ST警視庁科学特捜班 赤の調査ファイル (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062754750

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第五弾。色シリーズの第ニ弾。今回の主役は赤城左門で、扱われるのは医療事故。自白が無いと有罪に持ち込むのは不可能だろう。

  • 病院あるあるすぎてw

  • 記録

  • このシリーズはどれもそうだが、この作品は特に読みやすかった。
    STシリーズは読み進めていくうちに終わりが大体予想できてしまうけど、他のに比べてこれは少し驚きがあった。
    インフルエンザという身近なことなので、感情移入してしまう…。

  • ST色シリーズを読み終わりこのレビューを書いていますが、本作は色シリーズ中で最高の出来栄えではないかと思います。いや、ほんとうにおもしろったです。

    赤城の過去と彼がこれまで抱えていた苦しさが丁寧に描かれており、日頃の一匹狼だと言い張っていることや女性恐怖症に陥った経緯がよくわかり、赤城というキャラクターを深く理解することができました。

    また本作の題材となった事件はいわゆる医療過誤(とは最終的にはちょっと違ったのですが)ものということで、巷で言われる「専門性の壁・密室の壁・封建制の壁」という3つの壁が立ちはだかります。専門性の壁については赤城をもってすれば突破できるものの、残り2つがSTの捜査を難航させることに。

    捜査の結果、病院として正常な判断ができるかどうか試すため、とある医師・小山が仕組んだ故意の医療過誤であったことが判明します。3つの壁のうちの一つである「封建制の壁」に対するものであったといえるわけですが、なんともやるせない気持ちになります。小山の狙いは理解するできるものではありますが、それにより一人の尊い命を失う結果となりまし…。被害者の妻の心情はいかばかりか、と考えさせられてしまう内容でした。

    小山には葛藤といったものなかったのかな? 読み手の自分としては多少なりとも「自分だったらどうするかな? 命も大事だし、病院の闇を告発もしたいし…」と相当揺れるはず、と思いましたが、小山は被害者の病状を診た時点できっぱりと犯行を決意したように見えます。病院の閉鎖性に嫌気がさして葛藤すら抱かない状態になっていたのかもしれません…。

    こういった点を踏まえると本作は非常に社会性の高い内容といえると思います。赤城をはじめとした登場人物の心情やそれぞれが抱える事情などを描き切っており、読み手の心に(少なくとも自分には)ズッシリとした何かが迫ってくる作品でした。

  • STのリーダー・赤城が主役。当然、医療サスペンスとなる。民事裁判では大学病院側の過失を認められなかった患者死亡事例に、刑事事件として臨むST。証拠の積み上げは厳しさを極める。赤城の過去との対峙と併せて、象牙の塔で展開される教授を中心としたヒエラルキーや、病気を見るが患者を看ない体質に、敢然と立ち向かう。TVドラマ「99.9」で、松本潤扮する弁護士・深山の台詞「事実は一つだけですよ」を思いながら本書を読んでいた。

  • このシリーズが好き。
    一人一人の登場人物にしっかりと個性があって、ストーリーも読み進めやすい。

    この話は、登場人物の中で"赤"の色で表される赤城に視点が置かれて物語が進んでいく。

    知らなかった赤城の過去を知れるのと同時に、STが言葉に出さずとも仲間であることを感じ取れる内容だった。

    事件の内容も、最後までどうなるのか予想がつかないものだった。

    遺族の方にとっては、怒りのやりどころがない物語であったかもしれないなと、少しばかり重い気分にはなったが、最後まで一気に読み進めてしまう面白さがあった。

  • 今回は赤城さん。赤だから当然か。研修医時代が当然ながらあったわけで、そこでの確執のようなものがとてももどかしく、これもまた医療現場のある意味事実かと思うと心が重くなりました。人一人を殺すには余りに身勝手な動機だった。医療ミスの裁判は本当に泣き寝入りなるんだな・・・。でも、被害者の奥さんが強い人なのが好感持てました。次に行きます。

  • 【あらすじ】
    大学病院で診療を受けたインフルエンザ患者が死亡し。医療ミスを疑った遺族が訴えを起こしたが民事で敗訴。
    納得出来ない遺族が新たに刑事事件として訴えたため、百合根たちSTチームが捜査にあたることになった。
    しかし。チーム内で法医学を専門とする赤城は大学病院との間に確執があるようで──。
    【感想】
    今回の作品は大学病院の闇を扱った作品です。一体どこに着地するんだろう?とハラハラしているうちにラストにたどり着きました。
    今野さんの作品はやっぱり面白いです。扱う事件ももちろん面白いのですが、とにかく人間が面白くて、グイグイと惹きつけられます。
    一癖も二癖もあるSTチームのメンツも味があって楽しいので、このシリーズ、少しずつ読み進めたいと思います。

  • STシリーズを一作目から順番に読んでるけど今まで読んだ中では本作が一番面白かった。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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