透きとおった糸をのばして (講談社文庫)

著者 : 草野たき
  • 講談社 (2006年6月15日発売)
3.39
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  • 本棚登録 :92
  • レビュー :18
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062754224

透きとおった糸をのばして (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 一気に読んだ。
    中2の女の子の日々。
    大学生の従姉とその友人と3人で暮らすという考えづらい状況。
    中学校での親友とのすれ違いは現実にもありそうで切なくつらかったが、そのぶん主人公が少しずつ成長していく様は頼もしく感じた。
    解説のあさのあつこさんの文がおもしろい。
    ほんのり未来を感じさせつつなんとなく終わるこの感じが、最近読んだな、と思い出してみたら同じ草野たきさんの『ハーブガーデン』だった。

  • とってもピュアな感覚の本。でも、女の友情のもつれが描かれているのだ。

  • るう子ちゃんが嫌すぎた。
    帰った時にほっとした。
    知里ちゃんの気持ちにほっとした。
    みんなが繋がっていてほっとした。

  • 親友という言葉の甘美さ。
    中学時代の自分はその言葉にあこがれていた。ほしくてほしくて、いらいらするほどほしくて、叶わなかったもの。女子の焦がれアイテムなんだろうと、思う。
    言葉で簡単に口にすることはできる。
    けど、あまりに軽く流通するこの言葉に感じる苛立ちは今も。

    彼女らの関係は軽くはなかった。けど、ふとしたことで入ったヒビは修復されることなく時間だけが過ぎていく。
    いつかもとに戻るはず。そう思って時間だけが過ぎていく。香緒の時間は止まる。友達関係に不安のある女子中学生、必読。

  • 何というか、ただただ腹の立つ話だった。
    救いがあるとかないとかいうことでなく、現実の厳しさがどうという話でもなく、ただ腹が立つ話だった。
    「矛盾した自分を受け入れなきゃ苦しいだけだ」というようなことを書きたかったのかもしれないけれども、
    知里以外の登場人物がことごとく、目の前の相手に対する思いやりに欠けている、そんな感想だけが残った。
    登場人物の半数が中学生なのだから、ある意味リアルな話かもしれないが、それがリアルだからと言って、
    狭窄な視野はやはり狭窄で、不快なものだった。……そう感じるのは私だけなのだろうか。

  • 1時間半ほどで読みきった。
    講談社児童文学新人賞を受賞したらしいが、「児童文学」が物足りなく感じてきた私は、成長した、ということだろうか。

    正直、感想等は残っていないが、
    るう子って変な名前だな。

    ただ、あさのあつこの解説の冒頭のー…
    起承転結がすらすら紹介できない本、というのは非常に納得した。

  • 第40回講談社児童文学新人賞、児童文芸新人賞受賞作。
    前から気になってたので結構期待して読みましたがなかなかよかった。
    ちなみがいなきゃなにもできないとうじうじする主人公香緒の気持ちはわかるし、香緒と生活する従姉妹の知理、突然一緒住むはめになったるぅ子。
    梨本くんがね、カッコイイです、女子にもてるよー

  • 大学院生の従姉、知里と二人で生活する、中学2年生のヒロイン香緒。
    とても仲の良い親友がいますが、あるきっかけから距離を置かれ、再び仲良くなるチャンスを待っています。

    家には従姉の友人るう子が転がり込み、3人で生活することに。
    心変わりした元恋人を追ってきたるう子は、思考も行動もはちゃめちゃで、従姉はもとよりヒロインもあきれてばかり。

    ただ、るう子に「行動しないと人は死んでしまう」と言われてはっとし、ひたすら待つのをやめて、自分から親友に歩み寄る香緒。
    知里も、叶わぬ恋を行動せずに見送り、逃げるように上京したということが、明らかになります。
    押す愛と引く愛、対照的な二人の愛情表現。

    かなり痛々しい話だなあと思いながら読みました。
    粘着系、さばさば系、勘違い系といった、女性三人三様の愛情表現が描かれます。

    香緒の友情は、相手にとっては重い依存でしかなかったということが、明らかになります。
    友情も愛情も、相手が同じように思っているとは限らないからこそ、曖昧なもの。
    互いの認識にずれがあると、どんどん絆はゆるくなり、ダメになっていくものですね。

    愛することの難しさが伝わってきます。
    人の感情は、簡単に説明づけられるものではありません。
    そこに単純さを求めてしまうと、溝は深まる一方です。
    ただ、人との関係は、少しずつ形を変えながらも存在し続けるもので、一旦つながった絆はそうそう切れるものではないという、希望の見える流れで話はまとまっていました。

    たとえそれが腐れ縁でも、絆には変わりありません。
    性格が正反対で、気が合わないような知里とるう子でも、やはりそこには友情があるのですから。

    結果的に、誰も望む人からの愛を得られず、幸せにはなれませんでしたが、言えなかった気持ちを口に出せたことで、確かな満足感はあったようです。

    講談社児童文学新人賞受賞作ということですが、愛情・友情のさじ加減について語られたこの物語は、子供には難しそうな話だと思いました。
    中学生のヒロインの成長物語ということで、該当するのでしょうけれど。
    読んでいる間中ずっと、彼女たちの不器用さに心が痛みましたが、読後感の明るさと爽やかさに救われた気持ちになりました。

  • お前、死にたいとか思ってないよな。
    私が死にたい?死にたいって思っているように見えるってこと?この私が?
    あたしには知里ちゃんはドイツ文学が好きなんじゃなくて、ドイツ文学に逃げているようにしか見えないけどな。
    悔しいことに、敗北を感じたとたん、心が素直にいろんなことを認めはじめる。

  • いろいろなことに悩む女の人たちの関係について書かれた本。知りあってしまったからには見えない糸でつながっている、みたいなくだりがあって、偶然と確率論の話を思い出した。たとえ糸でつながっていたとしても、それは時に身動きを許さないものになりそうだ。と思ってしまうのが申し訳なくなるようなさわやかな話。
    2009/10/3

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