいのかわからない。お父さんが登場した意味。
    全体的に価値観が古臭いし、ヤングアダルト小説とはこうであれ、みたいなはりつけた偽善があるように見えた。ただ私がひねくれてるだけだろうが。
    女の子の苦しみってもっと別のことろにあるんだと思う。もっと現実的だと思う。

  • 夏期講習を抜け出した中学生の真名子は、洗濯物が干された庭へと入り込む。そこにはローニンセイがひとりでいたのだった。

    ヒリヒリと焼け付くような心。圧迫感と閉塞感。自分が何者なのかわからない、自分が何をしたいのかわからない。何にいらだっているのかも、何を喜べばいいのかもわからない。

    それは真名子にだけあるものではなく、大人も友達も年下の弟にもある心情だということに気付いていない。いや気付いているのかもしれないし、指摘されれば知っていると答えるだろう。でもそのことを受け止めてはいなかった。その事実を受け取った止めたことにより、真名子は自分自身を受け止めやすくなったのではなかろうか。
    そんな真名子が見付けた場所が、あの庭だったのだろう。そしてローニンセイと過ごす時間だったのだろう。何故自分がいるのかわからない場所を抜け出して、自分の足で辿り着いた場所だったのだろう。今を抜け出すためだけに大人になりたいと思う真名子は、そうではない大人への道を見付けたのだろう。

    そして作者は真名子だけでなく他の人々に対しても、少し腰を掛けられるものを用意する。安住の地ではないだろう。これでめでたしめでたしハッピーエンドということはなく、これからも悩み怒り悲しむだろう。それでも必死に踏ん張って立っている時に、次の一歩を進み出すために必要なものなのだろう。それがあるから読者も共に前を向ける。それがYA作品の持つ物語の力なのだろう。

    20年前に書かれた中学生は、今の中学生にどう映るのだろう。そんなことを30年前の中学生は思いながら読んだのでした。

  • そうですね、
    中学生のある時期に、いろいろ心の中にたまっていた、もやもやっとしたもの、
    それがうまくかけていると思います。

    どっか走り出して違うところにいっちゃってみたい、
    そういう衝動って、それなりにあった気がする。実際にやっちゃうことはなかったけれど。

    親の勘違い度も、結構ありがちな話で、いいとこついてると思います。

    子どもが思春期に入る前に、ちょっと読んでみると、いろいろ思い出すことがあるんじゃないかな。

    2013/02/28

  •  この作品と、もう少し早く出会いたかった
     気もするけれど、今でも遅すぎることは
     ないだろう。

     始まりがあれば、いつかは終わりも
     やってくるけれど…
     でも、ひとつの終わりはひとつの始まりでも
     あるから。やっぱりぐるぐるとまわって、
     繰り返されていくんだなあ。

     お父さんがいい人だった。
     いつでもやり直せるって、勇気が出る
     言葉だ。
     やりたいことは、やるべきだ。

  • 中学生の揺れる心をうまく表現したお話。
    ふわふわとしててどす黒くて自分勝手でわがままで繊細で優しい文章だった。
    中学時代にこの本と出会ってウン年。一度読んだだけなのに、タイトルもストーリーもうろ覚えなのにこの作品のことが忘れられず購入。
    ぜひ中学生に読んでほしい本だ。

全26件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

栃木県小山市生まれ。児童文学作家、YA作家。
法政大学兼任講師。
1998年、『でりばりぃAge』で第39回講談社児童文学新人賞受賞し、翌年、単行本デビュー。
2004年、『ピアニッシシモ』で第33回児童文芸新人賞受賞。『ココロ屋』が2012年全国読書感想文コンクール課題図書に選ばれる。その他、『プラネタリウム』『わらうきいろオニ』(講談社)『スノウ・ティアーズ』、『きみの存在を意識する』(ポプラ社)など著書多数。

「2020年 『エリーゼさんをさがして』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梨屋アリエの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×