アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫)

  • 講談社 (2006年9月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (392ページ) / ISBN・EAN: 9784062755030

作品紹介・あらすじ

「アルキメデス」という不可解な言葉だけを残して、女子高生・美雪は絶命。さらに、クラスメートが教室で毒殺未遂に倒れ、行方不明者も出て、学内は騒然! 大人たちも巻き込んだ、ミステリアスな事件の真相は? 1970年代の学園を舞台に、若者の友情と反抗を描く、伝説の青春ミステリー。江戸川乱歩賞受賞作。ーー「この小説との出会いが、本嫌いだったバカ高校生の運命を変えた」(東野圭吾)

感想・レビュー・書評

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  • 何かタイトルが今風かと思ったけど(アルキメデスの大戦と被ってるだけかも?^^;)、国鉄とか言葉出て来るから古い作品やな!
    関西地方の話やから、分かるけど、この頃から比べたら、だいぶ、交通の弁も良くなってるで!
    後で、調べたけど、めっちゃ有名な作品。東野圭吾さんが、作家を志すきっかけの作品やとか…
    半世紀前ぐらいの作品なんで、多少の古さはあるけど、推理小説としては良い感じ。
    時代背景は、感じるな。タイトルの意味もしかり。

    しかし、こんな賢い高校生おるか?ってのは思う。
    西村京太郎さんばりの時刻表のトリックとか(でも、西村京太郎さんの方が後発になるのかもしれん。)、アリバイ作りとか。
    アルキの会を結成して、エコノミックアニマルへの復讐みたいな大義名分で、実行したけど、結局は復讐対象と変わらんようなレベルの動機って…
    今、エコノミックアニマルなんて言葉使うのかな?

    「お互いに、もうお伽話の年齢は過ぎたんだぜ。汚れた世間には、手を汚して立ち向かおうじゃないか」
    分かるけど、高校生やから、もうちょっと夢持って欲しい…
    確かに現実は、甘くないけど、そんな割り切らんと…

  • 中学生の時に図書館で借りて読み、衝撃を受けた1冊。
    小学生の頃からホームズやルパンが好きで読んでいたが、初めて面白い国内ミステリ作品に触れた瞬間。そこからミステリ好きは一気に加速したように思う。東野圭吾さんも文庫の帯で「この小説との出会いが、本嫌いだったバカ高校生の運命を変えた」と書いているので同じような感覚なのだろう。
    今では珍しくも何ともない内容だが、当時は高校生がこんな事って…とショックを受けた記憶がある。
    ミステリに足を踏み込んだ思い出の作品。

  •  50年以上前の昭和が舞台のミステリーで、設定や進行が現代の常識や価値観からみると荒唐無稽で、その当時の映画やドラマに感じる違和感を感じた。また倫理観も、例えば女性は陰険なもの等、現代では通じない倫理観が固定概念として扱われており、現代と乖離した昭和独特の雰囲気を感じた。しかし昭和のノスタルジーに浸れる感覚から、純文学を読んでいるような感じがよかった。物語は古典的ミステリー小説のトリックなどが多く使われ、現在に続くミステリー小説の原点のように感じられたが、反面として現代の感覚で本書を読むと、使い古された感のある物語に思えた。

  • 不思議な青春に巻き込まれたような読了感。

  • 第19回乱歩賞受賞作、なんと70年代!東野圭吾が読んで作家を志した本作、勉強がてら読んでみました。
    青春ミステリのはしりとも言われるこの作品、70年代の空気感は感じるがメッチャ読みやすい!
    大人と子供の理解の断絶は不変的なものなのだろうかな。謎が小粒だがタイトルがカッコいいね!

  • 「海のはじまり」を観ていたら、
    夏の本棚に本書が並んでいて、
    そういえば以前購入して
    積読状態とままということを
    思い出して読みました。

    1973年刊行なので、
    時代背景を考慮した上で
    読む必要があります。

    なので、本書についていけない人も
    沢山いると思います。

    かろうじて、当時の状況を
    想像することが出来ましたが、
    その時代に読んでいれば
    もっと高評価をつけていたはず。

    高校生が今より大人びていそう

  •  東野氏の原点として紹介されていた作品。昔と今とで随分と推理小説の形態が変化したと感じる。昨今は奇をてらった殺害方法やストーリーに緻密なまでに張り巡らされた伏線とその鮮やかな回収、そしてどんでん返しが期待されているが、そんなものがなくても面白い作品は面白い。姉の死に関してほとんど説明がなくてもOKなのだ。現代で出版されていたら、レビューで解説が足りないとか謎が残ると言われそう。文章も難しく、昔の学生はこんな文章も読めていたと思うと、よりわかりやすく簡素化が求められている昨今の私たちは、知能指数が落ちてきているのかな、と思ってしまった。
     本筋の事件よりも、最後の弁当セリ市を開催していた田中の一連のセリフに感心した。

  • 第19回(S48年度)江戸川乱歩賞受賞作。私は推理小説マニアではないのでマニアックな読み方はできない。ただただ小説としてもう素晴らしい読み応え。古臭いという感想が散見されるけれど、いやむしろ時代を超えている。作者が『アルキメデスは手を汚さない』というタイトルに込めた思いを汲み取れたなら、決して古びた作品でないことを感得できるはず。傷つき傷つけずにはいられない若者たちのしたたかな純情、惨たらしい結末の最後の最後に用意された清々しい結末。これは私的には十指に入るラスト。青春推理小説の傑作。大好きだ。

  • 1970年代の日本

    東京オリンピックや大阪万博など景気の良い話の陰に、強引な開発や公害の垂れ流しを「多少の犠牲はつきもの」としてうそぶきながら大人たちが日本再建に躍起のなか、子供達はイデオロギーに戸惑いながら戦前からの道徳感を打ち破って、少しづつ新しい時代を自ら作り出そうとしていた。

    物語はそんな空気感の狭間で起こる事件をめぐり、大人たちと高校生たちを描く。

    女子高生の妊娠と中絶手術のはての死
    妻子ある男性との不倫とコンクリート詰の死体
    鉄ぐし差しの死体と密室
    青春ものとは縁遠いかに思われる内容が次から次へと起こる。

    70年代に書かれてあっという間に当時の若者たちの間で広がった小説。
    私も当時このシリーズすべて読んだ記憶があり、懐かしく感じるだろうと思ったが、とんでもない。
    今でも、生きている小説だった。

    21世紀に入る前に作者が亡くなって、絶版していたとは……。

  • 堕胎手術で亡くなった女子高生美雪、誰の子を妊娠していたのか…父親が相手の男を探す話と思ってたら、そこからどんどん事件が発生してきて誰がどう関わってるのか全く分からん!読み進めるたび一転していく面白い。各々の正義がこうも狂わせるか……!

  • 関係のなさそうな3つの事件が、アルキメデスの会を中心に繋がってゆく。ミステリとしてはそれほどだったが、当時の高校生たちの〝ヤング悪漢〟ぶり、そして彼らとの世代の壁を感じ戸惑う刑事や教師のおじさん世代との対比がメインで、青春ミステリであることは間違いない。高校生たちのヤングぶりは、現代の高校生と比べても際立っていて、学園闘争などがあった時代だからなのか、とても生き生きとしている。アルキの会の思想は、おそらく現代の若者たちは持ち得ないもので、ゆえに現代では起こらない事件だろう。
    ずっと気になっていた作品を読めてよかった。

  • ああ、これ、学園紛争時代(昭和40年代)のテイストなんだろうな、
    と想像します。

    この時代は、それぞれの立ち位置が性別に関係ないというか、
    行動に対する意味づけが大事にされていたというか、
    なんかそんな雰囲気を感じます。

    今の若い人には、話がぴんとこないかもしれませんね。
    20160831

  • 元祖青春ミステリーだそうです。タイトルは普遍的で意味深い。人類は進歩し続けると共に失う、寧ろ自分自身を殺す羽目になる。そんな一つのパラドックスを投げかけてます。トリック云々を語る推理小説ではないです。高校生の現実を明るみにだした、当時としてはちょっとしたエポックメイキング的な作品だったのでしょうか。本作は東野圭吾氏が作家を志すきっかけとなったことで有名らしいです。

    • moemiさん
      パラドックス!
      この本を読み終えた感覚を言葉にならないかな~と思いながら感想を漁っていました。それは一つ合致しました。ありがとうございます。
      パラドックス!
      この本を読み終えた感覚を言葉にならないかな~と思いながら感想を漁っていました。それは一つ合致しました。ありがとうございます。
      2020/05/13
  • 今ではあまり使用されない漢字や言い回しが数多く出てきて、調べながらなのでテンポ良く読む事が出来なかった。
    柴本健次郎は、社長なのに感情の起伏が激しく、一方で高校は落ち着いていて頭の回転も早い。どっちが大人なのか、少し違和感を感じる。
    謎解きも、あまりひねりもない。
    タイトルの『アルキメデスは手を汚さない』も最後に解説しているが、このストーリーとの関連性も弱い。
    ストーリーとしては悪くはないが、タイトルから期待してハードルを上げた分、物足りなさを感じる。

  • 昭和感、、、高校生のセリフが、あまりに昔っぽい。

  • 随分、昔に江戸川乱歩賞を受賞した作品で、タイトルが惹きつける感じで、気にはなっていた。
    作者もすでに故人となっている。
    図書館で見かけたので、ようやく手に取ってみた。

    もっと、トリックバリバリの推理小説かと思ってた。
    だが、読んでみたら、妙に大人びて、考え方の歪んだ高校生や、おかしな大人たち(殺された少女の父、学校の教師、捜査する刑事たち)が登場する、変な小説であった。
    また、事件自体も地味で、トリックもなく、タイトルも回収してるかな?と思った。
    当時の社会の状況(連合赤軍など)などの空気感を再現した設定と言えないことはないが、読んでいて、納得できず、不快な気持ちになった。
    高校生たちの行動、言葉使いなど、そんなわけないだろ!と苛立ってしまった。
    途中で読むのをやめようと思ったが、読まないで文句は言いたくないので、なんとか読了した。
    その時代を表してたとはいえ、ひどい推理小説だった。
    これが、乱歩賞受賞とは…!!
    登場人物の誰1人にも感情移入できなかった。

  • 第19回(1973年度)江戸川乱歩受賞作。

    何というか、文体が読みにくい。
    ただ、これは1970年代の作品であり、且つ舞台も1970年代の高校と知りながら、借りた自分に責任があるのですが。

    若者の友情と反抗を描く、東野圭吾が作家を志した作品、青春推理のパイオニア、1995年(平成7年度)受賞作、テロリストのパラソル(藤原伊織)に抜かれるまで単行本部門では歴代乱歩賞のセールスランキングトップ、また、文庫部門でも未だにトップで65万部のセールスを記録…という数々の謳いをみて期待していた部分も大きかったため、落差も大きかった。

    まぁ、当時の時代背景も知らない人間が読んでも、そりゃ共感できないのは当たり前かもしれないですが。。。

    如何せん動機が弱すぎるところが何より引っかかった部分。『アルキの会』の為にそこまで自己を犠牲にできるものなのだろうか。こういった部分が感覚と合わないと感じ、「そんな動機なの……」という感想を抱いてしまった。1970年代に高校時代を過ごした方が読むと納得するのかもしれないです。

  • ミステリー

    いまいち小粒感が否めない

  • 単なる謎解きでなく、純粋な学者のふりをしても、結果として軍事利用される科学技術の戦争責任にまで問う視野の深さをこの題名は示している。70年代の若者の社会の偽悪に反発する風潮もうまくとらえて、見守ろうとする大人。

  • 4.9
    凄い。 どこまでも精密に作られた作品。
    まず第一に
    裏と表を絶妙に突いてくる。そして裏と表はとっても密接しているものだと教えてくれる。

    法律のもと行った仕事だと正当化しつつ、法律なんて関係ない私が犯人に手を下してやると言う、健次郎。

    そして、ラストには純朴、無垢な子供たちも
    自身の正義を生きるためには手を汚すことも厭わないと思う。 あんなに敵視した健次郎も歩んだ道だろう通路を行く。

    似たようなことなら、 父親に対し、近いからこそ憎しをもち、正しく生きようとするがその最中、自分から子を身籠りそして殺す選択をした事実。
    これは子供だからこそできる選択。

    女心もわからない鈍感男ね、といった本人が鈍感女。おなじ科白(使いたかった笑)を吐かれるし。

    もっと沢山、裏と表の密接部分を感じたところはあったんだけどなぁ。 それを書くのは難しい。

    そして
    第二に、子供心が忠実すぎる。

    本当に、正義の履き違え、思い込みと夢見がちと… 本当に大人と子供の間をよく書かれている。
    青春物は相当苦手だけど これは夢見てない、リアルなものでスッと入ってくる。好きなやつ。

    後半の供述には夢中になって読んだ。
    内藤は、美雪が誘ってきたんだと糞男を演じたが、美雪に対して悪気はなく、なんなら誠意をもっての行動だった事実。これは衝撃を受けた。犯すことを正当化し一石二鳥等とほざき、睡眠薬を使うことを決め、
    最中に怯んだが柳生を求める美雪に苛立ち犯してやろうと決意したというのに。
    自分の感情をまとめることは難しい年頃。感情の行くままにそれを素直に受け入れてしまう。本当に高校生というのを良く書かれてる。

    これと類似してる部分はこれ↓
    学園紛争で学内に立てこもった学生の間で乱交が行われていて その行為が彼らの意義を昂める源泉であるというということ。
    まぁこれは単に、吊り橋理論もプラスされ、その行為にハマってるだけともいえるけどね。笑

    そして何より、371ページ
    二人の好意が、愛に醸成されていくのを静かに待っておればよかったのだ。美雪も内藤もアルキの会も、どうだってよかったのだ。あれも、これも、私はおおよそ道化た空転をしていたのだ 。

    これこそが子供心を忠実に再現されていると感じた。

    夢中になれる何かを探していただけのこと。
    そしてその事実も素直に受け入れられてしまうこと。
    私はそう解釈した。

    そして重大な、アルキメデス発言して亡くなった美雪。
    アルキメデスは、直接的には手を下してなく、死ぬまで正当化したが、現実はそう綺麗なものになってる訳がなかった。
    美雪も、自分の選んだ道を正当化したいがため
    アルキメデスを心に刻んで亡くなった。
    虚しいな…。 

    そしてこれを読んで思ったことは
    「愛は世界を救うとは良く言ったもんやな」
    失笑。 そっちに捉えた。笑

    これ、時代背景が密に関わってくるけど
    17歳はどの時代でも17歳だった。
    現実と理想の狭間を葛藤する部分なんて何も今の若者とかわらない。
    私の17歳も、本当にこれだった。
    なんなら、17のあの頃が無知であるからこそ一番綺麗で正論を突いた意見を芯に持っていた気がする。
    24歳の今は、汚れたような、本当の残酷さと本当の優しさをゲットできたような。それでも17の頃より弱くなったような感覚。
    だからこそ、懐かしさとフィクションさが丁度よかった。


    ミステリー部分を何も言ってないけど、 ミステリーとしてもすごくよかった。テンポがよく飽きさせない、そして一つ一つ点が繋がっていく良い感覚を最高に体験させてくれる。
    持ち上げすぎ? いや、全くそんなことないわ。

    この本、題名のセンスも良すぎ。
    アルキメデスは手を汚さない
    ○○が、死んだ、倒れた、消えた
    幼児が舐めた
    老婆が感謝した
    母が庇った …。

    比喩なしに、ストレートに教えてくれる。
    アルキメデスは手を汚さない、も丁寧に意味を教えてくれる。

    村上春樹やエヴァのような
    芯だけ明確にし、相手に考えさせ、都合よく解釈できるようにし、信者にさせるようなものではない。どっちも大好きだけど

    この本は全てを教えてくれる。疑問を一つも残さない。

    良書すぎる。

    一つ苦労したのは、言葉のチョイスの古さ、旧字体が使われていること。

    読めない漢字をスルーして半分まで読み進めて、
    これは良書だから、この読み方は絶対勿体無い!と気付き
    又一から読み直した。笑 次は漢字もちゃんと調べて。笑
    良かった。 読み直して。本当に。

    楽しかったです!!

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