永遠。 (講談社文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 168
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062755429

作品紹介・あらすじ

別れるしかなかった。ふたたび逢うこともなかった。
言葉にすると、想いはこぼれおちてしまう。
いつまでも心にのこる青春小説。

生きることに無器用なひとなのね、それが私にはいとしかった――葉月さんは亡くなる前、娘の弥生と幼なじみの僕に話してくれた。かつて別れた恋人のことを。弥生はその男の向かいの部屋に住み、彼の講義を聴きに短大に通った。「お父さん」と、一度も告げられずに。卒業式の日、僕は弥生の帰りを待つ――。

その時ねえ。私、初めてあのひとがわかった気がした。何にも言わないから鈍いみたいに見えるけど、本当は逆なんだ。思ったことをなかなか口にしてくれないのは、言葉にするとこぼれてしまうものがたくさんあるってことを、よく知っているからなんだな、ってね。ねえ、弥生。あんたもこの先、誰かを好きになるかもしれない。そういう時に、その恋がほんものかどうか、見分ける方法がひとつあるよ。――<本文より>

感想・レビュー・書評

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  • 村山由佳さん「永遠。」読了。酒屋の息子 徹也と、幼なじみの弥生による回想記。物語は徹也による一人称で進められる。弥生は、三代に渡って水商売をしてきた美人家系で父親は死別し母親とおばあちゃんの三人暮らし。ある時、父親が生きていると聞くのだが。。家族でいること、これまで経験してきたことは「永遠」に残るということが、読み終わって思ったこと。家族の愛情は温かいと感じられた作品。約100ページの短いお話で、読みやすかったです。村山さんによるあとがきで書かれている物語の作成裏話も面白かった。

  • 生きることに無器用なひとなのね。それが私にはいとしかった―葉月さんは亡くなる前、娘の弥生と幼なじみの僕に話してくれた。かつて別れた恋人のことを。弥生はその男の向かいの部屋に住み、彼の講義を聴きに短大に通った。「お父さん」と、一度も告げられずに。卒業式の日、僕は弥生の帰りを待つ―。

  • 弥生の父に対するポジションが非常にいじらしい。
    名乗れないのに傍にいる。
    悲しい、淋しい、悩む、嬉しい、一言では言えない感情の日々だっただろうな。

  • 弥生、大学生。葉月、弥生の母。余命少ない。徹也、父の居酒屋を手伝う。幼少期母が出て行き父と暮らす。弥生と幼馴染み。葉月から父が実は生きていると聞かされた。結婚を決めていたが両親に反対され葉月が身を引いたのだった。弥生は父に会うため父の立ち回るところでバイトをする。やっと、父と子どもと名乗らず話すことができるようになった。弥生は父が落とした通帳を拾う。それは自身の名前が書かれたものだった。弥生は通帳を父へ送る。自身の名前を封筒に書いて。

  • 脈々と受け継がれていく、水商売の家系。母、祖母、曾祖母と商売で知り合った男と交わり身籠った。そこから脱却しようと母は猛勉強し大学に進学を果たすが、付き合っていた男性との間に子を授かり、別れてスナックで働く。本書は、母の娘と、娘の一つ年上の男性の物語。美しく装飾された男女の関係、そして家族愛・・読了後のカタルシスは秋晴れのようだった。

  • 徹也は水族館で弥生を待つ30分ほどの間に、子供の頃や弥生の母親の葉月のことなどに思いを巡らせる。イワシやマンタ、イルカを眺めながら気持ちを落ちつかせ、葉月さんに対する初恋のような思いや弥生への気持ちを自分自身に吐露するように。
    映画とのコラボ作品だとあとがきにありますが、ひとつの作品というかもうひとつのストーリーという感じで読めてしまいます。
    切なさがずっと続いているのだけれど、将来がありそうな終わりかたに素敵な出逢いがあるのかもと、、、。

  • 映画「卒業」(ただし、洋画のそれではない。)のスピンオフ作品。掌編小説といってよいほど分量が少なく、しかるに登場人物も主要メンバー3人、台詞・登場場面僅少だが、重要な役割のメンバーが2、3人ほどいて、割合多い。どう書くかではなく、何を書かないかが問われる。その意味で母葉月の病室でのシーンに軸足を置いた構成は締まった感じでよい感じ。

  • 元になった映画も見たくなりました

  • 昔に一度読んだことがあり、1文を覚えていて再読しました。 昔の自分と今の自分、感じ方が少しずつ変わっていて、夫婦愛や親子愛、人とのつながりというところで、また読み返したい一冊です。 ”一度誰かとの間に芽生えたつながりは、ずーっと消えずに続いていく”っていうところ、確信を突いてるなぁと思います。

  • 以前読んだっきりなので、再読して感想書きたい。

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著者プロフィール

村山由佳(むらやま ゆか)
1964年7月10日生まれ、立教大学文学部日本文学科卒業。不動産会社、塾講師などの勤務を経て作家となる。
1991年 『いのちのうた』でデビュー。1991年『もう一度デジャ・ヴ』で第1回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞佳作、1993年『春妃〜デッサン』(『天使の卵-エンジェルス・エッグ』に改題)で第6回小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で第129回直木三十五賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞、第22回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞している。ほか、代表作として『おいしいコーヒーのいれ方』シリーズがある。

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